提案書18(3402頁~3601頁) (156 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
712103
特定薬剤治療管理料対象薬として「カボザンチニブ」を追加
日本泌尿器科学会
24泌尿器科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
04消化器内科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
リストから選択
─
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
分子標的薬の導入で転移を有する腎細胞癌患者の予後は改善したが、長期にわたる内服が必要であるため、薬物の適切な管理
が求められる。最近、カボザンチニブの血中濃度と治療効果との関連性が示され、血中濃度の測定によりカボザンチニブ投与
の最適化が期待されている。本技術は、カボザンチニブ服薬直前に採血を行い、カボザンチニブ血中濃度(トラフ値)を測定
し、患者個別の適切な投与量設計に役立てることを目的としている。
文字数: 199
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
・切除不能な腎細胞癌
・癌化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
本技術は、下記に示すようなカボザンチニブの投与量変更が必要な場合に、患者個別の至適投与量設計に役立つ。さらに、患
者の服薬アドヒアランスの確認にも有効である。
1)治療効果が不十分でカボザンチニブを増量する場合
2)副作用出現あるいは肝機能・腎機能低下による薬剤クリアランス低下のためカボザンチニブを減量する場合
3)予想外の副作用出現時など異常血中濃度が予想される場合
4)カボザンチニブ血中濃度に影響をおよぼす併用薬がある場合
文字数: 214
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
腎細胞癌(RCC)は、癌全体のおよそ2%を占めるとされ、好発年齢は50〜70歳で、死亡率は人口10万人あたり男性で9.4人、女性
で4.8人(2014年)である。国内で診断されるRCCの患者は、年間約8000人であり、そのうち20-30%の患者が初診時すでに転移
を有する。また、治療中に転移が生じる症例を加えると、年間約3000人が治療対象となりうる。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)などの分析機器を持つ施設であれば測定可能であり、カボザンチニブ投与開始後、定常状態
に到達する7~10日に測定を1度実施。以降、必要に応じて測定する。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
その他(右欄に記載する。)
番号
なし
医療技術名
なし
既存の治療法・検査法等の内容
カボザンチニブによる治療は、推奨投与量である60mg1日1回で開始し、副作用が出現したら休薬あるいは減量し、癌が進行し
た場合は、他の治療法に変更する。すなわち、血中濃度のデータがないため、治療効果(副作用、癌の進行など)のみを判断
の根拠として治療を行わざるえないのが現状である。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
特になし
研究結果
カボザンチニブの効果と血中濃度(トラフ値)との関連性が指摘されており、副作用を未然に防ぎ、無効域を回避するために、
血中濃度のモニタリングが必要である。特に本邦ではカボザンチニブが減量して投与される機会が多いことから、カボザンチ
ニブの至適投与のためには本技術導入による薬物治療管理の有用性は高いと考えられる。
カボザンチニブの血中濃度は個人差が非常に大きい(J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life
Sci.2020;1138:121968.)。ゆえに有害事象が欧米人より多い日本人では、ほとんどの症例(91.4%)で減量されることとなる
(Int J Urol.2020, 27(11):952-959)。これらへの対処として客観的な指標である血中濃度測定、特にトラフ値の有用性が知
られてきた。Cerboneらはトラフのカットオフ値として、治療効果 536.8 ng/mL、有害事象 617.7 ng/mLを提案している(ESMO
open.2021 6(6):100312)。またKrensらもトラフ値600 ng/mL以上で有害事象が増える可能性を指摘している(Int J
Cancer.2022 150(2):308–316)。また、臓器障害により血中濃度が変動する可能性があり、トラフ値によるモニタリングが有
効な可能性がある(J Clin Pharmacol. 2016,56(9):1130-40)。
2b
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の改
未定
訂の見込み等を記載する。)
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