提案書18(3402頁~3601頁) (127 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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・急性期脳梗塞患者に対するtPA療法患者において、モバイルICTソフトJOINを利用して診断した場合と、脳卒中専門医が翌日
PACSで画像を見て診断した場合の一致率は100%であった。またJOINによってdoor to needle timeが90分から63分に短縮し、
90日後のmRS0-1が51.3%と良好な転帰を示した。(資料1)
・JOINの導入により、急性期脳梗塞患者のCT/MRI開始時間、tPA開始時間、血栓回収術開始時間が有意に短縮され、3ヶ月後の
mRS0-2は45.95%から66.67%に増加した。(資料2)
・通常の医療と比べ、遠隔医療を導入した場合は時間外に発生した急性期の脳梗塞に対する血栓溶解療法実施率が高くなり、
医療費の削減や質調整生存年(QALY)の延長にも関連していた。(資料3※)
2b
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
米国脳卒中ガイドライン(資料4)
・脳卒中急性期の診断において、telemedicineを利用した院外から
の画像診断は推奨される(Class Ⅰ)。
・Telemedicine/telestrokeの資源やシステムの利用は、24時間対
応や様々な状況の脳卒中患者に対応できるように、医療機関、政
府、保険者、ベンダーによってサポートされるべきである(Class
Ⅰ)。
・正確なtPA投与のために、telestroke/teleradiologyは効果的で
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載する。) ある(Class Ⅱa)。
脳卒中治療ガイドライン2021(資料5※)
・専門医が不在の地域での脳卒中診断において遠隔画像診断の有効
性が示されている(推奨度C)。
・脳卒中遠隔医療は、地域の基幹施設の脳卒中専門医がテレビ会議
システムを用いて関連施設の医師のtPA静脈療法を支援するシステ
ムで、メタ解析では対人診療と同等の有効性と安全性が検証されて
いる(推奨度C)。
年間対象患者数(人)
102,795人
国内年間実施回数(回)
102,795回
※患者数及び実施回数の推定根拠等
第7回NDBによると、2020年度の入院「時間外緊急院内画像診断加算」の年間回数が1,427,708回である。これはおもに救急搬
送された患者が対象と推定されるが、2018年度総務省の報告では急病での救急搬送患者うち脳疾患は7.2%と報告されており、
1,427,708回×7.2%で計算した。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・2019年11月の時点で、モバイルICT導入施設は650施設に達しており、技術としては成熟している。また脳卒中学会では遠隔
診療のガイドラインを作成し、質と安全の確保に努めている。
・画像診断・治療方針の決定にあたり、神経内科、脳神経外科の専門医等が当該医療技術を用いて画像診断・治療方針の決定
にあたることが望ましい。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
・画像診断管理加算1、2または3の施設要件を満たしている施設であること
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 ・放射線科技師等により常時PACSからモバイルICTへ情報送信が可能な状態であること
等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 ・脳神経外科または神経内科の経験を5年以上有する医師が在籍していること
や経験年数等)
・脳卒中診療における遠隔医療(Telestroke)ガイドライン(日本脳卒中学会 Telestrokeガイドライン作成プロジェクトチー
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要 ム:https://www.jsts.gr.jp/img/telestroke.pdf)に準じた運用を行うこと
・モバイルICTを利用して治療方針を決定した記録を診療録に残すこと
件)
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
個人情報の送受信に関しては、ガイドラインを遵守して行われており、特にリスクはない。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
時間外の不要な医師の来院を減らし、社会から要請されている医師の働き方改革を達成するために、必要な医療技術である。
B
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
点数(1点10円)
200
その根拠
時間外緊急院内画像診断加算が110点、他施設と遠隔連携診療を行う遠隔連携診療料500点を勘案した。なお、診療報酬の対象
は、診断の結果入院を必要とした患者を対象とし、当該診療報酬を算定する場合は、「時間外緊急院内画像診断加算」は算定
出来ないとする。
区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分をリストから選択
番号
特になし
技術名
特になし
具体的な内容
特になし
減(-)
プラスマイナス
予想影響額
予想影響額(円)
1,930,295,220円
その根拠
・入院の時間外緊急院内画像診断加算(110点)は、1,427,708回施行されており、このうちの7.2%が当該加算の対象とする
と、医療費の増額は1,427,708回×7.2% ×(200-110)点×10円/点=92,515,500円の増額となる。
・資料2によると、当該医療技術の導入により、tPA治療や血栓回収術の開始が短縮されることで、発症3ヶ月後のmRS 0-2、す
なわち自宅退院可能なレベルの患者割合が45.95%から66.67%に改善している。脳卒中患者の入院期間を急性期1ヶ月、回復期
3ヶ月とすると、発症3ヶ月の時点で、当該技術導入により、66.67%-45.95%=20.72%の患者の回復期入院期間が1ヶ月短縮され
たと推定できる。第7回NDBでは、tPA患者(超急性期脳卒中加算)13,612件と経皮的脳血栓回収術13,297件が実施されている
が、おおよそ血栓回収術の80%の症例でtPAが併用されており、実数としては16,271件が治療対象人数と推定される。回復期リ
ハビリ病院の入院費を60万円/月とすると16,271件×20.72%×60万円=2,022,810,720円の医療費削減となる。
・その結果、92,515,500円-2,022,810,720円=-1,930,295,220円の医療費削減効果が期待される。
備考
特になし
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