提案書18(3402頁~3601頁) (43 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
701101
small dense LDLコレステロール(酵素法)
日本動脈硬化学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
01内科
03循環器内科
関連する診療科(2つまで)
35臨床検査科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
場合、右欄も記
提案当時の医療技術名
載する
有
平成26年度
small dense LDL(低比重リポ蛋白質)
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
血清や血漿を用いてsmall dense LDL中のコレステロール(sdLDL-C)を定量的に測定する検査である。汎用自動分析装置に用
いる試薬であるため、測定値の再現性や精度も高い。従来は超遠心法や電気泳動法等で測定されてきたが、検体の前処理も
不要であり、本技術では迅速簡便に検査することが可能である。
文字数: 151
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
脂質異常症で動脈硬化症疑い
本技術を用いた試薬は「冠動脈性心疾患発症リスクの管理の補助」を目的として2021年に体外診断用医薬品の承認を取得
している。
心疾患リスクが高いとされるメタボリックシンドローム、糖尿病、NASH/NAFLD、家族性複合型高脂血症等の患者において
sdLDL-C濃度が増加することも多くの研究で示されている。冠動脈性心疾患を含む心疾患は本邦における死因上位であり、
重篤化した場合の医療負担や、治療後の再発防止に向けた厳しい管理を伴う。
以上のことから、本技術により、これらリスクが高い対象をより簡便に見極めることができれば、早期より必要な管理・
治療を行い、将来的発症予防に貢献できると考えられる。
文字数: 298
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
脂質異常症患者
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
血清または血漿を検体として、自動分析装置を用いてsdLDL-Cを測定する。測定頻度は1回目の測定結果がカットオフ値以上
であった場合は3ヶ月毎(4回/年)、1回目の測定結果がカットオフ値未満であった場合は原則半年~1年間は経過観察不要
(1回/年)。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
D
番号
007(1,3,4)
医療技術名
血液化学検査(LDL-コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、総コレステロール)
既存の治療法・検査法等の内容
脂質異常症の診断には、既存の脂質項目であるLDL-C, HDL-C, 中性脂肪が測定されている。また、総コレステロールも合わ
せて測定し、HDL-Cとの差を算出することで求められるnonHDL-Cも用いられている。
これらの脂質項目により脂質異常症と診断されると、禁煙、食生活改善、運動推奨等の生活指導や、主にLDL-Cや中性脂肪
を下げることを目的として、スタチンやフィブラート等の薬剤投与による治療が行われている。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
sdLDL-Cは既存脂質項目と独立したリスク因子であり、既存の脂質項目のみでは十分に予測できなかった将来のCHDリスクを
評価でき、個々のリスク管理としてより適切な生活指導の導入や予防的医療介入を行うことで、CHD発症数を低下させるこ
とが可能と見込まれる。
sdLDL-Cと冠動脈疾患発症との関連は吹田研究や久山町研究をはじめ国内外の複数の疫学研究で報告されている。久山町
研究では、sdLDL-Cが35mg/dL以上の群では発症リスクが約2倍になること、高リスク群でもsdLDL-Cによってリスクがさらに
層別化されること、既存脂質項目とは独立したリスク因子であることが報告されている。
また、既存脂質項目が異常値であっても、sdLDL-C値が低い場合は統計的に有意なリスク上昇は認められない一方、既存
脂質項目が異常でさらにsdLDL-Cが高い場合は、CHD発症リスクは2倍以上となり特に危険であることが示されたことから、
既存脂質項目の異常値群には、必要な治療介入の程度が異なる対象が混在していることが示唆された。さらに既存の血清脂
質が改善されていても、sdLDL-C値が高い場合にCHD発症リスクが有意に上昇している。(参考文献1-3)
薬剤との関連ではスタチン、フィブラート、SGLT2阻害薬等の投与にてsdLDL-C値が低下することが報告されている。
REAL-CAD試験では値が高いほど高用量スタチン投与の効用が大きく、治療方針を決める指標になり得ると報告されている。
(参考文献4)
2a
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
3444
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年度版にて、sdLDL-Cは、
LDL-Cよりも冠動脈疾患リスク、冠動脈硬化の重症度、二次予防
における心血管イベント発症とより強く関連することが示され、
従来からの動脈硬化リスクとは別に考慮すべき危険因子として示
されている(参考文献5)。