提案書18(3402頁~3601頁) (69 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
703102
人工呼吸器装着時意思決定支援管理料
日本内科学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
01内科
02呼吸器内科
関連する診療科(2つまで)
12神経内科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
人工呼吸器装着時意思決定支援管理料
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
人工呼吸管理の適応となる疾患の患者またはその家族に対し、現在の病状、人工呼吸器装着の目的及び方法、合併症、予想
される経過、予後などについて、十分理解できるように30分以上説明し、かつ文書により提供した場合500点を算定する、
なお急変時において家族などの代諾者に対し説明する場合は、説明の所要時間は問わない。
文字数: 153
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
急性呼吸不全あるいは慢性呼吸不全の急性増悪をきたした患者で、気管挿管あるいは非侵襲的管理(NPPV)の対象患者
現在の人工呼吸にかかわる診療報酬は、呼吸管理そのものの「医療技術」に対するものであり、本提案の内容である患者あ
るいは家族に対する人工呼吸器装着に関する意思決定支援としての「説明技術」に対するものではない。
また内保連による調査では、呼吸器装着時の説明時間は、平均33分であり、これはがん患者指導料1(500点)を算定してい
る症例と比べ有意に長く、また近年高齢者の中には呼吸器装着を望まない患者もおり,さらに呼吸管理の選択肢として挿管
のみならずマスクを用いるNPPVやハイフローセラピーの方法が加わり、患者あるいは家族と医療者が生命に直結する医療選
択になってきたからである(参考文献3)。
文字数: 293
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
急性呼吸不全及び、慢性呼吸不全の増悪により人工呼吸管理の適応となる患者、すなわち肺炎などによるARDS(急性呼吸窮
迫症候群)、間質性肺炎やCOPDの増悪、神経筋疾患による慢性呼吸不全など、ただし侵襲的(挿管下)、非侵襲的(NPPV)
呼吸管理のどちらも含まれる。年齢制限は特にない。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
人工呼吸療法の開始前に、患者本人あるいは本人の意思が確認できない場合には家族(代諾者)に対して、病院内のしかる
べき場所で30分以上の時間をかけて治療と検査内容を説明する。説明の内容は「標準的医療説明の手順書」にその詳細が書
かれているが、それを参考にして主治医から行うものであり、最終的には文書によって同意を確認する。場合により看護師
あるいはコメディカルの医療者が同席したほうが良い場合もある。説明の手順としては ①現在の病状・病態の説明 ②治
療(検査)目的 ③治療(検査)法の概略と効果 ④治療(検査)中あるいは後に起こりえる主な副作用・合併症 ⑤本治
療(検査)を受けなかった場合に考えられる結果⑥本治療(検査)以外の治療(検査)法について〔代替治療(検査)〕⑦
治療(検査)にかかる費用の順で、わかりやすく丁寧に説明する、なお本支援料は、あくまでも治療・検査の開始前に行わ
れるものであり、また複数回行われた場合でも、月毎に1回以上算定することは不可とする
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
J
A,K
番号
J045,A301,K386
医療技術名
「人工呼吸」
既存の治療法・検査法等の内容
急性呼吸不全や慢性呼吸不全の増悪に対する上記の診療報酬はすでに治療が行われている状態に対し、それを診療報酬的に
評価して設定されているものであるが、人工呼吸療法を開始する前に、それを実施するかどうかの患者意思確認のための医
療説明に対しては、診療報酬評価がなく、また実際に人工呼吸器装着を行わなかった場合には上記の報酬が加算できないこ
ととなり、その場合診療報酬的に不合理という状況である。したがって現場では患者への説明が時間的、質的に不十分にな
る傾向が強く、そのために患者の望まない状態で呼吸器の装着が開始されることがあり得る、また当然患者自身や家族等の
満足度も低下した状態で治療が継続することとなる。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
「特定集中室治療管理料」
「気管切開術」
【治療等の方針の意思決定における有効性】:「本日受けた説明は、あなたが検査や診療方針を選択するにあたり、役に立
ちましたか(立ちますか)」という設問に対し「そう思う」と回答した患者またはその家族は、人工呼吸器装着(呼吸器領
域)では100%であった。なお患者の理解度・および満足度に関して上記の内保連調査で、呼吸器装着前に行なった説明に
対しても「よく分かった)及び「だいたい分かった]と回答した患者は86%であり、また説明に対して非常に満足してい
る」64%、『やや満足している」36%と回答しており、医療説明の有用性が裏付けられた成績と考える。【効率性】正確な
効率性(費用対効果等)に関する国内先行研究は見当たらなかったが、海外研究(Veroff et al. 2013)によるランダム化
比較試験では、次の様に、強化された意思決定支援は医療費の節約をもたらしうるとしている:『強化された意思決定支援
を受けた患者群は、通常の意思決定支援を受けた患者群との比較で入院が12.5%少なく、選択の余地がある手術の実施は
9.9%少ない(選択の余地がある心臓手術の実施は20.9%少ない)」
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