参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (109 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》 |
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になりがちで、学修の動機づけがやや弱くなる。しばしば教育者がカリスマ的な役割を果たす。ひたすら話し
続ける講義や動画配信のような一方向性の教育は教育者中心の教育と言える。
2) 問題解決型か、情報志向型か?
問題を解決するという行為は、臨床現場で臨床医に求められる業務と相性が良い。また成人学習理論からも
問題解決型の学修は有効と考えられる。実践から問題を設定し、その解決のために理論を学ぶ、という学修の
順番を好む学修者には有効である。事実や概念、原則を習得するときや、学問分野を体系的に理解するには、
情報指向型の方が有効である。また未知の領域に知見を積み重ねることの重要性を伝えるには、情報志向型の
方が効果的であるとも考えられる。理論を先に学んでから実践に臨むことを好む学修者に有効である。
3) 統合型か、学問分野基盤型か?
学問分野基盤型では、それぞれの学問分野ごとに学修を進めていく。それぞれの学問の歴史を学べること、
教育実績が強固であることが強みである。またそれぞれの学問分野で何がわかっていないのか、ということに
ついて取り上げることで、科学的探究に関連する能力の涵養も期待できる。一方で蛸壺型になってしまうとい
う欠点がある。統合型では、一つのテーマに対して、基礎医学・社会医学・臨床医学のそれぞれの学問分野か
らのアプローチを統合させる形で教育を設計する。水平的統合(例:人体の構造と機能について、生理学、解
剖学、外科学など多分野の講座が担当する)、垂直的(連続的)統合(例:腫瘍について、解剖学、薬理学、臨床
腫瘍学と低学年から高学年にわたって基礎・臨床教室ともに担当する)等といった教育方略は、実践へ応用可
能な知識基盤を構築する際に有効である 10。
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4) 地域基盤型か、病院基盤型か?(臨床教育)
学修目標に応じて、病院か地域かという問いを基盤に、どこで学修するのがよいのかを考える。病院基盤型
であれば、指導医が多く、入院患者の診療を多く経験しやすい。また高度先進医療について学ぶことができ
る。一方、地域基盤型では、プライマリ・ケアについて学ぶことができ、また、介護・福祉との連携、医療の
社会的な側面等について学ぶことができる。病院と地域がうまく連携できるように計画するとよい。
5) 選択型か、必修型か?
医学教育モデル・コア・カリキュラムは全ての医学生に対して必修とする項目を扱っている。自分の専門分
野・診療科に進まない学生にとって最低限修得しておくべき内容は何か、という問いについて常に考えてお
く。選択型の場合、学修者が自ら(その科目を)選択するという行為、また学修方法を自ら選択できるというこ
と自体が、学修への動機づけを高めることがしばしばある 10。
6) 系統的か、場当たり的か?
臨床実習において学ぶ内容は、担当する患者さんに依存するため、場当たり的になる。一方で、シミュレー
ション教育によって、学ぶべき症候や疾患全てを網羅した系統的な学修が可能になる。実務経験を通じた学修
を On-the-Job Training(OJT)、それ以外の実務と離れて行う学修を Off-the-Job Training(Off-JT)と呼ぶが、
臨床実習は OJT の代表例である。OJT による学びの利点は、セッティングを転用する必要がない点にある(その
場で学んだことがそのまま活かされる)が、上記のとおり、学びが場当たり的なものになりがちで、学修効率
は悪いとされる。一方で、Off-JT の代表例であるシミュレーション教育は、学ぶべき内容を系統的かつ効率的
に学ぶことができるが、セッティングを転用する必要がある 11。講義は系統的に計画できるが、PBL のような
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田川まさみ, 他. 医学教育におけるカリキュラム開発. 医学教育. 2014;45(1):25–35. https://doi.org/10.11307/mededjapan.45.1_25
Rouse WB, et al. Learning in the health care enterprise. Learning Health Systems. 2017;1(4):e10024.
https://doi.org/10.1002/lrh2.10024
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