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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (211 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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4.診療参加型臨床実習の実際
(1)診療参加型臨床実習の基本的流れ
【入院患者での例】
1. 毎朝受け持ち患者を診察し、診療録や看護記録等の診療記録・経過表を必ずチェックし、前日や夜起こ
ったことについて把握する。
2. 毎日、患者の状態・検査結果・検査治療計画について指導に当たる医師に口頭で提示し、検討する。
3. 前項について毎日診療録の形式で学生記録を記載する。記載した記録は指導に当たる医師に必ず読んで
もらい、指導を受けて署名をもらう。
4. 回診やカンファレンスの時には受け持ち患者を口頭で提示する。
5. ベッドサイドで行われる採血や静脈注射等の基本手技を指導医の指導監督の下で実施する、もしくは見
学し指導を受ける。
6. 医療チームと患者、患者家族とで持たれる病状説明や検査治療計画の策定等に参加する。
7. 指導に当たる医師の下で実際に指示箋や処方箋、他科受診依頼等の下書きを作成する。作成した文書を
発行する際は、指導に当たった医師が署名を行う。
【外来患者での例】
1. 割り当てられた初診患者の医療面接と、可能であれば診断仮説に基づいた集約的身体診察を行い、得ら
れた所見から適切な臨床推論を行う。
2. 問題点に則した初期計画(検査計画)を立てる。
3. 指導に当たる医師に口頭で提示し、指導を受ける。
4. 担当した患者について診療録形式の学生記録を記載する。
(2)診療参加型臨床実習の利点
1)学生の視点から
(ア)知識やその使い方(臨床推論、臨床判断、診療計画の立案等)について
講義や机上の自己学修で臨床推論能力を身に付けるには、双方向の講義や症例を準備するなどかなりの工
夫が必要となる。しかし、臨床実習では、担当患者のデータや診療方針、その根拠等について自分で教科書
や文献を調べたり、指導医とディスカッションしたりすることにより、自然と身につく。
(イ)技能について
コミュニケーションや身体診察の技能、基本的臨床手技等については、診療参加型臨床実習の中で、自分
で体験することで「できる」ようになる。
(ウ)態度について
医師のプロフェッショナリズム、すなわち、担当患者やその家族及び他の医療職への接し方、自己の職業
的能力とその限界に即した行動、助力と助言の受け入れ、自己学修への意欲、医療における倫理的な考え方
や行動、社会人としての責任ある行動等は、一定の責任を持たされた上で、指導医や看護師等とともに診療
に従事し、特に病状説明や回復困難な疾患の説明に同席するなどの実地体験をすることで、身に付けること
ができる。
2) 指導する医師の視点から
指導に当たる医師は、担当中あるいはその他の患者のデータや診療方針、その根拠等について学生に尋ね、
知らなければ自己学修を促す(1分間指導法 One Minute Preceptor Model*)。必ずしも小グループの講義等
を実施しなくてもよい。また、“Teaching is learning twice (To teach is to learn twice)”(教うるは学
ぶの半ば)と言われており、学生から尋ねられることや学生に教えること等により指導に当たる医師自身が学
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