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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (20 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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Ⅱ.改訂の各論
1. 改訂された 資質・能力
第 1 章を「資質・能力」として、10 の資質・能力を掲げた。第 2 章に記載した学修目標との関連も
含め、その概要は以下のとおりである。
① プロフェッショナリズム(Professionalism : PR)

「人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利
他的な態度で診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。」という医師としての目的を最
初に明示した。

学修目標として「信頼」
「思いやり」
「教養」「生命倫理」を挙げ、アウトカムを示している。

今回のモデル・コア・カリキュラムでは、プロフェッショナリズムに関する学修目標は、資質・能
力「PR:プロフェッショナリズム」に紐付く学修目標以外の学修目標にも多数含まれている。資
質・能力「PR:プロフェッショナリズム」では、例えば、資質・能力「GE: 総合的に患者・生活者
をみる姿勢」や「LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢」に含まれなかったが、医学生・医師として学
び働く上で重要だと考えられる項目について扱うこととした。
② 総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism: GE)

今回の改訂で新たに追記した資質・能力である。専門・細分化に進む傾向にある医学・医療の中で、
医学生及び医師にとって重要な資質・能力であると考えた。「患者の抱える問題を臓器横断的に捉
えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領域にとどまらずに診療を
行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。」と、「総合的」の意味するところを目標に明
示した。

具体的には、第 2 層で「全人的な視点とアプローチ」
「地域の視点とアプローチ」
「人生の視点とア
プローチ」
「社会の視点とアプローチ」の 4 つの視点から提示した。

「全人的な視点とアプローチ」では、臓器横断的な診療、患者中心の医療、緩和ケアなど包括的な
視点とともに、根拠に基づいた医療(EBM)や行動科学についても扱った。

「地域の視点とアプローチ」では医療・保健・福祉・介護の観点からプライマリ・ケアを重視した。

「人生の視点とアプローチ」では、人生のプロセス(ライフサイクル)に沿って、小児期から老年
期・終末期に至る視点をもとに学修することを提示した。

「社会の視点とアプローチ」は文化的、社会科学的な文脈から総合的に臨床実践に活用することに
ついて述べた。社会医学の各論については、後述の⑩社会における医療の役割の理解(Medicine in
Society : SO)に記載している。
③ 生涯にわたって共に学ぶ姿勢(Lifelong Learning : LL)

「安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生
涯にわたって自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。」という目的を明示した。

生涯学習として、新たな医学情報へのアクセスと省察する姿勢、学修者のキャリア構築に触れた。

自身が学び続けると同時に、同僚や後進等への医学教育を実践することの重要性を述べている。
④ 科学的探究(Research : RE)

「医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研
究活動に関与して医学を創造する。」という目的を掲げ、科学的探究心をもって日常診療に取り組
む臨床医の養成も視野に、研究者育成の視点を充実化した。

医学・医療の発展のための医学研究の重要性及びリサーチマインドの醸成という観点を重視し、基
礎医学・臨床医学・社会医学の研究が医療の実践の基礎にあることを理解する構造とした。
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