参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (154 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》 |
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(1)関連する主な資質・能力/学修目標
多職種連携能力/IP-01-01: 患者中心の保健医療福祉、IP-01-02: 職種間コミュニケーション、IP-02-01: 職
種役割、IP-02-02:関係性への働きかけ、IP-02-03:自職種の省察、IP-02-04:他職種の理解
(2)方略
多職種連携教育は 70%を超える医学部で実施されているが、様々な医療分野、カリキュラムの調整の問題、教
員の問題等、多職種連携教育の導入に関する問題がある 54。Good Practice として①大学間・学部間の多職種
連携教育の例を挙げるが、②医学部のみで実施する多職種連携教育の方法も紹介する。
1)概要
①A 大学医学科と B 大学看護学科、理学療法学科、作業療法学科、放射線技術科学科の学生が関わり Teambased Learning (TBL)を用いた多職種連携教育実習を 1 日 4 時間程度で実施している。
②C 大学医学部では、初日に各グループで多職種を割り振り、多職種カンファレンス動画を閲覧し、カンフ
ァレンスと割り振られた職種のイメージをつくる。中間に各職種にインタビューを行い、職種の役割の
理解を深める。最終日に各グループ代表が各職種になりきり、多職種カンファレンスを行い、グループ
発表を行い、各自レポートを作成する一連の実習を行っている。
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2)カリキュラム開発の背景
①TBL は、医療専門家の学生間で他学部や他職種の文化を育む多職種連携教育に適しており、多職種連携教
育の方略として国際的にもよく使われている 55。大学間での共同プログラムであり、カリキュラム調整が
難しいことから、約半日のスケジュールの多職種連携教育実習である。
②早期体験実習(Early Exposure)プログラムとして臨床実習に入る医学部 3 年生を対象に、現場の医療者の
経験を実感し、医療現場への興味・関心をあげるための実習である。
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3)どのような方法で教えるのか?
①A・B 各大学での TBL
1.事前課題:脳血管障害の病態について、障害を持つ人のケアについて、片麻痺のリハビリについて、脳
血管障害の CT や MRI 画像検査についてのオンデマンド動画を用意し、当日までに全学生に見てもらうよ
う周知している。その知識を実習当日 Individual Readiness Assurance Test(IRAT)と Group Readiness
Assurance Test(GRAT)で確認する。
2.講義・実習等の時間はどのくらいか?:学生はグループ間で自己紹介・アイスブレイクを行い、シナリ
オに関連する脳血管障害についての IRAT・GRAT を行った後、応用課題(グループワーク、発表)を 2 つ行
い、これらについて、休憩を含めて約 4 時間かけて実施している。グループワークは脳梗塞を発症した患
者とその家族に関するシナリオをもとに討論し、ワールドカフェ方式 56で共有している。
②C 大学医学部での早期体験実習
1.事前課題:オンデマンド講義 に加え、ケース課題について考え、提出する。
2.講義・実習等の時間はどのくらいか? :初日・中間・最終日の 3 部構成からなる。
・初日(コースの位置付けと目標と全体像 + 質問):事前知識の確認(LMS 上で課題テストを行う)と事前課
題のフィードバックに加え、多職種カンファレンス動画 を例として見て、 職種の割り振りの確認と最
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