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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (134 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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事例 4.スポーツ医学
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
総合的に患者・生活者をみる姿勢/ GE-01-05: 行動科学、GE-04-01: 医学的・文化的・社会的文脈における健

(2)方略
運動・活動の自己評価とそれに基づく運動・活動支援を実践するための実習
1)概要
医学とスポーツ科学と行動科学を基にした運動指導を行う教育は、人々の心身の健康を維持するために国
としても重要な施策であり、医療費削減への期待も大きい。そのため、医学生が個人の身体機能や生活活動
を評価でき、行動科学の知識を活用したうえで対象者の生活や価値観も踏まえた運動の支援を計画できるこ
とは重要である。そこで、運動指導を題材とした行動科学の知識を活用した実習の Good Practice を共有す
る。最初に、個人の身体機能を評価するために自らの身体をセルフチェックできる動画を用いて、自身とペ
アとなる医学生の身体の柔軟性・スタビリティー、筋力等の評価の方法を学ぶ。それを基に、ペアとなる医
学生を対象に行動科学の知識を活用した運動指導の計画を立案し、フィードバックを得る。実習で学んだ内
容を自分自身と家族や友人等の周囲の協力者にも実施する。具体的には、自分自身と対象者の生活や価値観
を踏まえた運動指導の計画を立て、休暇等を利用してそれを実施し、一定の期間評価することで自分自身と
対象者の運動指導と実際の比較を通じた運動指導のプロセスを学ぶことを目的としている。
2)学修目標と学修内容
学修目標は、①個人の身体機能や生活活動を評価できる、②動機付け支援を実施できる、③運動指導対象
者の生活や価値観も踏まえた運動の支援を計画し、評価することができる、④自分自身の活動を省察し、運
動習慣を見直すことができる、とした。
①については、事前課題として個人の身体機能の評価する動画を使って、運動中の筋肉や身体の動き
(Movement)の程度について学ぶ。また、講義で筋肉量や関節可動域を超える運動は、身体の痛みや怪我に結
びつく可能性があることを学ぶ 40。
②③については、個人の生活活動に応じた運動指導の取組の重要性と行動科学の知識を援用した動機づけ
支援 の方法を講義で学び、具体的な計画案を立てながら、適宜ペアとなる相手にフィードバックをもら
い、実際の運動指導の計画・実施・評価のプロセスについて学ぶ。
④については、自分自身の筋力や関節可動域、生活習慣や価値観の自己評価とそれに続く休暇の自らの運
動習慣の確立と評価等を通じて、他者への指導との比較を通じた学びを意図している。運動指導の注意点と
して、一部の関節に機能障害が発症した際に、代償動作により他の関節に過度な負担をかけ、それが痛みの
原因となる可能性がある 41ことも伝える。
39F

40F

3)どのような方法で教えるのか?
実習前の課題として、自らの身体をセルフチェックできる動画(例えば、スポーツ庁ホームページに掲載
されている身体診断「セルフチェック」動画を事前課題とし、 医学生自身の肩甲骨、足首、胸椎、股関
節、背骨、下半身、首、肩、上肢、体幹部等の筋力と関節の可動性を評価したものをアンケート管理シス
テムにアップする。

40

Hodges PW. Pain and motor control: From the laboratory to rehabilitation. Journal of Electromyography and Kinesiology.
2011;21(2):220–8. https://doi.org/10.1016/j.jelekin.2011.01.002
41
Panjabi MM. The stabilizing system of the spine. Part i. Function, dysfunction, adaptation, and enhancement. Journal of Spinal
Disorders. 1992;5(4):383–9. https://doi.org/10.1097/00002517-199212000-00001

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