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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (128 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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事例 2.人体解剖学
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
プロフェッショナリズム/ PR-02-03: 品格・礼儀
専門知識に基づいた問題解決能力/ PS-02:人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療
(2)方略
人体解剖学実習及び脳実習
1)概要
人体解剖学実習及び脳実習では、誰一人教科書通りの構造をもたない「ヒト」を解剖することにより、科
学的探究、専門知識に基づいた問題解決能力、情報・科学技術を活かす能力を身に着ける。それだけではな
く、自らの意思で献体して下さった社会の一員である「故人」を解剖する機会を経験することにより、プロ
フェッショナリズム、総合的に患者・生活者を見る姿勢を学ぶことができる。また、チームワークを通じて
生涯にわたって学ぶ姿勢を学ぶことが可能である 34。
3F

2)どのような方法で教えるのか?
①オリエンテーション(講義、振り返り)
人体解剖学実習に先立つオリエンテーションでは、解剖に関係する法律、献体活動がどのように生じ、維
持されているか等、実習が社会によって支えられていることを学ぶ。実習に臨む際に、社会的責任やプロフ
ェッショナリズムについて考えることが求められ、社会の期待に応えるためにはどのような姿勢で実習に臨
むか、振り返りを行う。
学生は、実習を行う環境を清潔に保つというような作業環境管理、作業の効率化や手順の意味を考えなが
ら正確に作業を行うといった作業管理の考え方を考え、学ぶための重要な機会となる。
②人体解剖学実習、脳実習(自己学修、実習、グループ討論)
特別な事情がない限りすべての実習に参加することを必須とする。人体解剖学実習では、予習を通じて構
造の名称等の知識を学び、講義によりそれぞれの構造のつながりを学び、実習に臨むことでそれらを確認し
て定着させる。単に知識として学んだヒトのからだを、自ら手をうごかしながらの観察を通じて、さまざま
な構造が系統的かつ立体的に配置されていることを理解する。さらに、系統解剖学的知識を縦糸とし、局所
解剖学的知識を臓器横断的な横糸として、縦横に結びつけるという視点を得ることができる。基礎医学科目
との水平統合を意識して心臓の構造を学ぶのと近い時期に心臓の生理学を学ぶ等の工夫が有効である。解剖
学の講義のなかで症例を提示し、その疾患の理解や診断と関連付けて解剖学の教育を行うことで、臨床医学
との垂直統合が可能になる。知識導入や知識の確認のためには、e ラーニング教材を活用して効率的に学修
することが可能である。また、発展的な学修として、画像診断の e ラーニング教材も活用することにより、
解剖実習で直接観察することのできない断面構造や立体構造の把握が可能となる。
学生は自ら手を動かし、その感触を確認しながら解剖することを通じて、観察の技術を身に着ける。また
観察したものを図や言葉で表現するという説明の技法を学ぶ。4~5 名でチームとして実習を行うことにより
協同作業を経験する。また、互いに自分が得た所見の説明をし、議論することで、プレゼンテーションやコ
ミュニケーションの技術を身に着けることができる。
人体解剖学実習では、開始時、終了時に黙とうをささげる。黙とうの際には、ヒトの生と死について考
え、社会が求める医学生としての態度を取れているか考えることが求められる。

34

Swartz WJ. Using gross anatomy to teach and assess professionalism in the first year of medical school. Clinical Anatomy.
2006);19(5):437–41. https://doi.org/10.1002/ca.20331

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