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予算執行調査資料(総括調査票) (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2024/sy0606/0606b.html |
出典情報 | 令和6年度 予算執行調査の結果を公表します(6月公表分)(6/28)《財務省》 |
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総
調査事案名
括
調
査
票
(5)地域課題解決のためのスマートシティ推進事業
③調査結果及びその分析
2.地域間・分野間のデータ連携の状況について
① データ連携の全体的な状況
○ 地域間・分野間のデータ連携のどちらも行っていない自治体等は47団体(50%)にのぼり、データ連携基盤(都市OS)の機能が十分活用されていない実態が把握された。
○ 総務省の補助事業対象となっている40団体に限っても、どちらも行っていない自治体等は18団体(45%)あった。地域間・分野間のデータ連携が加点項目にとどまる本事業の問
題点が把握された。
② 地方自治体間のデータ連携の状況
○ 複数の地方自治体等の間でデータ連携を行っている自治体等は15団体(16%)にとどまった【図1】。
○ 今後、地域間のデータ連携の具体的な予定はないと回答した自治体等が56団体(60%)を占めた。その理由として、21団体(38%)から「データ連携を行うメリットやニーズの
あるサービスが見込めない」、6団体(11%)から「データ連携を希望する地方自治体等が見つからない」という旨の回答があった【図2】。
○ また、具体的には、小規模な自治体に連携を持ち掛けても職員が不足していて多忙のため説明を受けてもらえない、内容に関心を持ってもらえてもコスト負担について理解が
得られない、といった指摘があった。一方、事前に県内の自治体間で調整したことで、共同利用とデータ連携が実現した事例もあった。
○ 以上から、地域間のデータ連携については、導入後の連携は容易でないという実態や、導入時の連携を必須要件化していない本事業の問題点が把握された。
③ 同一の地方自治体等における分野間のデータ連携の状況
○ 同一の地方自治体等において分野間でデータ連携を行っている自治体等は41団体(44%)と半数以下であった【図3】。
○ 自治体内部の他分野のデータとの連携が進まない理由として、個別の分野を所管する原課のデータが紙でしか保存されていない、又は電子データだが標準化されていないため
直ちに連携させられず、スマートシティ担当課としては電子データ化や標準化を進めたいが、原課が多忙で協力を得られない、といった指摘があった。
○ また、企業等のデータと連携を進めて新たなサービスを提供したいが、個人情報は個人情報保護法等との関係で提供のハードルが高い、営業秘密としてデータの提供を断られ
る、データを標準化するための予算について庁内で住民メリットを説明しきれず確保できない、といった理由から、企業等とのデータ連携が進まないといった指摘もあった。
○ 以上から、スマートシティや都市OSの導入ありきでは、庁内や企業等の関係者が意義を理解し協力しない等の理由により、分野間のデータ連携が進まない実態が把握された。
【図2】データ連携を行わない理由(n=56)
【図1】地域間のデータ連携の状況(n=94)
【図3】分野間のデータ連携の状況(n=94)
4%
16%
地域間のデータ連携を
行っている
地域間のデータ連携を
行っていない
80%
データ連携を行うメリットやニーズのあるサービスが見込めない
データ連携を希望する地方自治体等が見つからない
11%
18%
データ連携のメリットは見込めるが、コストに見合わない
把握していない
まだ検討できていない
今後検討する
検討中だが具体化できていない
その他
38%
7%
9%
11%
7%
28%
29%
44%
複数分野でサービス提供してお
り、分野間のデータ連携を行っ
ている
複数分野でサービス提供してい
るが、分野間のデータ連携は
行っていない
単一分野のみサービス提供して
いる
④今後の改善点・検討の方向性
1.本事業により提供されているサービスの利用状況について
2.地域間・分野間のデータ連携の状況について
○
○
本事業によるスマートシティで提供されるサービスには、住民ニーズが低いものや、一定のニーズはあっても「スマートシティ」でなくても提供可能なものが含まれている。
データを地域間・分野間で連携させ、より効率的・効果的なサービスを提供するという「スマートシティ」ならではの取組は、総じて不十分である。データ連携を必須要件化し
ていない本事業の問題点に加え、スマートシティありきでは庁内や企業等の関係者の理解が進まずデータ連携が進まない結果、サービスが充実しないため住民の利用も進まず、関
係者の理解も進んでいない状況にある場合が多いことを踏まえると、本事業を継続しても「スマートシティ」は実現されないと考えられる。
○ したがって、本事業は廃止すべきである。データ連携基盤を含むICTインフラの導入を支援する際には、ICTインフラの導入ありきではなく、どのように課題を効率的・効果的に
解決するのか、その解決方法はICTインフラを導入さえすれば実現可能なのかについて、十分に検討することが求められる。
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総
調査事案名
括
調
査
票
(5)地域課題解決のためのスマートシティ推進事業
③調査結果及びその分析
2.地域間・分野間のデータ連携の状況について
① データ連携の全体的な状況
○ 地域間・分野間のデータ連携のどちらも行っていない自治体等は47団体(50%)にのぼり、データ連携基盤(都市OS)の機能が十分活用されていない実態が把握された。
○ 総務省の補助事業対象となっている40団体に限っても、どちらも行っていない自治体等は18団体(45%)あった。地域間・分野間のデータ連携が加点項目にとどまる本事業の問
題点が把握された。
② 地方自治体間のデータ連携の状況
○ 複数の地方自治体等の間でデータ連携を行っている自治体等は15団体(16%)にとどまった【図1】。
○ 今後、地域間のデータ連携の具体的な予定はないと回答した自治体等が56団体(60%)を占めた。その理由として、21団体(38%)から「データ連携を行うメリットやニーズの
あるサービスが見込めない」、6団体(11%)から「データ連携を希望する地方自治体等が見つからない」という旨の回答があった【図2】。
○ また、具体的には、小規模な自治体に連携を持ち掛けても職員が不足していて多忙のため説明を受けてもらえない、内容に関心を持ってもらえてもコスト負担について理解が
得られない、といった指摘があった。一方、事前に県内の自治体間で調整したことで、共同利用とデータ連携が実現した事例もあった。
○ 以上から、地域間のデータ連携については、導入後の連携は容易でないという実態や、導入時の連携を必須要件化していない本事業の問題点が把握された。
③ 同一の地方自治体等における分野間のデータ連携の状況
○ 同一の地方自治体等において分野間でデータ連携を行っている自治体等は41団体(44%)と半数以下であった【図3】。
○ 自治体内部の他分野のデータとの連携が進まない理由として、個別の分野を所管する原課のデータが紙でしか保存されていない、又は電子データだが標準化されていないため
直ちに連携させられず、スマートシティ担当課としては電子データ化や標準化を進めたいが、原課が多忙で協力を得られない、といった指摘があった。
○ また、企業等のデータと連携を進めて新たなサービスを提供したいが、個人情報は個人情報保護法等との関係で提供のハードルが高い、営業秘密としてデータの提供を断られ
る、データを標準化するための予算について庁内で住民メリットを説明しきれず確保できない、といった理由から、企業等とのデータ連携が進まないといった指摘もあった。
○ 以上から、スマートシティや都市OSの導入ありきでは、庁内や企業等の関係者が意義を理解し協力しない等の理由により、分野間のデータ連携が進まない実態が把握された。
【図2】データ連携を行わない理由(n=56)
【図1】地域間のデータ連携の状況(n=94)
【図3】分野間のデータ連携の状況(n=94)
4%
16%
地域間のデータ連携を
行っている
地域間のデータ連携を
行っていない
80%
データ連携を行うメリットやニーズのあるサービスが見込めない
データ連携を希望する地方自治体等が見つからない
11%
18%
データ連携のメリットは見込めるが、コストに見合わない
把握していない
まだ検討できていない
今後検討する
検討中だが具体化できていない
その他
38%
7%
9%
11%
7%
28%
29%
44%
複数分野でサービス提供してお
り、分野間のデータ連携を行っ
ている
複数分野でサービス提供してい
るが、分野間のデータ連携は
行っていない
単一分野のみサービス提供して
いる
④今後の改善点・検討の方向性
1.本事業により提供されているサービスの利用状況について
2.地域間・分野間のデータ連携の状況について
○
○
本事業によるスマートシティで提供されるサービスには、住民ニーズが低いものや、一定のニーズはあっても「スマートシティ」でなくても提供可能なものが含まれている。
データを地域間・分野間で連携させ、より効率的・効果的なサービスを提供するという「スマートシティ」ならではの取組は、総じて不十分である。データ連携を必須要件化し
ていない本事業の問題点に加え、スマートシティありきでは庁内や企業等の関係者の理解が進まずデータ連携が進まない結果、サービスが充実しないため住民の利用も進まず、関
係者の理解も進んでいない状況にある場合が多いことを踏まえると、本事業を継続しても「スマートシティ」は実現されないと考えられる。
○ したがって、本事業は廃止すべきである。データ連携基盤を含むICTインフラの導入を支援する際には、ICTインフラの導入ありきではなく、どのように課題を効率的・効果的に
解決するのか、その解決方法はICTインフラを導入さえすれば実現可能なのかについて、十分に検討することが求められる。
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