よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


予算執行調査資料(総括調査票) (97 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2024/sy0606/0606b.html
出典情報 令和6年度 予算執行調査の結果を公表します(6月公表分)(6/28)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

3/3


調査事案名

調





(29)防衛分野の先端的研究事業の成果把握等
③調査結果及びその分析

②調査の視点
2.研究開発段階に
おける、将来のコス
トを考慮した取組に
ついて
○ 防衛装備品に係る高
度化等に伴い、装備品
のコストが増大してき
ている中で、その構
想・開発から廃棄に至
るライフサイクルコス
ト(以下「LCC」とい
う。)を抑制していく
必要があるが、実際に
はLCCが増加し続けて
いる装備品が多く存在
している。




2.研究開発段階における、将来のコストを考慮した取組について
(1)具体的な装備品の研究開発における取組
○ 各装備品のLCCが増加し続ける中、防衛装備庁内の研究開発事業を管理する部
門においては、量産段階以降のコストを研究段階から低減できるよう、研究開
発事業実施部門に対し、企業に発注する仕様書に、民生品の活用や部品の共通
化などのLCC低減に関する取組の実施について明記するよう通知を行っていた。
○ しかし、量産価格や整備費用等をどの程度のレベルに抑えるかといった上限
が設定されていない上、研究開発事業管理部門として上記通知に基づく取組状
況についてのフォローアップが十分に行われておらず、実際にどれだけLCCが低
減される見込みかも把握されていない状況であった。
【図2】LCCが増加し続けている装備品の具体例

【調査対象年度】
令和5年度
【調査対象先数】
防衛装備庁:1先

1.先端的研究事業の成果等の状況について
○ ファンディング制度の採択時等に、少なくとも、将来
的に防衛目的での活用につながる潜在的可能性の評価を
行うべき。加えて、ファンディング制度・橋渡し研究の
両事業において、実際の運用側となる自衛隊のニーズと
合致するものとなるよう、防衛装備庁と運用側との連携
をより強化するなど、防衛装備品に繋がる研究成果を生
み出せるよう、研究開始前からの取組を強化すべき。
○ ファンディング制度の成果を踏まえて民生分野で研究
が継続されているものについて、継続的にフォローアッ
プを行い、防衛分野での研究開発に繋げていく対象の幅
を広げていくべき。

(令和5年10月27日 財政制度等審議会 財政制度分科会 資料より抜粋)

○ 国民から具体的な成果が見えるようにするため、ファ
ンディング制度・橋渡し研究の両事業の政策評価におい
て、防衛装備品に成果をつなげる視点のアウトカム指標
を設定した上で評価を行うべき。

装備品のLCCは、そ
の設計・仕様の内容に
よって大きく左右され
ることから、研究開発
段階において、将来の
量産・維持管理等のコ
ストを考慮した取組が
重要である。

○ これらを踏まえ、先
端的研究事業に限ら
ず、具体的な装備品の
研究開発事業も含め、
防衛省の研究開発事業
における将来のコスト
低減を意識した取組の
状況について調査を行
う。

④今後の改善点・検討の方向性

2.研究開発段階における、将来のコストを考慮した
取組について
○ 装備品の効率的な調達に加え、装備移転の拡大も見据
え、研究開発段階から将来のコスト低減に向けた取組を
強化すべき。
(2)橋渡し研究における取組
○ 外部有識者からの指摘※も踏まえ、令和5年度より、装備品への適用性が明
確化される仮作品の製造段階まで至った段階では、コストによる装備化への障
壁がないかを評価することとされている。


外部有識者からの指摘(令和5年度防衛省行政事業レビュー公開プロセス)
「『死の谷』は、研究開発から実用化に向けてコスト、量産化などの問題が『谷』
となって現れる。コストや量産化を評価する仕組みを審査項目に入れるべき。」

○ ただし、具体的にどのように評価を行うかは定められておらず、例えば、研
究成果を活かして装備品の開発を行った場合、「現状よりも製造工数の増加は
見込まれるが、維持整備の工数は減少する」といった定性的な評価に止まって
いる状況であり、将来のコスト低減に資する検討となっているか疑問である。

○ 具体的には、以下のような取組を実施するべき。
・ 各装備品の研究開発事業において、研究開発事業管
理部門として、あらかじめ量産や整備に要する費用な
どについて許容可能な上限を設定した上で、LCC低減に
向けた個別の取組とその成果をしっかり管理するな
ど、可能な限り定量的なコスト低減に取り組むべき。
・ 橋渡し研究においても、量産化以降のコストに関す
る評価方法を具体化し、可能な限り定量的に評価を行
う取組を行うべき。
・ これらによる管理・評価の対象となるコスト上限等
については、運用側と連携して設定するべき。

95