よむ、つかう、まなぶ。
予算執行調査資料(総括調査票) (96 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2024/sy0606/0606b.html |
出典情報 | 令和6年度 予算執行調査の結果を公表します(6月公表分)(6/28)《財務省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2/3
総
調査事案名
括
1.先端的研究事業の
成果等の状況について
○
査
票
(29)防衛分野の先端的研究事業の成果把握等
③調査結果及びその分析
②調査の視点
○
調
ファンディング制
度・橋渡し研究を踏ま
えて具体の防衛装備品
が開発された実績は、
現時点では存在しな
い。
一方で、研究開発に
は一定の期間を要する
ことを踏まえると、現
時点では成果が出てお
らずとも、今後具体的
な開発につながる成果
を挙げる見込みがある
事業となっているかに
ついて検証を行う必要
がある。
具体的には、
・ 研究終了した案件
について、実際に防
衛装備品の開発につ
ながると見込まれる
成果が出ているか
・ 採択時や研究途中
時での評価機能が実
効的に運用され、効
果的な執行につな
がっているか
を調査し、事業の現状
を把握するとともに、
より効果的な事業とし
ていくための改善点を
抽出する。
【調査対象年度】
平成27年度~令和5年度
【調査対象先数】
防衛装備庁:1先
1.先端的研究事業の成果等の状況について
【図1】研究が終了したファンディング制度の後続の内容について
(1)ファンディング制度
○ 研究終了事業のうち、研究成果が防衛分野での研究開発(橋渡し研究や装備品の研
究開発事業)に繋がっているものの割合は14.6%(12件/82件)であった。
一方で、現時点で後続事業がない事業が25.6%(21件/82件)存在していた。このう
ち、研究体制が維持できなくなったことが要因となるものも5件あり、研究終了後も
含めた持続的な研究体制についての評価が不十分であると考えられる【図1】。
また、47.6%(39件/82件)を占める「他府省等の研究で継続しているもの」及び
「自機関で継続しているもの」について、将来的に防衛分野での研究開発につながり
うる成果を挙げているかという観点からのフォローアップ調査はされていなかった。
※複数項目に該当する研究があるため合計値は母数の82件とは一致しない
○ ファンディング制度から防衛分野の研究開発につながる研究成果を増やしていくに当たっては、採択時等から防衛目的の将来可能性を見据えた選
定が重要と考えられるが、ファンディング制度においては、大学や研究機関のレピュテーションリスクの観点から、採択審査や中間・終了評価時
に、防衛目的の将来活用可能性については考慮されていなかった。
○
また、各種政策評価の指標においても、「研究委託の新規契約件数」「終了評価において成果が得られた評価となされた」といった指標しか設定
されておらず、「防衛分野での研究開発につながった件数」等といったアウトカム的な指標による評価がなされていない状況である。
(2)橋渡し研究
○ 令和5年度までに開始した研究事業50件のうち、終了した研究は2件あり、1件は具体の装備化の研究に移行しているが、もう1件は具体の装備
化の研究に向け、当てはめ先を検討している状況であり、研究段階における運用側(自衛隊)との調整が十分に図られていないと考えられる。
なお、橋渡し研究において、元となる技術の由来がファンディング制度の成果となっている研究の割合は26.0%(13件/50件)にとどまり、民生の
先進技術が由来となっている研究が多くを占めていた(86.0%(43件/50件))。
○
また、研究開始後の評価により、途中で中止・中断することとなった事業
は、全事業数のうち24.0%(12件/50件)もあり、その要因として、
・ 装備品の運用側(自衛隊)のニーズが特定できないなど、運用への寄与が
見出せないもの(6件)
・ 類似する研究が外国や他省庁で進んでいるなど、防衛装備庁自身の事業と
して伸ばすべき先進技術か疑念が生じたもの(6件)
といった、採択時に見極め可能とも考えられるものが多く見られた【表5】。
○ 各種政策評価の指標においては、「研究事業の実施件数」「研究試作等へ反
映可能との審査結果を得た研究事業の割合」といった指標しか設定されておら
ず、「具体の防衛装備品の開発につながった件数」といったアウトカム的な指
標による評価がなされていない状況である。
○
【表5】橋渡し研究を途中で中止・中断した理由について
中⽌・中断内容
件数
3
伸ばすべき先進技術が特定されているか
6
⺠⽣分野での研究開発ではなく、防衛装備庁⾃⾝の事業として伸ばすべき先進技術か
1
防衛装備庁内で類似の研究開発がなされていないか
6
5
研究成果が反映された装備品等の運⽤への寄与
➢研究成果が、装備品の機能、性能や戦い⽅そのものにどのような影響を及ぼすのか
全体計画
➢計画が適切に⽴てられ、必要な時期に必要な技術が獲得できるか⾒通しがあるか
※中止・中断内容の件数は複数回答のため重複カウントしている
以上を踏まえると、防衛装備品の研究開発につながる成果を増加させていくに当たり、特にファンディング制度における後続の民生分野での研究
を活用する仕組や、両事業に共通して、採択時の選定における更なる工夫や、事業自体の評価のあり方に課題があると考えられる。
94
総
調査事案名
括
1.先端的研究事業の
成果等の状況について
○
査
票
(29)防衛分野の先端的研究事業の成果把握等
③調査結果及びその分析
②調査の視点
○
調
ファンディング制
度・橋渡し研究を踏ま
えて具体の防衛装備品
が開発された実績は、
現時点では存在しな
い。
一方で、研究開発に
は一定の期間を要する
ことを踏まえると、現
時点では成果が出てお
らずとも、今後具体的
な開発につながる成果
を挙げる見込みがある
事業となっているかに
ついて検証を行う必要
がある。
具体的には、
・ 研究終了した案件
について、実際に防
衛装備品の開発につ
ながると見込まれる
成果が出ているか
・ 採択時や研究途中
時での評価機能が実
効的に運用され、効
果的な執行につな
がっているか
を調査し、事業の現状
を把握するとともに、
より効果的な事業とし
ていくための改善点を
抽出する。
【調査対象年度】
平成27年度~令和5年度
【調査対象先数】
防衛装備庁:1先
1.先端的研究事業の成果等の状況について
【図1】研究が終了したファンディング制度の後続の内容について
(1)ファンディング制度
○ 研究終了事業のうち、研究成果が防衛分野での研究開発(橋渡し研究や装備品の研
究開発事業)に繋がっているものの割合は14.6%(12件/82件)であった。
一方で、現時点で後続事業がない事業が25.6%(21件/82件)存在していた。このう
ち、研究体制が維持できなくなったことが要因となるものも5件あり、研究終了後も
含めた持続的な研究体制についての評価が不十分であると考えられる【図1】。
また、47.6%(39件/82件)を占める「他府省等の研究で継続しているもの」及び
「自機関で継続しているもの」について、将来的に防衛分野での研究開発につながり
うる成果を挙げているかという観点からのフォローアップ調査はされていなかった。
※複数項目に該当する研究があるため合計値は母数の82件とは一致しない
○ ファンディング制度から防衛分野の研究開発につながる研究成果を増やしていくに当たっては、採択時等から防衛目的の将来可能性を見据えた選
定が重要と考えられるが、ファンディング制度においては、大学や研究機関のレピュテーションリスクの観点から、採択審査や中間・終了評価時
に、防衛目的の将来活用可能性については考慮されていなかった。
○
また、各種政策評価の指標においても、「研究委託の新規契約件数」「終了評価において成果が得られた評価となされた」といった指標しか設定
されておらず、「防衛分野での研究開発につながった件数」等といったアウトカム的な指標による評価がなされていない状況である。
(2)橋渡し研究
○ 令和5年度までに開始した研究事業50件のうち、終了した研究は2件あり、1件は具体の装備化の研究に移行しているが、もう1件は具体の装備
化の研究に向け、当てはめ先を検討している状況であり、研究段階における運用側(自衛隊)との調整が十分に図られていないと考えられる。
なお、橋渡し研究において、元となる技術の由来がファンディング制度の成果となっている研究の割合は26.0%(13件/50件)にとどまり、民生の
先進技術が由来となっている研究が多くを占めていた(86.0%(43件/50件))。
○
また、研究開始後の評価により、途中で中止・中断することとなった事業
は、全事業数のうち24.0%(12件/50件)もあり、その要因として、
・ 装備品の運用側(自衛隊)のニーズが特定できないなど、運用への寄与が
見出せないもの(6件)
・ 類似する研究が外国や他省庁で進んでいるなど、防衛装備庁自身の事業と
して伸ばすべき先進技術か疑念が生じたもの(6件)
といった、採択時に見極め可能とも考えられるものが多く見られた【表5】。
○ 各種政策評価の指標においては、「研究事業の実施件数」「研究試作等へ反
映可能との審査結果を得た研究事業の割合」といった指標しか設定されておら
ず、「具体の防衛装備品の開発につながった件数」といったアウトカム的な指
標による評価がなされていない状況である。
○
【表5】橋渡し研究を途中で中止・中断した理由について
中⽌・中断内容
件数
3
伸ばすべき先進技術が特定されているか
6
⺠⽣分野での研究開発ではなく、防衛装備庁⾃⾝の事業として伸ばすべき先進技術か
1
防衛装備庁内で類似の研究開発がなされていないか
6
5
研究成果が反映された装備品等の運⽤への寄与
➢研究成果が、装備品の機能、性能や戦い⽅そのものにどのような影響を及ぼすのか
全体計画
➢計画が適切に⽴てられ、必要な時期に必要な技術が獲得できるか⾒通しがあるか
※中止・中断内容の件数は複数回答のため重複カウントしている
以上を踏まえると、防衛装備品の研究開発につながる成果を増加させていくに当たり、特にファンディング制度における後続の民生分野での研究
を活用する仕組や、両事業に共通して、採択時の選定における更なる工夫や、事業自体の評価のあり方に課題があると考えられる。
94