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予算執行調査資料(総括調査票) (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2024/sy0606/0606b.html |
出典情報 | 令和6年度 予算執行調査の結果を公表します(6月公表分)(6/28)《財務省》 |
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2/2
総
調査事案名
括
調
査
票
(10)取締機器整備経費(無人航空機・スマートグラス)
④今後の改善点・
検討の方向性
③調査結果及びその分析
【図1】監視等における使用回数
1.無人航空機の活用について
平均
○ 主として、日々の巡回時に使用することを想定し配備されているが、1機当たりの使用回数につい
ては年平均17回、最大でも37回であり、非常に低調な結果であった【図1】。
○
現場職員に対し飛行の阻害要因の聴取を行い、その分析を実施したところ、
17
最少
5
○
最大
37
0
10
1.無人航空機の活用について
2.スマートグラスの活用について
20
30
40(回)
国土交通省が策定した無人航空機飛行マニュアルに沿って、風速5m/s以上での飛行停止の措置を講じており、使用可能日が限られ
る。
⇒無人航空機を配備した税関の主要港近辺で風速5m/s以上の風が吹いた日数は、令和5年度では平均274/366日(※)であり、監視
等業務が港湾地区を主とすることを考えれば、風速5m/sという基準は非常に厳しい運用と言える。
※ 過去の気象データを基に最大風速が5m/s以上の日数を算出した。
港湾地区での飛行には港湾管理者の許可等が必要であるが、申請から10日程度の期間が必要な場合があり、監視対象船舶の入港スケ
ジュールの乱れなどによる急な申請への対応といった柔軟な運用が難しい。
⇒一部の税関では、主要飛行区域での包括申請を行っている事例もある一方で、配備から1年以上経過しているにもかかわらず都度
申請を行っているケースがある。
無人航空機については、天候に
より使用が制限されるため、当初
想定していた港湾地区や島しょ部
での使用に適しているとは言い難
い。
港湾管理者への包括申請の必要
性が各税関で横展開できていない。
事務的な問題は配備前に解決す
べき。
使用実績に乏しく、導入効果の
検証も行えない現下の状況では、
新たな配備については認められな
い。
など、現場では「必要な時」に「必要な場所」での使用が困難な状況であり、導入効果の検証が行える程の実績は確認できなかった。
○
2.スマートグラスの活用について
○ 貨物検査では、これまではブランド品の真贋判定等に専門的知見を持つ関係部門の職員が現地に赴き確認する必要があったため、
検査時間(移動時間)の短縮を目的に、遠隔検査機器としてハンズフリーで検査が行えるスマートグラスを導入することとした。
○
スマートグラスの使用による検査時間の効率化について、令和4年度に導入した27台を対象に2週間のサンプル調査(令和6年3月
13日~27日)を行ったところ、110時間以上の検査の効率化が確認できた。
○
スマートグラスを実際に使用したところ、ヘルメット使用時の装着が困難
であることや、カメラの照準と視線のズレなどにストレスを感じた。
また、現場の職員から、リアルタイムでの動画送信や双方向での通話は非
常に有効と支持を得ている一方で、「レンズに投影される画像による視界の
制限」「眼鏡着用者は使用困難」等のネガティブな意見が多数あり、検査に
おけるスマートグラスの使用割合も6割を下回る結果となった【図2】。
【図3】遠隔検査の際に便
利だと考える機器
【図2】貨物検査業務での
スマートグラスの使用割合
n=369
43%
(159
人)
57%
(210
人)
「経験あり」
と回答した職
員210人のうち
n=210
7%
9%
(14人)
(19人)
○
経験あり
経験なし
一方で、ハンズフリーの検査に
よるメリットよりも使い勝手を現
場職員は求めており、今後の機器
の導入に当たっては、現在と同等
のパフォーマンスを前提に、ス
マートフォンへの機器の切替えを
含めた効果的な機器の導入に努め
るべき。
○
84%(177人)
併せて、スマートグラスの代替として考えられる機器の希望調査を実施し
たところ、「使い慣れている」等の理由からスマートフォンでの検査を希望
する職員が8割を超える結果となった【図3】。
スマートグラスについては、検
査の効率化が確認できたことから、
有用性が認められる。
スマートグラス
スマートフォン
タブレット
先端技術の導入に当たっては、
既存機器を活用しての対応の可否、
当該技術の活用事例を基にした使
用方策の検討を徹底した上で、ス
ポット導入による効果の検証を行
うべき。
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総
調査事案名
括
調
査
票
(10)取締機器整備経費(無人航空機・スマートグラス)
④今後の改善点・
検討の方向性
③調査結果及びその分析
【図1】監視等における使用回数
1.無人航空機の活用について
平均
○ 主として、日々の巡回時に使用することを想定し配備されているが、1機当たりの使用回数につい
ては年平均17回、最大でも37回であり、非常に低調な結果であった【図1】。
○
現場職員に対し飛行の阻害要因の聴取を行い、その分析を実施したところ、
17
最少
5
○
最大
37
0
10
1.無人航空機の活用について
2.スマートグラスの活用について
20
30
40(回)
国土交通省が策定した無人航空機飛行マニュアルに沿って、風速5m/s以上での飛行停止の措置を講じており、使用可能日が限られ
る。
⇒無人航空機を配備した税関の主要港近辺で風速5m/s以上の風が吹いた日数は、令和5年度では平均274/366日(※)であり、監視
等業務が港湾地区を主とすることを考えれば、風速5m/sという基準は非常に厳しい運用と言える。
※ 過去の気象データを基に最大風速が5m/s以上の日数を算出した。
港湾地区での飛行には港湾管理者の許可等が必要であるが、申請から10日程度の期間が必要な場合があり、監視対象船舶の入港スケ
ジュールの乱れなどによる急な申請への対応といった柔軟な運用が難しい。
⇒一部の税関では、主要飛行区域での包括申請を行っている事例もある一方で、配備から1年以上経過しているにもかかわらず都度
申請を行っているケースがある。
無人航空機については、天候に
より使用が制限されるため、当初
想定していた港湾地区や島しょ部
での使用に適しているとは言い難
い。
港湾管理者への包括申請の必要
性が各税関で横展開できていない。
事務的な問題は配備前に解決す
べき。
使用実績に乏しく、導入効果の
検証も行えない現下の状況では、
新たな配備については認められな
い。
など、現場では「必要な時」に「必要な場所」での使用が困難な状況であり、導入効果の検証が行える程の実績は確認できなかった。
○
2.スマートグラスの活用について
○ 貨物検査では、これまではブランド品の真贋判定等に専門的知見を持つ関係部門の職員が現地に赴き確認する必要があったため、
検査時間(移動時間)の短縮を目的に、遠隔検査機器としてハンズフリーで検査が行えるスマートグラスを導入することとした。
○
スマートグラスの使用による検査時間の効率化について、令和4年度に導入した27台を対象に2週間のサンプル調査(令和6年3月
13日~27日)を行ったところ、110時間以上の検査の効率化が確認できた。
○
スマートグラスを実際に使用したところ、ヘルメット使用時の装着が困難
であることや、カメラの照準と視線のズレなどにストレスを感じた。
また、現場の職員から、リアルタイムでの動画送信や双方向での通話は非
常に有効と支持を得ている一方で、「レンズに投影される画像による視界の
制限」「眼鏡着用者は使用困難」等のネガティブな意見が多数あり、検査に
おけるスマートグラスの使用割合も6割を下回る結果となった【図2】。
【図3】遠隔検査の際に便
利だと考える機器
【図2】貨物検査業務での
スマートグラスの使用割合
n=369
43%
(159
人)
57%
(210
人)
「経験あり」
と回答した職
員210人のうち
n=210
7%
9%
(14人)
(19人)
○
経験あり
経験なし
一方で、ハンズフリーの検査に
よるメリットよりも使い勝手を現
場職員は求めており、今後の機器
の導入に当たっては、現在と同等
のパフォーマンスを前提に、ス
マートフォンへの機器の切替えを
含めた効果的な機器の導入に努め
るべき。
○
84%(177人)
併せて、スマートグラスの代替として考えられる機器の希望調査を実施し
たところ、「使い慣れている」等の理由からスマートフォンでの検査を希望
する職員が8割を超える結果となった【図3】。
スマートグラスについては、検
査の効率化が確認できたことから、
有用性が認められる。
スマートグラス
スマートフォン
タブレット
先端技術の導入に当たっては、
既存機器を活用しての対応の可否、
当該技術の活用事例を基にした使
用方策の検討を徹底した上で、ス
ポット導入による効果の検証を行
うべき。
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