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参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (121 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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②身体活動・運動
ⅰ.はじめに
(ⅰ)身体活動・運動の意義
「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動きを、
「運動」とは、身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・増進を
目的として計画的・意図的に行われるものを指す。
身体活動・運動の量が多い者は、不活発な者と比較して循環器疾患やがんなどのNCDの
発症リスクが低いことが実証されている。これらの疫学研究による知見を踏まえ、WHOは、
高血圧(13%)、喫煙(9%)、高血糖(6%)に次いで、身体不活動(6%)を全世界の死亡に対
する危険因子の第4位と認識し、その対策として「健康のための身体活動に関する国際勧告」
を 2010 年に発表した 1)。我が国では、身体活動・運動の不足は喫煙、高血圧に次いでNC
Dによる死亡の3番目の危険因子であることが示唆されている 2)。また最近では、身体活
動・運動はNCDの発症予防だけでなく、高齢者の認知機能や運動器機能の低下などの社会
生活機能の低下と関係することも明らかとなってきた 3)。これらの身体活動・運動の意義と
重要性が広く国民に認知され実践されることは、超高齢社会を迎える我が国の健康寿命の延
伸に有用であると考えられる。
(ⅱ)健康日本21における取組状況
健康日本21の最終評価によると、身体活動・運動の分野における最大の懸念は、歩数の
減尐であると指摘されている。歩数は比較的活発な身体活動の客観的な指標である。健康日
本21の策定時には、10 年間に歩数を約 1,000 歩増加させることを目標としていた。しか
し、平成9年と平成 21 年の比較において、15 歳以上の1日の歩数の平均値が、男性で 8,202
歩から 7,243 歩、女性で 7,282 歩から 6,431 歩と、約 1,000 歩も減尐した(図1)。1日 1,000
歩の減尐は、1日約 10 分の身体活動減尐を示している。
厚生労働省の健康づくりのための運動指針 2006(エクササイズガイド 2006)4)では、生活
習慣病予防のために1日 8,000 歩~10,000 歩(週 23 メッツ・時)以上の身体活動を推奨し
ているが、我が国の現状はそれに遠く及ばない。歩数の不足ならびに減尐は肥満や生活習慣
病発症の危険因子であるだけでなく、高齢者の自立度低下や虚弱の危険因子であるなど最も
懸念すべき問題であることから、早急に重点的な対策を実施する必要がある。

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