参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (81 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html |
出典情報 | 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》 |
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ⅰ.はじめに
こころの健康とは、世界保健機関(WHO)の健康の定義を待つまでもなく、ひとが
いきいきと自分らしく生きるための重要な条件である。具体的には、自分の感情に気づ
いて表現できること(情緒的健康)、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができ
ること(知的健康)、他人や社会と建設的で良い関係を築けること(社会的健康)を意味
している。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)も
大切な要素であり、こころの健康は「生活の質」に大きく影響するものである。
こころの健康を保つには多くの要素があり、適度な運動や、バランスのとれた栄養・
食生活は、身体だけでなくこころの健康においても重要な基礎となるものである。これ
らに、心身の疲労の回復と充実した人生を目指す休養が加えられ、健康のための3つの
要素とされてきた。さらに、十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことはここ
ろの健康に欠かせない要素となっている。
健やかなこころを支える社会づくりを目指すためには、こころの健康を維持するため
の生活やこころの病気への対応を多くの人が理解し、自己と他者のために取り組むこと
が不可欠である。中でもうつ病は、こころの病気の代表的なものであり、多くの人がか
かる可能性を持つ精神疾患である。自殺の背景にうつ病が多く存在することも指摘され
ている 2)。また、うつ病は、不安障害やアルコール依存症などとの合併も多く、それぞれ
に応じた適切な治療が必要になる。さらに、うつ病にうつ状態を加えた「うつ」がある
と、喫煙率が高くなり 3)、肥満が増え 4)5)、服薬をしなくなる 6)など、健康的な生活習慣
が妨げられる。その結果、心臓病 7)8)や脳卒中 9)の予後が悪化することが明らかになって
いる。
こころの健康を守るためには、社会環境的な要因からのアプローチも重要である。様々
なライフステージに応じたこころの健康対策に社会全体で取り組む必要がある。
ⅱ.基本的な考え方
(ⅰ)自殺者の減尐
自殺対策基本法が平成 18 年に成立し、国全体として自殺対策に力を入れて取り組んで
きた 13)。健康日本21においても、
「自殺者の減尐」を指標として掲げ、全国数が 22,000
人以下となることを目指していたが、近年の我が国の自殺者総数は約3万人となっている。
自殺の原因として、うつ病などのこころの病気の占める割合が高いため、自殺を減尐さ
せることは、こころの健康も含めた国民の健康増進と密接に関連する。そのため、健康
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