参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (57 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html |
出典情報 | 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》 |
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ⅰ.はじめに
脳血管疾患と心疾患を含む循環器疾患は、がんと並んで日本人の主要死因の大きな一角を
占めている。循環器疾患の予防は基本的には危険因子の管理であり、確立した危険因子とし
ては、高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病の4つがある。循環器疾患の予防はこれらの危険
因子の管理が中心となるため、これらのそれぞれについて改善を図るという観点で健康日本
21(第2次)を展開していく必要がある。
健康日本21ではこれらのうち喫煙以外の3つを指標としていたが、健康日本21(第2
次)ではこれら4つのすべてを指標とする。4つの危険因子のうち、高血圧と脂質異常症(高
コレステロール血症)については本章で扱い、喫煙と糖尿病については別項で詳述する。
ⅱ.基本的な考え方
(ⅰ)脳血管疾患・虚血性心疾患の死亡率の減尐
前述の4つの危険因子が適切に管理されれば、脳血管疾患・虚血性心疾患の発症リスク
を低減することができる。また近年、虚血性心疾患による慢性心不全が増加しており、
その予防は慢性心不全の増加も抑制し得る。生活習慣の改善によって循環器疾患の発症
を予防することを目指すという観点では、循環器疾患発症率を指標とすることが望まし
いが、循環器疾患の発症登録を実施している地域は稀であるため、全国のデータが得ら
れる脳血管疾患と虚血性心疾患のそれぞれの死亡率を指標として設定する。
(ⅱ)高血圧の改善
高血圧は、脳血管疾患や虚血性心疾患、慢性心不全などあらゆる循環器疾患の危険因
子であり、日本人の循環器疾患の発症や死亡に対して大きな人口寄与危険割合を示し、
他の危険因子と比べるとその影響は大きい 1)-3)。また、至適血圧と高血圧の間の領域(正
常高値血圧と正常血圧)の循環器疾患発症数への寄与も非常に大きいことが示されてい
る。
健康日本21においては、
「高血圧の改善」を指標として掲げ、
「推計値 平均最大血
圧約 4.2mmHg の低下」を目標値として設定していた。平成 10 年と平成 21 年度の値を比
較すると、男性で 132.7mmHg→131.7mmHg、女性で 126.2mmHg→123.3mmHg であったこと
を踏まえ、平成 23 年度の最終評価では、
「国民の血圧値、高血圧有病率は低下傾向にあ
るものの、有病率は高齢者を中心に依然として高く、国民全体での予防対策の強化が必
要である」とされた。
血圧と循環器疾患の関連は尐なくとも至適血圧領域までは“lower the better”と考
えられることから 4)-5)、国民集団全体として考えた場合、尐なくとも 80 歳代までは平均
血圧レベルを下げるという目標設定が妥当である。また、血圧の諸指標のうち循環器疾
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