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参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (128 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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③休養
ⅰ.はじめに
こころの健康を保つため、心身の疲労の回復と充実した人生を目指すための休養は重
要な要素の一つである。十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことは、こころ
の健康に欠かせない要素であり、休養が日常生活の中に適切に取り入れられた生活習慣
を確立することが重要である。
健康づくりのための休養には、
「休む」ことと「養う」ことの二つの機能が含まれてお
り、各個人の健康や環境に応じて、これら両者の機能を上手に組み合わせることにより、
健康づくりのための休養が一層効果的なものとなる。
「休」の要素は、主として、労働や活動等によって生じた心身の疲労を、安静や睡眠
等で解消することにより、疲労からの回復を図り元の活力を持った状態に戻し、健康の
保持を図るものである。一方、
「養」の要素は、明日に向かって英気を養うと言うように、
主体的に自らの身体的、精神的、社会的な機能を高めることにより、健康の潜在能力を
高め、健康増進を図っていくものである。すなわち、健康づくりのための休養は、単に
身体を休めるというだけでなく、受動的な「休」の要素と能動的な「養」の要素から成
る底辺の広いものである。一人一人の実践方法が異なるのは当然であり、自分なりの休
養が実現されてこそ、生活の質の向上が図られ、健康で豊かな人生の礎が築かれること
となる。
ⅱ.基本的な考え方
(ⅰ)睡眠による休養を十分とれていない者の減尐
睡眠不足は、疲労感をもたらし、情緒を不安定にし 1)、適切な判断力を鈍らせ 2)、事故
のリスクを高める 3)など、生活の質に大きく影響する 4)。また、睡眠障害はこころの病気
の一症状としてあらわれることも多く 5)、再発や再燃リスクも高める 6)。さらに近年では、
睡眠不足や睡眠障害が肥満 7)8)、高血圧 9)、糖尿病 10)11)の発症・悪化要因であること、心
疾患 12)13)や脳血管障害 14)を引き起こし、ひいては死亡率の上昇 15)をもたらすことも知ら
れている。しかしながら、ここ数年の国民健康・栄養調査においては、睡眠による休養
を十分にとれていない人の有訴者率は 20%前後で推移している。このため、国民の睡眠
習慣に対して積極的に施策を講じていく必要がある。
指標の設定に当たっては、現行の国民健康・栄養調査で評価することが可能であること、
過去の疫学データの集積があること、睡眠習慣を有する個人差についても対応可能である
ことを考慮し、「睡眠による休養を十分とれていない者の減尐」とした。
(ⅱ)週労働時間 60 時間以上の雇用者の割合の減尐
過重労働などを原因とする脳・心臓疾患、精神障害に係る労災認定件数が高水準で推移
しており、長時間労働の実態がみられる。長時間労働に従事する者は、週労働時間が 40

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