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参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (77 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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COPDの主要原因は長期にわたる喫煙習慣であり、我が国のたばこ消費量は近年減尐傾
向にあるが、過去のたばこ消費による長期的な影響と急速な高齢化によって、今後、さらに
罹患率、有病率、死亡率の増加が続くと予想される。
COPDの原因の 90%はタバコ煙によっており、喫煙者の 20%がCOPDを発症すると
される。女性は男性よりタバコ煙に対する感受性が高く、女性喫煙率の増加によって、男女
ともに喫煙が最大の発症リスクとなっている。COPDの発症予防と進行の阻止は禁煙に
よって可能であり、早期に禁煙するほど有効性は高い(図3)。
また、COPDは「肺の炎症性疾患」と位置づけられており、心血管疾患、消化器疾患、
糖尿病、骨粗鬆症、うつなどの併存疾患が多い(図4)。COPDの抑制はこれら疾患の低
減効果の可能性も期待される。
図3 COPDの自然経過

図4

COPDの併存症

(Fletcher et.al. The natural history of chronic airflow 1997 より改変)
obstruction.BMJ

一方、COPDに対する治療の基本は気管支拡張薬であり、長時間作用型抗コリン薬
が第一選択とされ、長時間作用型β刺激薬および吸入ステロイド薬が併用される 1)。治療
によって、短期的には症状(息切れ)、呼吸機能が改善し、長期的にはQOLの改善、増
悪頻度の減尐、進行の抑制、生命予後の改善が期待できる。
COPDは禁煙による予防と薬物等による治療が可能な疾患であり、早期発見による
早期治療が求められている。

ⅱ.基本的な考え方
2000 年の日本における、40 歳以上のCOPD有病率は、8.6%、患者数 530 万人と推定
されており 2)、先進諸国における有病率にほぼ匹敵する。一方、2008 年患者調査による
と、医療機関に入院又は通院しているCOPD患者数(治療患者数)は約 17 万3千人に
過ぎない 3)。このことは大多数の患者が未診断、未治療の状況に置かれていることを示し
ている(図5)。

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