参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (142 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html |
出典情報 | 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》 |
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たばこ消費量は近年減尐傾向にあるが、過去のたばこ消費による長期的な健康影響と
急速な高齢化により、たばこ関連疾患による死亡数は年々増加しており 6)-9)、わが国の
年間死亡者数(参考:平成 22 年 119 万人)のうち、喫煙者本人の喫煙による年間の超
過死亡数は 12~13 万人と報告されている 7)-9)。一方、受動喫煙による超過死亡数は、約
6,800 人と推定されている 10)。
たばこは年間約2兆円規模の税収をもたらす一方で、これらの疾病により、多くの超
過医療費、労働力損失等の経済損失が生じている。
(ⅲ)たばこ対策の必要性と意義
たばこは日本人の疾病と死亡の原因として、最大かつ回避可能な単一の原因である 7)
(図2)。たばこの消費量や喫煙率の減尐を図る上で、効果が実証された種々の介入方
策が明らかになっている。
図2
わが国におけるリスク要因別の関連死亡者数-男女計(平成 19 年)
(循環器疾患 33,400)
(がん 77,400)
(呼吸器疾患 18,100)
128,900
喫煙
103,900
高血圧
運動不足
52,200
高血糖
34,100
34,000
塩分の高摂取
32,700*
30,600
アルコール摂取
ヘリコバクター・ピロリ菌感染
23,900
23,000
21,200
高LDLコレステロール
C型肝炎ウイルス感染
多価不飽和脂肪酸の低摂取
過体重・肥満
循環器疾患
悪性新生物
糖尿病
その他の非感染性疾病
呼吸器系疾患
外因
19,000
11,600
8,900
2,600
1,100
0
B型肝炎ウイルス感染
果物・野菜の低摂取
ヒトパピローマウイルス感染
ヒトT細胞白血病ウイルス1型感染
トランス脂肪酸の高摂取
0
20
40
60
80
100
120
140
死亡者数
* アルコール摂取は、循環器疾患死亡2,000人、糖尿病死亡100人の予防効果が
推計値として報告されているが、図には含めていない。
(Ikeda N, et al: PLoS Med. 2012; 9(1): e1001160.)
たばこ消費を継続的に減らすことによって、日本人の死因の第一位であるがんをはじ
めとした喫煙関連疾患による回避可能な超過死亡と超過医療費、経済的損失等を将来的
に確実に減尐させることができる。
喫煙は世界保健機関によるNCD対策の対象疾患であるがん、循環器疾患(脳卒中、
虚血性心疾患)、COPD、糖尿病に共通した主要なリスク要因であり、後述する「た
ばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」において非感染性疾患の予防と対策のモデ
ルとして位置づけられている 11)。たばこ対策の推進は、非感染性疾患の発症や死亡を短
期間に減尐させることにつながることが諸外国での経験から明らかにされている 12)。
以上のことから、当面並びに将来の健康被害や経済損失を回避するために、また、た
ばこ規制枠組条約の締約国としての国際的責務としても、たばこ対策の着実な実行が必
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