参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (150 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html |
出典情報 | 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》 |
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ⅰ.はじめに
(ⅰ) 背景
歯・口腔の健康は、口から食べる喜び、話す楽しみを保つ上で重要であり、身体的な健
康のみならず、精神的、社会的な健康にも大きく寄与する 1)-3)。歯の喪失による咀嚼機能
や構音機能の低下は多面的な影響を与え、最終的に生活の質に大きく関連する。平成 23
年8月に施行された歯科口腔保健の推進に関する法律(以下「歯科口腔保健法」という。)
の第1条においても、歯・口腔の健康は、国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的
かつ重要な役割を果たしていることが定められている。
従来から、すべての国民が生涯にわたって自分の歯を 20 本以上残すことをスローガン
とした「8020(ハチマルニイマル)運動」が展開されているところであるが、超高
齢社会の進展を踏まえ、さらなる取組が必要である。生涯を通じて歯科疾患を予防し、
歯の喪失を抑制することは、高齢期での口腔機能の維持につながるものであり、今まで
以上に大きな意義を有するものと考えられる。
歯の喪失の主要な原因疾患は、う蝕(むし歯)と歯周病であり、歯・口腔の健康のため
には、う蝕と歯周病の予防は必須の項目である。小児期のう蝕の有病状況は、健康日本
21等による地域での歯科保健活動等の進展により、この 10 年間で大きく改善した。し
かし、その地域格差は未だに大きく 4)、早急な改善が求められる。平成 21 年の3歳児歯
科健康診査によると、3歳児う蝕有病者率の都道府県別データにおいて、最も高値を示
す自治体と最も低値を示す自治体の間には、約 2.5 倍の地域格差が存在する(図1)。ま
た、平成 22 年の学校保健統計調査によると、う蝕有病状況を示す代表的な指標である 12
歳児の一人平均う歯数(未治療のう歯とう蝕により喪失した歯数、ならびに治療済みの
う歯数の合計の1人あたりの平均値)の都道府県別データにおいては、最も高値を示す
自治体と最も低値を示す自治体の間には、約 3.5 倍の地域格差が存在する(図2)。
歯周病の有病状況については、平成 17 年の歯科疾患実態調査によると、40 歳代の
37.3%は進行した歯周炎を有している。また、20 歳代で歯肉炎に関する自覚症状を有し
ている者の割合が 31.7%にのぼり、未だに多くの国民が何らかの歯周病を有している状
況である。さらに、近年のいくつかの疫学研究において、歯周病と糖尿病や循環器疾患
等との密接な関連性が報告されており 5)-7)、成人期の健康づくりにおいて「歯周病予防」
の推進は不可欠と考えられる。
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