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提案書12(2200頁~2401頁) (114 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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プラスマイナス
予想影響額(円)

予想影響額

減(-)
1,215,747,500円/年間の医療費が削減

その根拠

「患者数及び実施回数の根拠等」に記載した通り、
推定される対象患者は年間2,500名で、60日間算定であることから、
60日×11,650円/日(1165点)×2,500名=1,747,500,000円/年間の医療費増となる。
一方で、脊髄損傷専門病院での受傷翌月の一日当たりの入院費を気管切開あり群と気管切開なし群で比較すると、
気管切開あり群 37,145円/日 (入院期間365日)
気管切開なし群 33,256円/日 (入院期間240日)
となり、気管切開をしない場合、医療費は一人当たり3,889円/日減額、さらには、入院期間の短縮となる見込みである。
一般的に、脊髄損傷後の気管切開率は40-60%と報告されているが、排痰介助の必要患者2,500名のうち、仮に気管切開率が
50%(全体での気管切開率25%)とすると、気管切開となる患者数は1,250名と算出される。
また、気管切開後に人工呼吸器管理から離脱できる患者の割合は非常に低い(離脱できる症例では通常2-3月で離脱する)。
仮に離脱率を60%(気管切開継続患者数=1,250名×0.4=500名)とすると、
気管切開後、2か月間の医療費=60日×3,889円/日×1,250名=291,675,000円
気管切開離継続群の医療費=(240日までの気管切開による医療費差額)180日×3,889円/日×500名+(気管切開に伴う入院期
間長期化(241日-365日)による医療費増)125日×37,145円/日×500名=2,671,572,500円
計2,963,247,500円/年間の医療費が気管切開によりかかっていると考えられる。
このことより、2,963,247,500円/年間-1,747,500,000円/年間=1,215,747,500円/年間の医療費が削減されると予想される。

備考

特になし

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
特になし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

2)調べたが収載を確認できない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

脊髄損傷は中枢神経である脊髄を損傷することにより四肢麻痺を呈し、さらには様々な合併症を引き起こす疾患である。ガイ
ドライン等では合併症を予防するための様々な方法が推奨されているが、参考文献4によると脊髄損傷患者に対する予防的ケ
アの割合は低く、特に呼吸に関する事柄の患者満足度が低いことが明らかになっている。また、アメリカ合衆国での脊髄損傷
患者の予防的ケアに関する診療報酬を調べてみたが、渉猟しえなかった。このことは、北米でも、予防的ケアに関して保険点
数が認められていないことかもしれない。一方、脊髄損傷後の呼吸器管理について、参考文献5によると、適切な呼吸器管理
を行うことで、死亡率、呼吸器合併症、気管切開率を抑制することができ、さらには、ICUの入院期間、医療費も抑制するこ
とができたとされている。本邦においても脊髄損傷医療の合併症に対する予防的ケアについて一部を除き、診療報酬は認めら
れていない。これらのことより、予防的ケアについて診療報酬をつけ、合併症を予防し、脊損医療の医療費を削減することは
理に適っていると考えられる。

⑭その他

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

⑯参考文献1

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称

⑯参考文献2

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称

⑯参考文献3

⑯参考文献4

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

⑯参考文献5

d. 届出はしていない

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

特になし
Respiratory problems and management in people with spinal cord injury
Berlowitz DJ, Wadsworth B and Ross J
Breathe (Sheff). 2016; 12(4): 328-340.
脊髄損傷患者における呼吸合併症とそのマネージメントについての総説
Early clinical predictors of pneumonia in critically ill spinal cord injured individuals: a retrospective cohort
study.
Agostinello J, Battistuzzo CR, Batchelor PE.
Spinal Cord. 2019 Jan;57(1):41-48. doi: 10.1038/s41393-018-0196-6.
脊髄損傷患者において、無気肺(76%)、肺炎(74%)が合併する。
Respiratorycomplications during initial rehabilitation and survival following spinal cord injury in Sweden:a
retrospective study.
Josefson C, Rekand T, Lundgren-Nilsson Å, Sunnerhagen KS.
Spinal Cord. 2021 Jun;59(6):659-664.
早期に呼吸の補助が必要な群は、呼吸の補助が必要ない群と比較して入院期間が長期化した。
A nationwide survey on the incidence and characteristics of traumatic spinal cord injury in Japan in 2018
Miyakoshi N, Suda K, Kudo D, Sakai H
Spinal Cord. 2021 Jun;59(6):626-634. doi: 10.1038/s41393-020-00533-0
本邦における新規脊髄損傷患者予測発生数は100万人あたり49人(平均年齢70.0歳)であり、1990年代の疫学調査と比較し、
発生数、受傷年齢が上昇している。
神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン
監修 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
本ガイドライン中のP35に徒手による咳介助について解説してあり、その推奨グレードはA(行うよう強く勧められる)とされ
ている。その長所は、ローコストという点であり、不利な点は介助者が正しい手技を学ぶことが難しいこととされている。

※⑮については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等
の関連団体や研究者等の名称を記載すること。

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