提案書12(2200頁~2401頁) (143 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
351204
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
脊椎複数回手術後癒着剥離術加算
日本脊椎脊髄病学会
30整形外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
29脳神経外科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
リストから選択
提案当時の医療技術名
無
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
K
K131-2、K133、K134 2、K134-2 2、K136-2、K139、K142 2-6、K142-2 1、K142-5、K142-8、K191 1-2
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
○
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
その他」を選んだ場合、右欄に記載
脊椎手術では過去に除圧を行った部位に病態が再発した場合、同一部位を再度展開する必要に迫られる。過去に手術を行った部位には硬膜と周囲
の瘢痕組織に強固な癒着が存在する。除圧を得るためには硬膜を露出する必要があるが、硬膜は薄く、内側に髄液が存在し柔らかいため、硬膜損
傷を避けながら癒着を剥離して術野を確保するには、高度な技術を要し、手術時間も延長する。
文字数: 174
再評価が必要な理由
現在は、初回手術と癒着剥離を要する再手術の診療報酬に差がない。日本整形外科学会症例レジストリーデータから椎間板摘出術(後方摘出術)
の手術時間を検討したところ、再手術(111分)は初回手術(78分)と比較して有意に手術時間が延長しており(※)、脊椎手術における硬膜損
傷の発生率を検討したメタアナリシス(Int J Spine Surg. 2021 Jun;15(3):536-548.)において、再手術は初回手術と比較して硬膜損傷の可能性
が高い(オッズ比2.28,95%CI 1.84-2.83)こと、すなわち手術難易度が高いことが示されている(参考文献1)(※)。したがって、同一部位に
再手術を行う場合、癒着剥離術加算を認めて頂きたい。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
過去に手術を行った部位には硬膜と周囲の瘢痕組織に強固な癒着が存在する。したがって、過去手術部位に病態が再発した場合、同一アプローチ
を回避して他のアプローチを用いたり、固定術を併用したりする選択肢もあるが、同一アプローチで治療すべき症例も存在する。同一部位の再除
圧を行う場合、硬膜を露出する必要があるが、硬膜は薄く、内側に髄液があるため柔らかく、硬膜損傷を避けながら癒着を剥離して術野を確保す
るには、高度な技術を要し、手術時間も延長する。
手術時間は日本整形外科学会症例レジストリーデータを用いて、最も代表的な手術の一つである椎間板摘出術(後方摘出術)の手術時間を検討
したところ、初回手術群の平均手術時間78分と比較して、再手術群の平均手術時間は111分と有意(P<0.001)に手術時間が延長することが示さ
れている。
再手術時の癒着剥離が難易度が高いことを客観的に示すベンチマークに硬膜損傷の発生率があるが、脊椎手術における硬膜損傷の発生率を検討
したメタアナリシス(Int J Spine Surg. 2021 Jun;15(3):536-548.)において、再手術は初回手術と比較して硬膜損傷の発生率が高い(オッズ比
2.28,95%CI 1.84-2.83)ことが示されている(参考文献1)。また本邦の前向き多施設共同研究においても、再手術は硬膜損傷の可能性が高い
(オッズ比2.04,95%CI 1.55-2.67)ことが示されている(参考文献2)。
従って椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症等に対して、過去と同一アプローチで行う手術(K131-2、K133、K134 2、K134-2 2、K136-2、K139、K142
2-6、K142-2 1、K142-5、K142-8、K191 1-2のうち再手術に該当するもの)については、難易度が高く手術時間が延長することを勘案し、癒着剥
離術加算として再評価すべきである。
現在は初回手術であっても癒着剥離を必要とする再手術であっても診療報酬上の差はない。
対象とする患者は、過去に脊椎手術の既往があり、神経症状が再発したために過去手術と同一アプローチで同一部位を再除圧のために癒着剥離を
要する患者。同一高位の再手術であっても他のアプローチで手術する場合は対象に含めない。
K
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
K131-2、K133、K134 2、K134-2 2、K136-2、K139、K142 2-6、K142-2 1、K142-5、K142-8、K191 1-2
医療技術名
脊椎複数回手術後癒着剥離術加算
③再評価の根
拠・有効性
再評価の根拠として手術時間と技術的難易度が挙げられる。手術時間は日本整形外科学会症例レジストリーデータを用いて、椎間板摘出術(後方
摘出術)の手術時間を検討したところ、初回手術の平均手術時間78分と比較して、再手術の平均手術時間は111分と有意(P<0.001)に手術時間
が延長することが示されている。技術的難易度が高いことを客観的に示すベンチマークに硬膜損傷の発生率があるが、脊椎手術における硬膜損傷
の発生率を検討したメタアナリシス(Int J Spine Surg. 2021 Jun;15(3):536-548.)において、再手術は初回手術と比較して硬膜損傷の発生率が
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 高い(オッズ比2.28,95%CI 1.84-2.83)ことが示されている(参考文献1)。また本邦の前向き多施設共同研究においても、再手術は硬膜損傷の
可能性が高い(オッズ比2.04,95%CI 1.55-2.67)ことが示されている(参考文献2)。
後等のアウトカム
有効性については、再手術は初回手術と同等の臨床的回復が得られるとする報告と初回手術と比較して劣るとの報告があり、見解がわかれるも
のの、脊椎複数回手術後癒着剥離を要する再手術においても臨床成績は改善する。また合併症の一つである硬膜損傷の発生率は増加するが、硬膜
損傷が生じた場合、臨床学的改善は硬膜損傷がない場合と比較して劣るものの、minimum clinically important difference(MCID)には及ばな
い程度で差であるとの報告があり(参考文献4)、同一部位の再手術、癒着剥離の有効性は確立されている。
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