提案書12(2200頁~2401頁) (144 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
ガイドラインで複数回手術後の癒着剥離に関する手術時間や技術的難易度に関する記載は
ない。臨床成績に関しては、腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改定第3版において、再
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
手術の臨床成績は初回手術と比較して劣るという前向き研究と、初回手術と同一椎間板高
る。)
位、同側の再発であれば初回手術と同等であったとするシステマティックレビューがあ
り、見解が分かれている。
2020年度厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)によると、対象となるK131-2(内視鏡下椎弓切除術)、K133(黄色靱
帯骨化症手術)、K134(椎間板摘出術)、K136-2(腫瘍脊椎骨全摘術)、K139(脊椎骨切り術)、K142 2-6(脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成
術)、K142-2 1(側弯症手術)、K142-5(内視鏡下椎弓形成術)、K142-8(顕微鏡下腰部脊柱管減圧術)、K191 1-2(脊髄腫瘍摘出術)の総数は
164,041件であり、癒着剥離を要する再手術症例を総数の10%と想定すると約16,000件程度と想定される。
見直し前の症例数(人)
16,000人
見直し後の症例数(人)
16,000人
見直し前の回数(回)
0回(現在は算定されていない)
見直し後の回数(回)
16,000回
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
同一部位への再手術は一般的に行われており、医療技術の成熟度は得られている。その一方で癒着剥離術の難易度は高いため、主に日本脊椎脊髄
病学会指導医とその指導下にある医師、または日本脊髄外科指導医もしくは認定医とその指導下にある医師によって実施されている。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 整形外科、脳神経外科の標榜があり、入院設備があり緊急時に脊椎手術が可能な施設
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 ①日本脊椎脊髄病学会指導医とその指導下にある医師、②日本脊髄外科指導医もしくは認定医とその指導下にある医師
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
脊椎手術における有害事象の代表的なベンチマークである硬膜損傷を指標とすると、脊椎手術全般における硬膜損傷の発生頻度は5-10%程度と報
告されている。脊椎複数回手術で癒着剥離術を行った場合、硬膜損傷の発生頻度は初回手術と比較して、1.5-2倍程度増加することが報告されて
いる(参考文献1,2,3,4)。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
なし
11,000点
その根拠
完全に同一手技ではないものの、ほぼ類似する手技にK188-2硬膜外腔剥離術(11,000点)があるため、癒着剥離加算の点数も同点数として適応す
る。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
特になし
区分をリストから選択
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
1,760,000,000(円)
その根拠
予想される当該技術に係る年間医療費=妥当と思われる診療報酬点数(11,000点)×10円/点×年間対象患者数(16,000人)×一人当たりの年間
実施回数(1回)=1,760,000,000円
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本脊髄外科学会
⑭参考文献1
⑭参考文献2
1)名称
Risk Factors for Accidental Dural Tears in Spinal Surgery.
2)著者
Alshameeri ZAF, Jasani V.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Int J Spine Surg. 2021 Jun;15(3):536-548.
4)概要
硬膜損傷の発生率とリスク因子を明らかにするためにシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。23の研究が解析され、報告された発
症率は0.4%から15.8%の範囲であり、全体のプールされた発症率は5.8%であった(95%信頼区間[CI]4.4-7.3)。3つの要因が高率の硬膜損傷
と関連していた:年齢(オッズ比3.04、95%CI 2.49-3.60)、再手術(オッズ比2.28、95%CI 1.84-2.83)、腰部狭窄(オッズ比2.03、95%CI
1.50-2.75)であった。
1)名称
Risk factors for incidental durotomy during posterior open spine surgery for degenerative diseases in adults: A multicenter
observational study.
2)著者
Ishikura H, Ogihara S, Oka H, Maruyama T, Inanami H, Miyoshi K, Matsudaira K, Chikuda H, Azuma S, Kawamura N, Yamakawa K, Hara N,
Oshima Y, Morii J, Saita K, Tanaka S, Yamazaki T.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
PLoS One. 2017 Nov 30;12(11):e0188038.
4)概要
本邦10病院で、2010年7月から2013年6月までに変性疾患に対する脊椎後方除圧手術を受けた成人患者を対象に、前向き多施設共同研究を実施し、
合計 4,652 例の連続した患者が登録された。硬膜損傷の発生率は8.2%(380/4,652)であった。椎体骨切り術と再手術が独立した危険因子とし
て同定された。
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