提案書12(2200頁~2401頁) (90 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
349205
※事務処理用
提案される医療技術名
画像等手術支援加算
申請団体名
日本脊髄外科学会
29脳神経外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
患者適合型手術支援ガイドに脊椎手術を追加
30整形外科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
提案当時の医療技術名
令和4年度
画像等手術支援加算
患者適合型支援ガイドに脊椎手術を追加
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
K
939 3
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
脊椎変性疾患、脊椎損傷に対して脊椎固定術が広く行われているが、スクリューを椎骨に刺入し、ロッドを連結して固定する方法が主流である。
しかし、刺入時にスクリューが予定部位から逸脱すると神経血管損傷や固定力不足を起こす危険がある。本技術は患者の術前画像をもとに作成し
たプラスチック製スクリューガイドを術中に一時的に脊椎に装着して正確なスクリュー誘導を行うものである。
文字数: 181
再評価が必要な理由
脊椎固定術に使用されるスクリューは誤刺入により神経血管損傷をきたす可能性が高いため、手術手技には高度の正確性が要求される。近年、CT
ナビゲーションシステムを利用したスクリュー誘導法が行われているが、煩雑で放射線被爆量が多く、また機器が高額で導入している施設は少な
い。本技術は簡便で放射線被爆がなく、高額機器が不要な精密スクリュー誘導法であり、近年実施する施設が増えている。しかし、診療報酬の対
象となっておらず、費用はやむを得ず病院が負担している。
近年、脊椎スクリュー誘導に関して患者適合型手術支援ガイドを用いた論文数が増えており(2018-2022年の5年間にPubMedで検索された論文数は
約150本)、本技術による脊椎スクリュー誘導は世界的に標準的方法となったと考えられる。また、前回申請時以降に新たに1本のランダム化試
験、6本のシステマティックレビューが出され、有効性・安全性のエビデンスがさらに蓄積された。
現在、脊椎固定術において「画像等手術支援加算」の「ナビゲーションによるもの(K939 1)」は脊椎固定術の診療報酬の対象となっているが、
「患者適合型手術支援ガイド(K939 3)」は人工関節・下顎骨手術のみで認められている。「患者適合型手術支援ガイド(K939 3)」の適応疾患に新
たに脊椎固定術を加えていただきたい。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
椎弓根スクリューを用いた脊椎固定術は標準的術式として広く行われているが、脊椎周囲には脊髄・神経・血管が密集しており、誤刺入するとこ
れらを損傷したり、期待した固定力が得られないことがある。スクリュー誘導技術を用いない場合、頚椎椎弓根スクリュー逸脱率は7-30%、胸椎
椎弓根スクリューでは25-43%と報告されている。正確なスクリュー誘導を行うため、CTナビゲーションシステムが開発されたが、機器が高額の
ため普及していない。本技術は特別な医療機器を必要としない患者適合型スクリューガイドであり、国内数施設の専門病院における前向き臨床研
究の結果、CTナビゲーションを上回る精度を達成した(Spine 43:1685-1694, 2018)。
本技術について2021年以降に新たに1本のランダム化試験、5本のシステマティックレビューが発表された。腰椎椎弓根スクリューのランダム化試
験(24例112本)では本技術使用群では非使用群と比較して誤刺入率(3.7%vs6.9%)が有意に低かった(J Neurosurg Spine 28:1-7, 2021)。
側弯症手術のシステマティックレビュー(229例2,805本)では本技術使用群はスクリュー刺入正確性に優れ(odds ratio 2.96)、合併症率が低
く(odds ratio 0.21)、手術時間と1本あたりの刺入時間は短く(-34分)、X線透視回数も少なかった(J Neurol Surg A Cent Eur Neurosurg
84:188-197, 2023)。脊柱変形のシステマティックレビュー(175例2,776本)では本技術使用群はフリーハンド群と比べ、正確性(odds ratio
2.22)、手術時間、スクリュー1本あたりの刺入時間、出血量のいずれにおいても有意に優れていた(Eur Spine J 30:1173-1183, 2021)。成人
脊柱変形に関するシステマテックレビュー(679例)では本技術使用群はフリーハンド群に比べスクリュー刺入の正確性(96.9%vs81.5%)、手
術時間(258分vs272分)で優っていた(Global Spine J 11:936-949, 2021)。頚椎スクリュー設置に関するシステマティックレビュー(330例
1,323本)では本技術使用群は刺入正確性、手術時間、出血量、X線透視回数の項目でフリーハンド法より優れていた(Eur Spine J 30:389-401,
2021)。頚椎椎弓根スクリューのシステマティックレビュー(1,427本)では本技術使用群の正確性は96.7%で、ナビゲーション使用群
(91.4%)、フリーハンド群(80.6%)を上回っていた(Tomography 22:614-622, 2021)。
最近2年間で蓄積された上記のエビデンスは本技術の正確性・安全性・低侵襲性を裏付けるものである。
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
・対象とする患者:脊椎固定術を受ける患者
・技術内容:術前CT画像をもとにスクリュー設置部位を計画、患者適合型スクリューガイドを設計し、プラスチック3Dプリンターで造形する。ス
クリューガイドは術前に滅菌し、手術時に患者の椎骨に密着させて使用し、スクリュー設置後に除去・廃棄する。
・現時点では脊椎固定術に「患者適合型手術支援ガイド(K939 3)」(2,000点)は算定できないが、人工膝関節手術・下顎骨手術に算定可能であ
る。
K
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
939 3
医療技術名
画像等手術支援加算
患者適合型手術支援ガイドによるもの
2289