提案書12(2200頁~2401頁) (159 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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・副作用等のリスクの内容と頻度
今般の保険適用拡大を希望する症例については、保険適用前の2017年に実施した国内の医師主導による臨床研究で、その安全性を確認している。
直腸手術後5例、脊髄障害に起因しない難治性排便障害13例を含む32例に本治療を実施(すべてバルーンタイプ)し、9.4%(32人中3人)におい
て大腸穿孔が発生した。大腸穿孔が発生した3名は全員直腸の手術後(2名-LARS, 1名-直腸脱術後)の患者である。
本技術が保険的適用になった2018年以降、日本では累計で約415例が継続して洗腸を行っている。その中で、2例に大腸穿孔の有害事象が発生し、
いずれもストーマ造設にてその後の排便管理を行っている。この発生率は症例数に対して0.5%(2/415例)、洗腸回数に対しては0.002%(2/販
売数に基づいた試算:105,000回)と発生率は低いと考える。安全性を示す報告としては、348例における洗腸(全てバルーンタイプ)で2例
(0.57%)に大腸穿孔が発生し、約11万回の洗腸回数に対しては0.002%の発生率であり、本邦における市販後調査とほぼ同等の結果が報告されて
いる。(2009,Christensen)
今般、大腸穿孔のリスクがないコーンカテーテルについての実績については、日本では現状15名が使用しているが穿孔はおきていない。世界的に
も2020年4月から販売開始し、2022年10月までに約200,000回の洗腸が実施されているが、今のところ大腸穿孔の報告はない。前述のLARSに対する
コーンカテーテルを用いたランダム化比較試験においても、大腸穿孔の報告はない。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
見直し前
見直し後
その根拠
問題なし
なし
なし
なし
区分
なし
区分をリストから選択
番号
技術名
なし
なし
具体的な内容
なし
増(+)
プラスマイナス
予想影響額(円)
対象拡大によって増加する金額: 249,219,640円(10年目に係る金額)
初年度は、左記の10分の1として、24,921,964円
対象拡大によってプラスとなる医療費合計:370,779,240円(対象拡大による指導管理料と指導管理材料加算の増加分)
対象拡大による増加する総患者数953人×(指導管理料800点×10円=8,000円×12+初回指導加算500点×10円=5,000円+材料加算2,400点×10円
=24,000×12)
マイナスとなる医療費合計:- 121,559,600円(本治療を行うことで削減が期待できる医療費)
⑩予想影響額
その根拠
対象拡大により増加する「LARS患者」に対して10年間で73人分の仙骨神経刺激療法(SNM)費が削減:
-121,559,600円:
経肛門的洗腸療法を途中で断念した44%の患者が侵襲的外科手術を受けており、その外科手術を受けた患者のうち22%がSNMを受けた
(2009Christensen)。
SNM治療費: 1,665,200円(K190-6手術手技料+SNMリード+刺激装置+C110-4指導管理料(社会保険研究所:医科点数表の解釈 令和2年4月版))×
73人(LARS患者755人×44%×22%)
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
便失禁診療ガイドライン
2)著者
日本大腸肛門病学会
3)雑誌名、年、月、号、ページ
便失禁診療ガイドライン
4)概要
【ステートメント】逆行性洗腸法は,洗腸にかかる手間と時間に見合うだけの高度な便失禁に対しては、有用な治療法である(推奨度B)。
逆行性洗腸法は、経肛門的な洗腸で定期的に直腸と左側結腸を空虚化することによって便失禁を防ぐ治療法であり、難治性の便秘症に使用される
場合もある。洗腸には手間と時間がかかるため、重症の便失禁や便秘症の患者が適応であり、便失禁と便秘症の両症状を有することが多い脊髄障
害患者や二分脊椎症なとの小児に用いられることが多いが、高度な排便障害を呈する低位前方切除後の排便障害(低以前方切除後症候群:LARS)
にも有用である。
1)名称
Peristeen Plus transanal irrigation system for managing bowel dysfunction
2)著者
NICE
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Published: 23 February 2018
4)概要
排便障害がある方のペリスティーンプラスを使用した経肛門的洗腸療法は、エビデンスによって支持されている。ペリスティーンプラスは、便秘
と便失禁を軽減し、QOLを向上させ、尊厳を守り自立を促進することができる。また、標準的な治療よりも、コストをかけずにベネフィットが得
られると報告されている。
1)名称
Transanal irrigation (TAI) in the paediatric population:Literature review and consensus of an Italian multicentre working group
2)著者
Enrica Caponcelli, Milena Meroni, Giulia Brisighelli, Claudia Rendeli, Emanuele Ausili,
Piergiorgio Gamba, Antonio Marte, Barbara Daniela Iacobelli, Laura Lombardi, Ernesto Leva,
Paola Midrio
3)雑誌名、年、月、号、ページ
La Pediatria Medica e Chirurgica - Medical and Surgical Pediatrics 2021; 43:250
4)概要
このレビューでは、鎖肛やヒルシュスプルング病を含めた小児疾患に対する本療法の効果に関する20論文に基づいて、本療法を導入した916名の
うち817名(89%)の患者で、本療法導入後に臨床的な改善(禁制の向上、失禁の減少)がみられたとし、本療法の有効性を報告している。
1)名称
Low anterior resection syndrome after rectal resection management: multicentre randomized clinical trial of transanal irrigation
with a dedicated device (cone catheter) versus conservative bowel management.
2)著者
Guillaume Meurette, Jean-Luc Faucheron, Eddy Cotte, Quentin Denost, Guillaume Portier, Jerôme Loriau, Andreas Wolff Hansen, Eric
Vicaut,Zaher Lakkis
3)雑誌名、年、月、号、ページ
2023 Mar 28;znad078.
4)概要
RCT試験にて、15例のLARS患者に3ヶ月間経肛門的洗腸療法が施行され、有効性に関しては、LARSの重症度を評価するLARSスコア(最善:0点~最
悪:42点)の中央値が、治療前37.4点から治療後21.3点と有意に改善した。また、本療法における成功率は継続率として表現されることが多い
が、15例全例が本療法を継続し、成功率100%と良好な結果であった。安全性に関しては、15例全例で大腸穿孔を含めた重篤な有害事象は発生し
なかった。
1)名称
Management guidelines for low anterior resection syndrome –the MANUEL project
2)著者
Peter Christensen, Coen IM Baeten, Eloy Espín-Basany, Jacopo Martellucci, Karen P Nugent, Frank Zerbib, Gianluca Pellino, Harald
Rosen,MANUEL Project Working Group
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Colorectal Disease. 2021;00:1–15.
ガイドライン
4)概要
LARS(低位前方切除術後症候群)による排便管理のガイドライン。ここでは、リハビリを含めた保存療法に奏功しない患者の次の選択肢として、
経肛門的洗腸療法の位置づけを明確にしている。
⑭参考文献1
⑭参考文献2
⑭参考文献3
⑭参考文献4
⑭参考文献5
なし
1)名称
2017年版
2017年版
P64-65
Medical technologies guidance
www.nice.org.uk/guidance/mtg36
ガイダンス
doi: 10.1093/bjs/znad078. Online ahead of print.
RCT試験
エビデンスレベル:3
エビデンスレベル:1b
※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。
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