提案書12(2200頁~2401頁) (42 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
346101
運動器ハイドロリリース療法
日本整形外科学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
30整形外科
関連する診療科(2つまで)
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
無
リストから選択
追加のエビデンスの有無
無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
・超音波ガイド下に運動器に分布する神経を安全かつ精密に液性に剥離する手技。
・局所麻酔効果や抗炎症効果のない(極めて弱い)薬液を用いることで、薬物に伴い生じうる有害事象や危険性(局所麻酔
薬中毒、胎児への悪影響、アスリートのドーピング違反など)を低下させる。
・神経のハイドロリリースによりその神経由来の痛みが改善する。文献資料(1)(2)(3)
文字数: 172
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 299
手根管症候群、肘部管症候群、梨状筋症候群、足根管症候群などの神経絞扼性障害、頚部・腰部神経根症、腋窩神経、肩甲
上神経、正中神経、尺骨神経、坐骨神経、伏在神経、腓骨神経、後脛骨神経などに発生する癒着性神経炎など
1)超音波装置の発達によって運動器に分布する微小な末梢神経を描出可能となり、神経周囲を安全かつ精密に液性剥離す
ることが可能となったため、本技術に対して適正な保険収載を希望する。
2)手術である「神経剥離術」を回避できるようになった。
3)盲目的に圧痛点に注射するトリガーポイント注射と比較して、本法は超音波での観察結果を元に確実に対象部位に薬液
注入するため高い効果を発揮できる。
4)神経ブロックは局麻剤を使用するため、注射部位より末梢の知覚がすべて遮断され病変部の局在診断が不可能。
5)本法は薬効ではなく局所部位の環境改善により効果を示すため、効果の有無で病変部位を同定できる診断的治療であ
る。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
疾患・病態:手根管症候群、肘部管症候群、梨状筋症候群、足根管症候群などの神経絞扼性障害、頚部・腰部神経根症、腋
窩神経、肩甲上神経、正中神経、尺骨神経、坐骨神経、伏在神経、腓骨神経、後脛骨神経などに発生する癒着性神経炎、胸
郭出口症候群など末梢神経由来の慢性疼痛
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
方法:筋膜、腱鞘、神経上膜およびその表層の組織に分布する細い神経線維が局所の疼痛を司っていることからNervi
Nervorumとして認識されており、侵害受容性を有している。この組織を超音波ガイド下に液性剥離を行うことで、神経の滑
走抵抗が減少しNervi Nervorumへの機械的侵害が減少する結果、圧痛や伸長痛といったNervi Nervorum由来の痛みを改善さ
せている。薬液としては神経ブロックとは異なり生理食塩水と希釈した局所麻酔剤を用いることが多い。実施頻度は原則と
して1回だが、1か月間隔で再実施することもある。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
その他(右欄に記載する。)
番号
医療技術名
K188 1
鏡視下神経剥離術
既存の治療法・検査法等の内容
手術である「神経剥離術」では、全身麻酔や伝達麻酔に伴う麻酔関連リスクがあることと、神経剥離操作時の周囲組織(神
経、血管、等)に対する侵襲リスクや、術後の神経再癒着を伴いやすい。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
K
研究結果
有効性:ハイドロリリース療法は、薬効ではなく局所部位の環境改善により効果を示すため、効果の有無によって病変部位
を確定できる診断的治療の側面を有している。超音波画像で病巣部位、組織拡張を確認できるため正確に実施できる。
エビデンスレベル:多くの海外文献、国内文献が存在する(文献資料1~5)。
効率性:運動器用の超音波診断装置と注射器、薬液のみで実施できるため効率的である。
超音波ガイド下で実施する神経のハイドロリリースは、神経ブロックやトリガーポイント注射のように局所麻酔剤やステロ
イド注射に伴う副作用発生例がまったく無く、また、麻酔下で実施する「神経剥離術」のように周囲の神経・血管を損傷す
るリスクが無いことが示されている。ハイドロリリースによって神経由来の痛みが改善する良好な成績が既に国内、国外で
多数報告されている(参考文献1~5)。
4
ガイドライン等での位置づけ
年間対象患者数(人)
⑥普及性
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
改訂の見込みなし。
改訂の見込み等を記載する。)
42万人/年の患者適応が推定される
Akihiro S. Hirosaki Med J. 2015
代表的な神経絞扼性障害である手根管症候群は本邦では42万人/年の患者数が推定される。そのうち運動器超音波装置を使
用したハイドロリリース療法を受ける割合は約10%の4.2万人と予測する。
普及性:運動器用の超音波診断装置を有する医療機関であれば、他に特別な医療器材や薬剤を必要としないため普及性が高
い。
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