提案書16(3000頁~3199頁) (173 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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拠・有効性
Kielbassaらは、システマティックレビューとして多数の文献検索を行い、レジンコーティング法が接着強さの増強、微小漏洩の減少、セメント
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 合着後の歯髄刺激が低下し、またCADによるスキャニングの品質向上効果などが得られると報告している。またHuらは、最長24か月まで経過観察
を行ったランダム化比較試験を実施し、レジンコーティング法によってセメント合着後の歯髄刺激発生率が有意に低下していたという報告が行わ
後等のアウトカム
れている。
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
象牙質レジンコーティング法は、現状としては生活歯の歯冠支台歯形成時を摘要としているが、令和3年社会医療診療行為別統計6月審査分によれ
ば、1ヶ月あたり95,199件が算定されている。一方、同資料によれば、金属冠と非金属冠の生活歯形成件数を合算すると、
288,433+40,449=292,477件であり、約30%に象牙質レジンコーティング法を実施していると見なされる。
一方、CAD/CAMインレーは令和4年に保険導入されており、未だ同年分の社会医療診療行為別統計は公表されていないが、現行のレジンインレーの
全て(32,144+1,449)に加えて、金属歯冠修復インレー全て(25,948+16,375+7,322+1,237+1,014+545,149+1+327,996+168,269+23,742+
25,140=1,142,193)の約15%がCAD/CAMインレーに移行すると仮定すると、CAD/CAMインレーは176,367件の算定、さらにその約30%が象牙質レジン
コーティング法を実施すると仮定すれば、1か月あたり52,916件が実施件数として算出される。
見直し前の症例数(人)
0(保険導入されていないため)
見直し後の症例数(人)
634,924人
見直し前の回数(回)
0(保険導入されていないため)
見直し後の回数(回)
634,924回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針、2020年、一般社団法人 日本接着
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
歯学会、象牙質レジンコーティング法の概要・適応と非適応の判断・基本的手技等につい
る。)
て概要を説明した。
1992年頃よりレジンコーティング法は開発されており、in vitro、in vivo 両面の研究報告が国内外の学会や学術雑誌に多数なされている。使用
するレジン接着システムはコンポジットレジン直接修復に用いている器材がそのまま準用可能である。しかし、レジンコーティング法は直接修復
とは異なり、あくまでも間接修復の前準備を前提とした位置付けであり、なんら特殊な手技を要するような難易度が高い行為ではない。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 標榜診療科は「歯科」であり、特にその他の特別な要件はない。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 特に要件としての施設基準はない。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 2020年に発した一般社団法人 日本接着歯学会による保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針を参考にすべきである。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
近年使用されているレジン接着システムについては、高品位な歯質接着性を発揮可能で辺縁微少漏洩の危険も少ない。副作用の怖れもない。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
レジンコーティング法による歯髄保護によって歯髄被害を抑え歯を守ることが可能となり、国民のQOL向上の観点からも社会的妥当性が高く、倫
理的問題はない。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
特になし
特になし
特になし
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
K
番号
技術名
K001
浸潤麻酔
具体的な内容
CAD/CAMインレー装着時の適用を削除
本法実施により歯髄刺激が抑制されるために、修復物装着時の麻酔が不要となると考えられる。年間浸潤麻酔実施回数は2,749,344回であり、そ
の内の約5%が本法実施により減少すると推定すると、2,749,344回×0.05×30点=41,240,160円が減少する医療費分と考えられる。
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
292,065,242円
その根拠
上記の年間実施回数634,924×現行の象牙質レジンコーティング法46点=292,065,242円と算定できる。
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特定非営利活動法人日本歯科保存学会,
⑭参考文献1
一般社団法人日本歯科理工学会
1)名称
Immediate Dentin Sealing for Adhesive Cementation of Indirect Restorations: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2)著者
Hardan L, Devoto W, Bourgi R, Cuevas-Suárez CE, Lukomska-Szymanska M, Fernández-Barrera MÁ, Cornejo-Ríos E, Monteiro P, Zarow M,
Jakubowicz N, Mancino D, Haikel Y, Kharouf N.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Gels. 2022 Mar 11;8(3):175. doi: 10.3390/gels8030175.
4)概要
システマティックレビューとメタ分析によって、象牙質レジンコーティング法は、即時も経時的にも象牙質接着強さを改善しており、特にフロア
ブルコンポジットレジンの併用によって長期的な接着強さの大幅な向上が得られたと報告している。
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