資料 Ⅱ-1-1 2025年度予算編成における課題 (35 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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資料Ⅱ-1-35
○ 質の高い医療の効率的な提供という観点からは、患者本位の良識ある腫瘍治療研究の確⽴に向けて、将来ビジョンや基本的考え⽅を共
有しようとする専門家の取組(Common Sense Oncology)がカナダを起点に世界の腫瘍治療研究専門家により実践されている。
○ そこでは、患者の⽴場に⽴って、専門家として意味ある改善が期待できない治療を推奨しないことや、患者や政策当局者のがん治療の
選択肢に対する理解を深めていくことが目指されている。
○ 我が国においても、患者本位の治療、研究の確⽴という考え⽅に沿って、幅広く対策を講じていく必要がある。
◆良識ある腫瘍治療・研究(Common Sense Oncology: outcomes that matter)の取組み
• 質の高いがん治療を推進するための草の根の運動
• 2023年4月にカナダ・クィーン大学での準備会合で開始
• 医師、保健専門家、患者、患者団体、学会、メディア、規制当局、政策当局の誰もが参加できる
• 患者本位の効果ある治療の研究、患者本位の研究結果の解釈、研究結果のコミュニケーション・がん治療の選択肢に対する理解促進
対応すべき課題(ポイントを抜粋)
Vision(ポイントを抜粋)
○ がん治療⽅針の決定は患者と診療側にとってより複雑になっている
• 大きな恩恵をもたらす新薬もあるが、承認された新薬の多くは寿命を
延ばしたり症状を改善したりしない。
• 全てのがん治療は副作用を伴い、大きな経済負担が生じ、病院で過
ごすことで家族や友⼈と過ごす時間を少なくする。
• 生存期間延⻑とQOL改善をもたらす治療を研究し促進することも大
事だが、そうでないものを⾒極めることも重要。
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○ 公的費用で賄う治験から業界負担の治験に変わり、患者の便益ではなく
業界の利益ががん治療と研究を動かしている。
○ 治療の便益とリスクに関する明確なコミュニケーションが不足している。治癒
しないがん治療において、予後と治療⼿法を議論する際に、治療者と患
者の双方にとって希望と現実のバランスを取ることが難しい。
○ 患者はもっと治療に関する情報を知り、質の高い治療を受けられるべき。
教育、研究⼿法、研究投資、政策、メディア、コミュニケーション、治療につ
いて発想の転換が必要。
(出所)Common Sense Oncologyホームぺージ
患者は有意な改善を⽰すがん治療にアクセスできる
患者にとって重要な成果が全ての治験等の中⼼である
治験報告の透明性。(患者等が明確に理解できる言葉で)
患者の意思決定に資する明確なコミュニケーション
患者の生活改善に資する治療だけが推奨される
Guiding Principles(ポイントを抜粋)
等
1. 質の高いがん治療へのアクセスは基本的な人権
2. 患者と社会のニーズががん研究と治療を動かすべき
3. 政策決定には患者と国⺠が関与すべき
4. 患者は推奨されるがん治療が有意に生存期間を延⻑するかQOLを改善
するものと期待すべき
5. 患者と腫瘍専門家の間の意思決定は患者の価値観、エビデンスに基づく
医薬品と評価に基づくべき
6. がん治療は適切な価格で⾏われるべき
7. 質の高い治療へのアクセスを優先すべき
8. 総合的な患者本位のがん治療は適切なタイミングでの精神腫瘍学、発病
後の生活等の指南、緩和ケアを含む