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資料 Ⅱ-1-1 2025年度予算編成における課題 (54 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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診療科ごとのきめ細かな医師偏在の基準の設定

資料Ⅱ-1-54

○ 地域別診療報酬単価の導⼊が、仮に中期的な課題となる場合であっても、足元で、真に実効性ある医師偏在対策を進めていくにあ
たっては、診療科ごとにきめ細かく医師偏在の状況が把握できる客観的な基準が不可⽋となると考えられる。
○ 一⽅で、現時点で活用されている「医師偏在指標」については、医師多数区域と医師少数区域を相対的に区分する形でしか活用さ
れておらず、また、そもそも診療科ごとの「医師偏在指標」については、産科・⼩児科に限って作成されている状況。
◆ 診療科別医師偏在指標について

◆ 「医師偏在指標」について
○ 「人口10万対医師数」に代わる指標として、2020年度〜
2023年度の医師確保計画から盛り込まれた。
○ 二次医療圏ごとに指標を算出し、上位1/3を医師多数区
域、下位1/3を医師少数区域と定義し、各種施策に活用。
○ 医師の絶対的な充足状況を⽰すものではなく、あくまでも相対
的な偏在の状況を表すものであるという性質を⼗分に理解し
た上で、数値を絶対的な基準として取り扱うことや機械的な運
用を⾏うことのないよう⼗分に理解した上で活用する必要があ
る、とされている。
(医師偏在指標の計算⽅法)
医師偏在指標 =

標準化医師数
地域の人口/10万 × 地域の標準化受療率⽐

外来医師偏在指標 =
標準化診療所医師数

• 診療科別の医師偏在については、基本的対応として、まずは診療科と疾病・診療⾏
為との対応を整理する必要があり、検討のための時間を要する。
• しかしながら、特に周産期医療、⼩児医療は、医療計画上、政策的に医療の確保を図
るべきものとして位置づけられており、一⽅で産科・産婦人科、⼩児科の医師数は、医
師全体に⽐べ増加割合が少なく、労働時間も⻑時間となる傾向にあることから、地域偏
在に早急に対応する必要がある。また、一定の前提の下、診療科と疾病・診療⾏為との
対応を現時点で整理することが可能である。こうした観点から、暫定的に、産科、小児
科について診療科別医師偏在指標を⽰し、地域偏在是正に向けた対応等を⾏うこと
とする。
(出所)医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 第4次中間取りまとめ(平成31年3月22日)

• 医師偏在指標を診療科別に算出するためには、それぞれの診療科について、標準化医
師数及び患者数が必要となる。 診療科別医師数は三師統計により把握可能であるが、
労働時間(医師の勤務実態調査)については診療科によってはサンプル数が⼗分では
ない。また、患者数(患者調査の受療率)は、診療科別ではなく傷病名別となっており、
傷病名と診療科の対応関係は明確でない。このため、診療科別の偏在指標の算出は、
現時点では困難である。
(出所)第7回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ(令和4年9月21日)

〔地域の人口/10万 × 地域の標準化受療率⽐〕×地域の診療所の外来患者対応割合

【改⾰の⽅向性】(案)
○ 医師偏在対策をエビデンスベースで進めるためには、「診療科毎などの医師偏在指標」がそもそも存在しないことが問題。既存の統
計データの制約を言い訳にするのではなく、近似的な⼿法を含め、診療科毎などの医師偏在指標を早急に世に⽰すべき。
○ その上で、例えば「○○科のサービスが特に過剰な地域」について、都道府県や地域医療関係者が客観的・絶対的な形で判断で
きるような「医師偏在指標」に拠った基準を速やかに策定すべき。