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資料1-2-3-6    薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(交互接種に係る報告症例・基礎疾患等及び症例経過 (172 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00046.html
出典情報 第82回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(8/5)《厚生労働省》
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医師はワクチン接種後、患者が摂氏 39 度台の高熱が持続、ストレス下で
低ナトリウム血症を伴う意識障害で、治療のため

救急搬送されたとコメントした。

受診時、血清 Na 116mEq/L、コルチゾール 12.8ug/dl と明らかな副腎不
全はなく、高張食塩水投与された。

いったんは血清 Na 130mEq/L 台まで改善した。その後、再び Na 濃度は
120mEq/L まで低下、このときの血中コルチゾール値は 1.3ug/dl であっ
た。

尿中コルチゾールが 23.0ug/日と低値のため、副腎不全と診断され、ハ
イドロコーチゾンを投与され、血清 Na、意識障害は改善した。

改善した後の負荷試験(迅速 ACTH 試験)で、コルチゾールは基礎値 6.8
から頂値 15.3ug/dl の範囲で反応したが、CRH 試験で ACTH は 38.8 から
41.4pg/ml の範囲、コルチゾール 8.5 から 10.5ug/dl の範囲と反応が乏
しかったことを示した。

他の下垂体ホルモンに異常はなく、ACTH 単独欠損症と診断され、ハイド
ロコーチゾン投与を継続した。

本例はコルチゾールの基礎値は保たれていたが、ストレス時の反応が乏
しく、ワクチン接種後発熱に対して、相対的副腎不全を来したと考えら
れた。

また、低ナトリウム血症発症時に、CPK 148462IU/L と著明な高値であっ
たが、ナトリウム濃度の改善とともに正常化した。

小児期に急性リンパ性白血病の既往が有り、睾丸に放射線照射により、
原発性性腺機能低下を有していたことが、筋肉の脆弱性を原因とする著
明な横紋筋融解を来した可能性がある。

部分的な副腎不全を有する患者が非ストレス時には症状がなくても、高
熱を来す場合には相対的な副腎不全による重篤な症状を来す場合があ
り、注意が必要である。

横紋筋融解症、低ナトリウム血症、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
の結果として治療的処置が実施された。

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