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本文 (86 ページ)

公開元URL https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program/#document
出典情報 デジタル社会の実現に向けた重点計画(6/7)《デジタル庁》
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災状況を迅速に把握・共有するための仕組み等の研究開発を進める。
④ こども
現在、こどもを取り巻く状況として、貧困、虐待、不登校、いじめなど、様々な課題が
指摘されている。例えば、平成 30 年(2018 年)の「子どもの貧困率」は 13.5%となって
おり100、平成 24 年(2012 年)の 16.3%からは減少傾向にあるものの、依然として改善が
必要と考えられる。また、令和2年度(2020 年度)の児童相談所における児童虐待相談
の対応件数は 205,044 件で、過去最多となっている101。さらに、令和2年度(2020 年度)
の小学校・中学校における不登校児童生徒数は 196,127 人(前年度 181,272 人)で過去最
多となっており、過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及び
その割合は増加している102。こどもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右
されることのないよう、全てのこどもが心身ともに健やかに育成され、その教育の機会均
等が保障され、こども一人ひとりが夢や希望を持つことができるようにする必要がある。
こどもの抱える困難は、貧困、虐待、障害、学校への不適応などの様々な要因が複合的
に重なり合っており、また、その家庭も支援を必要としている。課題が複合化しており、
ひとつの分野だけでは解決ができないという意識を強く持ち、こどもを社会のまんなか
に据えて、教育・福祉・保健・医療等の各関連分野が一体となって、こどもや家庭に対し
て適切な支援を包括的かつ早期に講じる必要がある。
「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」は、こどもやその家族が誰一人取り
残されないものでなければならない。こどもに関する教育・保育・福祉・医療等のデータ
については、地方公共団体内でもそれぞれの部局で管理されているとともに、児童相談
所・福祉事業所・医療機関・学校等の多様な関係機関があり、それぞれの機関がそれぞれ
の役割に応じて、保有する情報を活用して個別に対応に当たっている。こうしたこどもや
家庭に関する状況や支援内容等に係るデータを分野横断的に最大限に活用し、個人情報
の適正な取扱いを確保103しながら、真に支援が必要なこどもや家庭を見つけニーズに応じ
たプッシュ型の支援を届ける取組は、こども一人ひとりの状況に応じたオーダーメイド
の社会的な課題の解決を可能とし、こども一人ひとりが夢や希望を持つことができる社
会の実現に資する。
このため、各地方公共団体において、貧困、虐待、不登校、いじめといった困難の類型
にとらわれず、教育・保育・福祉・医療等のデータを分野を越えて連携させ、真に支援が
必要なこどもや家庭に対するニーズに応じたプッシュ型の支援に活用する際の課題等を
検証する実証事業を実施する。その上で、当該実証事業を踏まえ、データ連携やそれを実
現するシステムの在り方について、これまでの関係府省庁での検討104も踏まえ、関係府省
庁が一体となって検討する。

100

「2019 年 国民生活基礎調査」
(厚生労働省)による。
「児童相談所における児童虐待相談の対応件数」
(厚生労働省)による。
102
「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
(文部科学省)による。不
登校児童生徒数の割合は、小学校が平成 27 年度(2015 年度)
:0.4%→令和2年度(2020 年度)
:1.0%、中学校が
平成 27 年度(2015 年度)
:2.8%→令和2年度(2020 年度)
:4.1%、となっている。
103
子ども・若者支援地域協議会や要保護児童対策地域協議会では、個人情報を含む情報を共有するため、その構成
機関・団体に秘密保持義務が課せられている。
104
例えば、内閣府では、貧困状態の子供の支援のための教育・福祉等データベースの構築に向けた研究会が開催さ
れている。
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