提案書17(3200頁~3401頁) (129 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
501101
救急外来薬剤業務管理料
公益社団法人
32救急科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
日本薬学会
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
無
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
救命救急センターまたは救急外来を受診して入院となった患者を対象に薬剤師が来院時(入院前)より以下の薬学的管理を
実施した際に評価する。①薬歴、アレルギー歴等の情報収集及び評価、②投与薬剤の用法用量、相互作用等の確認と処方提
案、③事前に取決めたプロトコルに基づく処方変更や検査オーダーの実施、④薬物血中濃度解析、⑤中毒に対する情報提
供、⑥医師の負担軽減に資する薬剤関連業務など
文字数: 186
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 300
救命救急センターまたは救急外来を受診して入院となった患者を対象に薬剤師が来院時(入院前)より薬学的管理を実施し
た患者
救急搬送患者は年々増加している。搬送患者の多くは高齢者であり、複数の薬剤を服用している。さらに、医薬品に起因し
た救急搬送が多数報告されており、初療時に迅速かつ正確な薬学的管理は、患者の予後改善に重要である。これまで、初療
時における薬剤師の医師・看護師への情報提供・処方提案は、2次および3次救急のいずれにおいても有用であり、さらに、
救急外来への薬剤師の配置は薬剤関連インシデントを減少させたり、救急医の負担を軽減することが報告されている。した
がって、本医療技術は医療の質的向上のみならず、医師の負担軽減を目的としたタスクシェア・タスクシフトの観点からも
有用であり、保険収載の必要性があると考えられる。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
救命救急センターまたは救急救急外来を受診して入院となった患者のうち、薬剤師が来院時(入院前)より救急医療チーム
の一員として薬学的管理を実施した患者
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
救命救急センターまたは救急救急外来を受診して入院となった患者を対象に薬剤師が来院時(入院前)から関わり以下の薬
学的管理を実施した際に評価する。①薬歴、アレルギー歴等の情報収集及び評価、②投与薬剤の用法用量、相互作用等の確
認と処方提案、③事前に取決めたプロトコルに基づく処方変更や検査オーダーの実施、④薬物血中濃度解析、⑤中毒に対す
る情報提供、⑥医師の負担軽減に資する薬剤関連業務などを実施した場合に1回、評価される
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
その他(右欄に記載する。)
番号
医療技術名
既存の治療法・検査法等の内容
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
救急外来患者を対象とした薬剤師による医療技術はこれまで認め
られていない。
研究結果
救急外来等における薬剤師による医師・看護師への情報提供・処方提案は2次救急、3次救急のいずれにおいても有用である
ことが報告されている。さらに、救急外来への薬剤師の配置はインシデントの減少に繋がり、薬剤師による持参薬鑑別業務
の実施は医薬品による有害事象等への対応までの時間が短縮し、かつ、医師の負担軽減に繋がることが報告されている。ま
た、急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法開始までの時間が短縮することが報告されている。したがって、救急外来における
薬剤師による薬学的管理の実施は、医療の質的向上(医療安全を含む)および医師の負担軽減に繋がる。
・救命救急センターの初療室に薬剤師が24時間常駐し、医師や看護師に情報提供をした件数は5か月間で135件であり、その
内訳は中毒情報が最も多かったが、薬剤の投与量、投与方法、効果、副作用、持参薬など多岐にわたった。さらに、すべて
の医師が初療室における薬剤管理指導業務および持参薬・アレルギー確認業務を望むと回答した。看護師についてもほぼ同
様の結果であった(医療薬学.38(5),313-21,2012)。
・2次救急の外来患者を対象に薬剤師面談(持参薬鑑別を含む)を実施したところ、約14%(42名/591名)の患者に介入
(医師への情報提供・提案)し、90%以上が受け入れられた。薬剤師による情報提供・提案の内訳は薬剤による有害使用
(アレルギー含む)が最も多かった(日本病院薬剤師会雑誌.56(3),327-332,2020)。
・2次救急専従薬剤師による持参薬鑑および評価は、患者搬入後2時間以内に終了した。また、この結果を外挿すると救急医
の薬歴把握にかかる業務負担を1.9時間/日軽減すると考察されている(日臨救急医会誌.22,493-498,2019)。
・急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法開始までの時間は担当薬剤師がいる場合の方がいない場合より有意に短かった [74
(69-81) min vs. 89 (77-108) min, P=0.01] (日臨救急医会誌.23,600-607,2020)。
・薬剤師の救急外来での業務が救急外来でのインシデント報告数に影響を与えるか検討し、救急外来に薬剤師がいる時の発
生件数が4件(9.5%)、いない時の発生件数が38件(90.5%)とインシデント報告数は有意に低かった(Yakugaku Zasshi.
2023. doi:10.1248/yakushi.22-00175)。
・救命救急センターに入院となった患者の28.8%(142名/4095名)が医薬品の副作用(疑い)によるものであった(日臨救急
医会誌.17,670-674,2014)。
4
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
改訂の見込み等を記載する。)
年間対象患者数(人)
約160,000人
国内年間実施回数(回)
約160,000回
⑥普及性
※患者数及び実施回数の推定根拠等
消防庁令和4年度版救急救助の現状 救急版では令和3年度救急自動車による搬送人員は549万1,744人のうち、入院患者は中
等症(入院診療)2,481,532人、重症(長期入院)466,440人、計2,947,972人だった。宮田らの報告(参考文献2)による
と、対象期間に搬送された入院患者のうちECUに入院となる重症患者は、ERにて一時的経過をせず入室することから、主に2
次救急患者が救急外来における薬剤師の関与となり、そのうち対象患者は61.9%だった。また、日病約学術第7小委員会アン
ケート調査により、薬剤師の関与は30%の施設であり、多くの施設が日勤帯の対応(8時間)であるため、対象患者は約16
万人 (290万人×0.6×0.3×0.3) と推定される。また、本医療技術は初療時に1回、評価されるため、本医療技術を実施し
た患者数が実施回数となる。
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