提案書17(3200頁~3401頁) (193 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
607201
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
ストーマ処置の合併症加算
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
18消化器外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
24泌尿器科
関連する診療科(2つまで)
13外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
提案当時の医療技術名
令和4年度
ストーマ処置(1日につき)
イ.単純なもの、ロ.複雑なもの
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
提案される医療技術の概要(200字以内)
J
J043-3
1および2
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
○
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
○
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
その他」を選んだ場合、右欄に記載
入院以外の人工肛門および人工膀胱(以下、ストーマ)をもつ患者で、ストーマ合併症を有するものに対し、医師の指示のもとでストーマケアに
関する専門の研修を修了した看護師がストーマ処置を行った場合、その難易度と臨床的有用性を考慮し、現行処置に65点を加算する。
文字数: 127
再評価が必要な理由
ストーマ合併症が生じると、装具装着困難、排泄物のもれ、皮膚障害の悪化、痛み、出血、排泄障害等が生じ、重症例では入院治療や手術適応に
なる場合があり、患者のQOLに大きな影響を及ぼす。またストーマ静脈瘤は大量出血により致命的になり、ストーマ周囲肉芽腫は癌との鑑別が必
要になる。そのため、より早期から専門の知識と技術をもつ看護師によるアセスメントと介入が必要である。ストーマ合併症は、皮膚障害に限ら
ず、傍ストーマヘルニア、ストーマ脱出、ストーマ周囲肉芽腫、ストーマ腫瘤、ストーマ静脈瘤、ストーマ周囲難治性潰瘍など多岐にわたり、合
併症がない患者に比べ、難易度が高く、専門的技術をもつ看護師によるケア介入と処置の時間を要すことから、現行処置に65点の加算を提案す
る。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
ストーマ合併症を有する患者のQOLは、合併症がない患者に比べて有意に低いことが明らかにされている(文献1、2)。ストーマケア専門の看護
師がストーマケアを行うことによる患者の満足度は高い(文献3)。また多施設のランダム化比較試験では、エビデンスに基づくケアバンドルを
導入しストーマ外来でのフォ―アップをした患者は、ストーマ合併症の発生率が低く、ケア満足度が高いことが明らかにされている(文献4)。
ストーマ外来を担う専門家への調査によると、ストーマ合併症を有する場合の処置は69.6(±17.2)分(内、医師20.4分、看護師49.2分)で、合
併症がない場合32.0(±2.7)分(内、医師4.2分、看護師27.8分)の2.2倍を要し、専門的なアセスメントと技術、患者への指導教育による重症
化および再発予防が不可欠とされている(2021年、未発表)。ストーマケアに関する専門の知識を有する看護師が、ストーマ合併症に関する的確
なアセスメントとケアを行うことで、重症化予防、患者の身体的・心理的・経済的負担の軽減、入院や手術に至るケースの低減、医療費の削減を
図ることができる。本技術におけるストーマ合併症は、重症度分類(文献5)グレード2以上(中等症;ストーマケア方法の変更と外来処置で対応
可能)とし、加算点数は、現行の乳幼児加算(55点)を参考に処置時間と難易度から合併症加算(65点)とした。
現行のストーマ処置(1日につき)は、 入院中以外の患者で、消化器ストーマ又は尿路ストーマを有する患者に対し、ストーマの処置を行った場
合に算定される。平成5年に初めて保険収載され、ストーマを1個もつ患者に対して行った場合は1日につき70点、ストーマを2個以上もつ患者に
対して行った場合は100点が算定された。平成28年の診療報酬改定では、6歳未満の乳幼児の場合は、乳幼児加算として55点が追加され、令和2年
の診療報酬改定では、ストーマを2個以上もつ患者に対して行った場合は120点に変更となった。なお、装具交換の費用は含まれるが、装具の費用
は含まれていない。また在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者
を含み、入院中の患者を除く)については、算定できないこととなっている。
J
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
J043-3
1および2
医療技術名
ストーマ処置(1日につき)
傍ストーマヘルニア、ストーマ脱出、ストーマ周囲難治性潰瘍などのストーマ合併症の要因には、加齢、肥満、ステロイド使用、悪性疾患の合
併、呼吸器疾患の併存など、患者側リスク因子が多数存在していることが明らかにされている。とくに傍ストーマヘルニアは、長期経過により発
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 生リスクが高まると報告されている。ストーマ合併症の重症度とQOLには、有意な関連があることは多くの調査結果から明らかにされており、そ
後等のアウトカム
の管理には、ストーマ装具の選定、局所管理に専門的な知識と技術が求められる。早期から適切なケアを講じることで、緊急入院や不定期な外来
受診を低減し、医療費の削減と患者のQOL向上につながる。
③再評価の根
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