提案書17(3200頁~3401頁) (190 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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・副作用等のリスクの内容と頻度
日本助産師会・日本助産学会「乳腺炎ケアガイドライン2020」における、乳腺炎の各「状態」に基づくケアや医療連携の方策については、ガイド
ラインに沿った対応を行うこと、かつ、助産実践能力習熟度段階におけるアドバンス助産師認証制度の必須研修として位置づけていること、およ
び、日本助産師会都道府県支部研修を実施し、普及啓発活動を実施していることにより、助産師の技能向上を推進していることからリスクは考え
にくい。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
上記研修等において、乳房ケアの実施および支援時の心理的・倫理的留意点について具体的教育を行っているため問題は考えにくい。
⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
見直し前
見直し後
150(1回の分娩につき4回までの算定での2〜4回目までの算定)
200(乳腺膿瘍切開術施行した際の2〜8回目までの算定)
その根拠
既収載の乳腺炎重症化予防ケア・指導の難易度が高まること、及び切開術後の継続的な創傷管理が付加されるため
区分
区分をリストから選択
番号
技術名
具体的な内容
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
-264,000,000円
その根拠
令和4(2022)年現在の出生数約800,000人のうち、96.5%が母乳で育てられていること、乳腺炎の発症率約30%(Scott,JA.,et al.,2008)から
算定し、乳腺炎症例数は240,000人である。膿瘍形成の発症率は乳腺炎全体の約10%で対象者は24,000人となる。JMDCレセプトデータより、乳腺
膿瘍切開術を行った患者は診療実日数の平均が13.2日であるため、膿瘍形成の患者がすべてが乳腺膿瘍切開行い、14日通院加療をしたと試算する
と、総点数は24,000人*2,300点*1日+24,000人*500点*13日=211,200,000点である。
乳腺膿瘍切開で受診した場合の診療報酬の試算として以下のように予想影響額を算出した。
初回約2300点(初診+乳腺膿瘍切開術+検査・処置・投薬関連)
再診約500点(再診+投薬・処置・検査関連)
次に、乳腺膿瘍切開術実施患者すべてが要望した通りに初回500点、2〜8回200点の乳腺炎重症化予防指導料を算定した場合
24,000人*500点*1+24,000人*200点*7点=45,600,000点となり、8日目までの通院に関しては本医療技術内では増加となる。しかし、指導料の加
算を全員に適応し、その効果が発揮され8日の診療日数で治癒できたとすると、24,000人*500点*6日=72,000,000点が抑えられることになる。増
点となった本技術提案書の点数を考慮しても、乳腺炎の膿瘍形成症例全体では、26,400,000点の減少で医療費の抑制につながる。
また、乳腺炎により母乳育児を断念する母親が10%程度いるが、母乳育児を行わないことの母子への短期的長期的医療経済的損失(母子の疾病罹
患率の上昇による医療費の増加や会社欠勤等への社会経済的損失)、および乳腺炎が関連因子となる産後うつ、ボンディング障害に関る医療費に
基づく医療経済的損失が発生するが、これらは今回の試算には含まれていない。しかしながら、CDC(米国疾病予防管理センター)によると、母
乳育児率の低下により医療費に年間30億ドル余計に支出が必要であると試算されているため、母乳育児が中断されないことによる医療費の抑制効
果はさらなる金額となる。
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
公益社団法人
⑭参考文献1
日本助産師会
1)名称
乳腺炎ケアガイドライン2020
2)著者
公益社団法人
3)雑誌名、年、月、号、ページ
2020
4)概要
乳腺炎ケアに関する助産師のケアおよび指導、治療の解説及び支援のガイドライン
1)名称
産婦人科診療ガイドライン2020
2)著者
日本産科婦人科学会
3)雑誌名、年、月、号、ページ
2020、 p268〜270
4)概要
CQ419授乳に関する注意点
乳腺炎や乳房緊満の予防のために出産直後からの授乳指導の重要性が記されている。乳腺炎の一般的治療は、搾乳、鎮痛剤、抗菌薬投与とされて
いること、乳腺膿瘍には、エコーガイド下での穿刺あるいは切開排膿して創部からのドレナージを行う方針が記されている。また現在日本では母
乳育児中の乳房トラブルについての母親の相談窓口が助産師であるため医師と助産師が連携して支援と治療が両立されるような体制づくりが重要
である。 Minds掲載ガイドライン
1)名称
Academy of breastfeeding medicine clinical protocol #36: The mastitis spectrum, revised 2022.
2)著者
Mitchell KB, Johnson HM, Rodríguez JM, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Breastfeeding medicine. 2022;17(5):360-376. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/35576513. doi: 10.1089/bfm.2022.29207.kbm.
4)概要
乳腺炎の原因は、乳管のディスバイオーシスに起因するスペクトラムであり、乳管閉塞(乳汁のうっ滞)から乳腺炎に移行するものだけでなく、
突然膿瘍形成になったり、再燃するものなど、軽症から重症化のシークエンスでは説明できないものが明らかになった。
1)名称
Breast abscess
2)著者
National Heaith Service(NHS)
3)雑誌名、年、月、号、ページ
https://www.nhs.uk/conditions/breast-abscess/
4)概要
乳腺膿瘍の診断及び、授乳継続を含めた授乳支援の方策について明示している
1)名称
Influence of infants' feeding patterns and duration on mothers' postpartum depression: A nationwide birth cohort -the japan
environment and children's study (JECS).
2)著者
Shimao M, Matsumura K, Tsuchida A, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
J Affect Disord. 2021;285:152-159. doi: 10.1016/j.jad.2021.02.011.
4)概要
日本の母親の乳児の栄養法(母乳だけ、混合栄養、人工乳)の違いによる、産後のメンタルヘルスの実態として、母乳だけで6ヶ月間育児をして
いる母親の産後うつのリスクは他の栄養法に比べ低かった。
日本助産師会
・一般社団法人
日本助産学会
Minds収載ガイドライン
⑭参考文献2
⑭参考文献3
⑭参考文献4
⑭参考文献5
3389
2020.8.25