よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書17(3200頁~3401頁) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

441110
金属アレルギー患者への前歯部ジルコニアブリッジ
日本補綴歯科学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

37歯科・歯科口腔外科
00なし

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
場合、右欄も記
提案当時の医療技術名
載する


令和4年度
金属アレルギー患者へのジルコニアによるCAD/CAMブリッジ


追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)

金属アレルギー患者に対して前歯部中間欠損に対する1装置3歯のブリッジをジルコニアを使用して製作する。製作には
CAD/CAM装置を用い、支台歯形成や印象採得は従来と同様に行う。ジルコニアは単体で使用し、ガラスセラミック等の築盛
は行わない。ブリッジ設計の考え方は、「ブリッジについての考え方 2007」(平成 19 年 11 月日本歯科医学会)によ
る。

文字数: 174
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

MT

現在、金属アレルギー患者に対するブリッジとしては高強度硬質レジンブリッジが臼歯部1歯欠損に限定された3歯ブリッジ
に適用されているが、臼歯の限定された症例にしか適応できない。また、単冠としてはハイブリッド(硬質)レジン
CAD/CAM冠が前歯にも使用できるが、材料学的な限界からブリッジには使用できない。そのことから、今回、前歯部でも応
用可能な安全性の高いジルコニアによるCAD/CAMブリッジを提案する。

文字数: 201
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

対象疾患はMT。上下3−3の範囲を支台歯とした中間1歯欠損の3歯ブリッジで金属アレルギーの診断を受けている場合に限
る。年齢は問わない。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

鋳造冠のブリッジ同様に支台歯形成後に印象採得を行い、作業用模型を製作する。作業用模型を技工用スキャナーを用いて
スキャンを行い、CADソフトに取り込み、ブリッジの設計を行う。その後、ミリングマシンでミリングし、ファーネスでシ
ンタリングを行い、最終的には研磨を行い完成させる。実施頻度は金属アレルギー患者が対象であるため少なく、治療回数
は約2~3回(支台歯形成および精密印象、装着)が予想され、高強度であるため長期間の耐用年数(5~10年)が期待され
る技術である。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号
医療技術名

017-2
高強度硬質レジンブリッジ(1装置につき)

既存の治療法・検査法等の内容

高強度硬質レジンブリッジとは、歯冠用グラスファイバーによるフレームに高強度の硬質レジンを用いて製作する、臼歯部
1 歯中間欠損部に対するポンティックを含む、臼歯3歯ブリッジをいう。高強度硬質レジンブリッジは以下のいずれかに該
当する場合に算定する。
イ 上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等におい
て、第二小臼歯の欠損に対して第一小臼歯及び第一大臼歯を支台歯とするブリッジに使用する場合
ロ 歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者において、臼歯部 1 歯中間欠損に使用する場合(ただし、医科の
保険医療機関又は医科歯科併設の医療機関の医師との連携のうえで、診療情報提供(診療情報提供料の様式に準じるもの)
に基づく場合に限る。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

ジルコニアフレームのブリッジと金属ベースのセラミックブリッジを平均6.4年の追跡観察したところ、生存率は97.9%で
あり、合併症発生率に差はなかった(J Prosthet Dent.2020 Oct; 124(4)、446-453)。 破壊試験においても通常のブリッ
ジよりも高い強度を示した(J Prosthet dent. 2019 Feb;28(2):171-178.)。
1b

ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性

高強度硬質レジンブリッジが曲げ強さ約800Mpaであるのに対して、モノリシックジルコニアブリッジでは、使用するジルコ
ニアディスクの性質にもよるが、前歯部に適する審美性の高いマルチレイヤ―ディスクでも800Mpa以上の強度が確保可能で
ある。また、支台歯形成においても、高強度硬質レジンブリッジでは対合歯とのクリアランス2.0㎜以上が必要であり生活
歯では適応できないこともあるが、ジルコニアでは1㎜以下のクリアランスでも対応できるケースもある。長期的な予後も
従来の前装ブリッジ等と比較しても良好である。

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
ガイドライン改定の見込みなし
改訂の見込み等を記載する。)
800人
800回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

令和3年6月分の社会医療診療行為別統計より高強度レジンブリッジは208件/月あり、前歯のジルコニアブリッジ について
も同様の需要が推定される。歯科用金属アレルギー症状を示す割合を32%(J Prosthodont Res. 2019 Jul;63(3):309312.)とすると、年間対象者は208×12×0.32=799件(人)となるので、ここでは推定800回とした。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

医療技術の成熟度としては、ジルコニアは以前よりブリッジのフレーム材料として使用されており、日本補綴歯科学会の歯
の欠損の補綴歯科治療ガイドライン2008においても金属と比較して強度的な問題は指摘されていない。モノリシックジルコ
ニアのブリッジについては当時は広く普及してしなかったため、言及はないが、フレームにおいて問題なければジルコニア
単体でも同様と考えられる。臨床的な手技は従来のブリッジやCAD/CAM冠と同様であるため難易度としては高くないもの
の、脱離を防止し、長期的な予後のためにセメントの選択、接着性モノマーの選択、正しい接着手技・咬合調整を行う知識
や技能が必要である。

3225