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提案書17(3200頁~3401頁) (179 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術名

在宅酸素療法指導管理料 遠隔モニタリング加算

システマティックレビューとメタアナリシスから、遠隔モニタリングと保健指導を組み合わせてCOPD患者に提供するこ
治癒率、死亡率やQOLの改善 とで、死亡者割合(Risk ratio= 0.60; 95%CI=0.49-0.74; p<.001)、救急受診回数(SMD=-0.08 ; 95%CI=-0.15--0.01;
等の長期予後等のアウトカム p =.002)、在院日数(SMD=-0.13 ; 95%CI=-0.23--0.22; p =.02)、主副傷病による増悪入院者割合(RR= 0.90;
95%CI=0.84-0.96; p<.002)を有意に低下する(【資料1】猪飼他,2021; 【資料2】Kamei et al., 2013)。
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数
の変化

年間実施回数
の変化等

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドラ 2021年10月日本在宅ケア学会「テレナーシングガイドライン」を刊行
イン等の改訂の見込み等を記載する。)
【資料3】。

再評価によって、対象患者数はCOPD患者8万人でありこれらの者に、1日1回~週1回など実施回数を予め決めて実施する
ため、普及性は高い。

見直し前の症例数(人)

在宅酸素療法を受けるCOPD患者 8万人

見直し後の症例数(人)

在宅酸素療法を受けるCOPD患者 8万人【資料4】

見直し前の回数(回)

64万回(在宅酸素療法を受けるCOPD患者(8万人×月1回×年8回(月1回の加算は連続で2ヶ月まで加算することができ、
3ヶ月目は外来受診し、また翌月から2ヶ月間加算できるとすると年8回加算できる))

見直し後の回数(回)

384万回(在宅酸素療法を受けるCOPD患者(8万人×月4回×12ヶ月)

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

遠隔モニタリングとテレナーシングは医師との連携の元行う遠隔医療の一分野である。遠隔モニタリングとテレナーシ
ングを実施する看護師は、遠隔医療・テレナーシングの実践ガイドラインの理解、テレコミュニケーションやテレメン
タリングの技法、情報リテラシーの基本について習得する必要があるため、難度はやや高い。そのため、日本遠隔医療
協会やそのほかテレナーシングに関する研修会等の受講を修了する必要がある。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や C103 在宅酸素療法指導管理料を算定している施設
手術の体制等)
・施設基準
(技術の専門
性等を踏ま
え、必要と考
えられる要件
を、項目毎に
記載するこ
と)

日本呼吸器学会専門医7,156人(一般社団法人日本呼吸器学会)、慢性呼吸器疾患認定看護師340人(公益社団法人日本看
護協会)、慢性疾患看護専門看護師230人(公益財団法人日本看護協会)、特定行為研修を修了した看護師1146人(長期呼
人的配置の要件
吸療法に係る者)、呼吸ケア指導士498人(一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会)に加え、一般社団法人
(医師、看護師等の職種や人 日本遠隔医療学会主催テレメンタリング研修会受講終了者270人、日本遠隔医療協会主催遠隔医療従事者研修受講修了
数、専門性や経験年数等)
者500名、聖路加国際大学テレナーシングSIG主催テレナーシング実践セミナー受講終了者160人が実施者の候補とな
る。
その他
(遵守すべきガイドライン等 日本在宅ケア学会テレナーシングガイドライン(2021.10月刊行【資料3】)
その他の要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

身体的侵襲、副作用はない。在宅患者が1日1回から週に1回、経皮的酸素飽和度・血圧・脈拍等の測定と問診項目への
回答を行い、患者がこれらを医療機関にインターネットを経由して送信する。テレナース等がデータをモニタリング
し、異常値のトリアージを行い、それに基づく遠隔保健指導を行う。リスクとして、重症者が急激な病状変化時に遠隔
モニタリングシステムを利用して、救急対応を求めるという誤った利用法により、必要な対応が遅れ、病状がさらに悪
化することが考えられる。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理的な問題はないが、テレビ電話時に患家のプライバシーに配慮する。なりすまし入力を防ぐ指導を行う。COPD患者
が酸素ボンベを携行し、家族も同行して公共交通機関により受診する負担は大きいため、社会的妥当性がある。

⑧点数等見直
しの場合

見直し前

150

見直し後

320

その根拠

心臓ペースメーカー遠隔モニタリング加算と同等と評価するため

区分
⑨関連して減
点や削除が可
能と考えられ
る医療技術
(当該医療技
術を含む)

D007

技術名

血液ガス分析(150点)

具体的な内容

パルスオキシメータによる酸素飽和度測定を患者が毎日自宅で測定するため、月1回受診時の必要検査となっている血
液ガス分析検査、またはパルスオキシメータによる非侵襲的血中酸素飽和度測定は行わないことも可能と考えられる。
血液ガス分析は、在宅酸素療法指導管理料に含まれ、別に算定できない。

プラスマイナス
予想影響額(円)

⑩予想影響額



番号

その根拠

減(-)
18841420000
COPD: 急性増悪による入院医療費は1回平均61万円(【資料5】茂木,2006)、急性増悪時にかかる外来医療費は在宅酸素
療法指導管理料、画像検査料、処方料等を含めて1か月約9,000点(亀井テレナーシング研究データ; COPD在宅酸素療法
急性増悪期の診療報酬明細の実際データ)である。健康保険による移送費は1件平均1,122円(厚生労働省通院移送費にか
かる支給実績平成20年9月)がかかっている。
急性増悪入院者数
24,000人×入院医療費61万円(小計146億4,千万円)+急性増悪外来患者数23,984人×診療報酬9万円(小計21億5,856万
円)+年に複数回増悪で外来受診者数9,593人×9万円(小計8億6,337万円)+移送費44億2919万円(資料7参照)=220億9121万
円を減額できる。
新技術にかかる費用は、1日1回の血圧、経皮的酸
素飽和度値の遠隔モニタリングは週7回実施し、遠隔保健指導は医療保険・介護保険とも訪問看護療養費を算定しない
日に週に2回を限度として実施する場合(モニタリング料はテレナーシング費用に含むものとする)、31,248人×1,000円
×104回(テレビ電話保健指導と継続的モニタリング費)=32億4,979万2千円。

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