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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (100 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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を併発し、症状も多様であり早
期の正確な診断と治療が容易で
ない86(図387)。
臨床的には予後及び治療方針
の観点から、部位と広がりによ
り二つの病型に分類される。
StandardA型は近位大動脈の解
離で、エントリーの部位にかか
わらず上行大動脈が含まれる場
合、B型は遠位部大動脈の解離
で、上行や弓部大動脈は含まれ
ず、胸部下行大動脈と腹部大動

図3 大動脈解離の病態
(文献 87 から許諾を得て転載)

脈に生じた場合をいう。A型は
予後が不良であり、その理由は

近位部大動脈からは冠動脈等の重要な血管が分岐していて重篤な併存症を起
こしやすいためである。A型解離における最多数の死因は心嚢内への破裂に
よる心タンポナーデである。急性大動脈解離の約 2/3 がA型、残りがB型で
ある。
経過からの分類では、発症から2週間以内を急性期、発症から2週間を超
えて3か月以内を亜急性期、3か月を超えるものを慢性期としている。


治療、予後
(ア) StanfordA型解離
予後は StanfordA型解離(上行大動脈に解離があるもの)では不良であ
り、内科治療における死亡率は発症後 24 時間で 20%、1か月で 50%、外科
治療の死亡率は 24 時間で 10%、1 か月で 20%と報告されている。急性期偽
腔開存型では、再発等による心タンポナーデを防ぐために緊急に上行大動
脈の人工血管置換術を行う。偽腔閉塞型解離に対する手術の緊急度につい
ては見解が分かれるが、大動脈径や画像所見の変化等から判断する。
術後の遠隔期には残存解離の進展、瘤の拡大に注意し、ハイリスク例で
は、人工血管置換術又はステントグラフト内挿術(thoracic endovascular
aortic repair:TEVAR)を検討する。

86

日本循環器学会ら. 2020 年改訂版

大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン. 2020; 26

87

日本循環器学会ら. 2020 年改訂版

大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン. 2020; 17. 図 6

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