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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (115 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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性睡眠時無呼吸(OSA)と呼吸中枢からの呼吸ドライブの消失による中枢
性睡眠時無呼吸(CSA)に分けられる。このうち CSA は、比較的稀で、循
環器領域では心不全の結果もたらされる病態としてとらえられているが、
一方 OSA は、common disease であり、生活習慣と深く結びついており、
動脈硬化性疾患との関連も強い。OSA は、様々な機序を介して動脈硬化を
進行させる可能性がある。
OSA 患者では非 OSA 患者に比べて血管内皮機能が低下しており、血管の
スティフネスが上昇し、高感度 CRP も上昇していることがメタ回帰分析
によって明らかになっている。また、OSA は、IMT(内膜中膜複合体厚)
肥厚の独立した危険因子であることもメタ解析で明らかになっている。
さらに OSA は、2型糖尿病の発症リスクとなり、将来の高血圧の新規発
症率も増加することが多数の患者を対象としたコホート試験や前向き試
験によって確認されている。このように OSA は直接あるいは間接的に動
脈硬化性疾患の発症・進展に寄与する。
さらに重症 OSA では、対照群に比較して致死性及び非致死性心血管イ
ベントが有意に増加していることが前向き観察研究により示された。
(キ) メタボリックシンドローム116
メタボリックシンドローム(Met S)は、内臓脂肪蓄積とインスリン
抵抗性を基盤とした動脈硬化性疾患の易発症病態であり、内臟脂肪蓄積
に伴う脂肪組織由来因子(アディポサイトカイン)の分泌異常が病態発
症に重要であると考えられている。
労働省作業関連疾患総合対策研究班の調査で、冠動脈疾患発症者の健
診結果を 10 年前まで分析したところ、発症者は非発症者に比し、体格指
数(BMI)、血圧、空腹時血糖、血清脂質が軽度ではあるが有意に高く、
かつ 10 年間持続していたことが確認された。また疫学調査 NIPPON
DATA80 でも、危険因子保有数の増加に伴って冠動脈疾患や脳卒中による
死亡の相対危険度が上昇していることが示されている。
従って、わが国の冠動脈疾患発症において、それぞれの危険因子の程
度が軽くても危険因子が集積した病態が重要である。また、わが国の中
高年男性において、危険因子を重複して保有するオッズ比は、内臓脂肪
型肥満で著しく高値を示しており、このような肥満を疾患として捉える
ために、日本肥満学会から「肥満症」の診断基準が提唱された。実際に、

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日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 46

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