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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (39 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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血管病変等の進行状態

発症




自 然 経 過


疲労の蓄積による
血管病変等の進行

ア 業務に関連する疲労の蓄積による血管病変等の著しい増悪を示す。
イ 業務に関連する急性の負荷による発症の誘発を示す。
ウ 業務に関連する急性の負荷による発症を示す。

時 間 的 経 過
図4-1

発症に至るまでの概念図

なお、疲労の蓄積の解消や適切な治療などによる危険因子の是正によって、
血管病変等の進行がとどまり、脳・心臓疾患の発症リスクが低減する可能性
がある。その機序は、冠動脈の動脈硬化病変(粥腫)の不安定な性状からの
安定化(線維性病変に変化等)であり症例によっては退縮も生じること15、ま
た、血管内皮機能の障害が改善すること16,17,18,19による。したがって、脳・心
臓疾患の発症予防の観点から、疲労の蓄積の解消や適切な治療などによる危
険因子の是正は重要である(後掲図4-2、40 頁参照)。
(2) 過重負荷の評価の基準となる労働者
本検討会は、過重負荷の評価の基準となる労働者としては、引き続き、本
人ではなく、同種労働者にとって、特に過重な業務であるかを判断の基準と
することが妥当と判断する。ここでいう同種労働者とは、当該労働者と職種、
職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者をいい、基礎疾患を有
15

Hiro T, et al. Effect of intensive statin therapy on regression of coronary atherosclerosis in patients with acute
coronary syndrome: a multicenter randomized trial evaluated by volumetric intravascular ultrasound using
pitavastatin versus atorvastatin (JAPAN-ACS [Japan assessment of pitavastatin and atorvastatin in acute
coronary syndrome] study). J Am Coll Cardiol. 2009; 54: 293-302
16
Hambrecht R, et al. Effect of exercise on coronary endothelial function in patients with coronary artery
disease. N Engl J Med. 2000; 342: 454-460
17
Hall M, et al. Objective sleep duration is prospectively associated with endothelial health. Sleep. 2017; 40:
zsw003
18
Holmer B, et al. Effects of sleep deprivation on endothelial function in adult humans: a systematic review.
Geroscience. 2021; 43: 137-158
19
Brożyna-Tkaczyk K, et al. The assessment of endothelial dysfunction among OSA patients after CPAP
treatment. Medicina (Kaunas). 2021; 57: 310

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