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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (133 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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2 労働時間と脳・心臓疾患の発症等に関する文献(疫学調査) (1)脳血管疾患に関するもの(12文献)
調査期間
(発症前)

時間

8

9

10

11

疾病

長時間労働(1日10時間
以上の労働を年50日以
調査時10年以 2012年(ベースライ
上しているか否か)のば
上前からのば ンアンケートデー 脳卒中
く露年数(1年未満、1~
く露年数
タ)
10年未満、10年以上)及
び5年ごとの累積曝露量

長時間労働、過重労
働、仕事の負荷(job
strain)、ストレス

1日の労働時間が
短時間(7時間未満)、
標準(7-9時間未満)、
1-2時間の時間外労働
(9-11時間未満)、
3時間以上の時間外労
働(11時間以上)

-

ベースライン
時(1993年)と
10年目フォ
ローアップ時
(2003年)の労
働時間の平均

1週間あたりの労働時間
が35-40時間(対照群)、
41-48時間、49-54時
間、55時間以上

(参考) 週55時間以上の労働を

12

観察期間

長時間労働と定義

-

-

脳卒中

調査対象

調査方法

結果

有意性

著者名

タイトル

書誌情報

年齢、BMI、職業、高血圧、糖尿
6か月以上の勤務経験を有
後ろ向きコホー 病、脂質異常症、心臓血管系疾
する18~69歳のフランス人
ト研究
患の家族の既往歴および喫煙
143,592人
習慣

長時間労働は脳卒中のリスク増加と関連しており
(OR1.29、95%CI: 1.11-1.49)、特に10年以上長時間労
働にばく露された人々の間で関連していた(OR1.45、
95%CI: 1.21-1.74)。50歳未満の者は10年以上長時間労
働にばく露された場合、脳卒中のリスクが高かった
(OR2.28、95%CI: 1.46-3.58)。

長時間労働(50
日/年・10時間/
Fadel M,
日以上)あり
et al
(特に10年以上
の長時間労働)

Association between reported
Stroke. 2019; 50:
long working hours and history
1879-1882
of stroke in the CONSTANCES
文献36
Cohort

過重労働、労働ストレス、
連続勤務等の文献

-

Eggersは、過重労働や仕事の負荷が高いこと(high job
strain)による慢性的な機能不全ストレス反応が、血小
板活性化を刺激することで脳卒中を引き起こし、凝固
能亢進状態をもたらす可能性があることを報告した。
Isoらは、1988-1990年に日本人73,424人(男性30,180
人、女性43,244人)を追跡調査し、精神的ストレスを強く
感じている女性は脳卒中で死亡するリスクが2倍以上
であることを明らかにした(RR2.24、95%CI: 1.52-3.31、
p<0.001)。スウェーデンでの長期コホート研究(Ohlin
ら、n=33,346、1974-1992年)では、ストレスが高いと認
識された男性労働者における脳卒中の死亡率は2倍で
あった(RR2.04、95%CI: 1.07-3.88)。日本人労働者
6,553人についての前向き研究(Tsutsumiら ※資料2の
6(1)No.58)では、高負荷の男性の脳卒中リスクが2倍
以上増加した。台湾の病院ベースの症例対照研究(Ke
DS)では、1日16時間以上、1週間連続した労働が脳卒
中のリスクを4倍増加させていることが確認された。

1日16時間以
上・1週間連続
Ke DS
労働、高いスト
レスあり

Overwork, stroke, and karoshideath from overwork

第1モデル:年齢
第2モデル:第1モデルの因子+
肥満指数(BMI)(kg/m2)、高血
圧・糖尿病・高脂血症の既往
歴、喫煙、アルコールの摂取
量、歩行時間、睡眠時間
第3モデル:第2モデルの因子+
仕事内容(給与所得者、農業/
林業/漁業労働者、自営、専門
職、複数就労者、分類不明、主
婦と失業者)

コックス比例ハザード回帰モデルを用いた結果では、
第3モデルの多変量調整後、7-9時間未満/日と比較し
て、急性心筋梗塞のHRは、7時間未満/日1.29(95%CI:
0.81–2.05)、9-11時間未満/日1.22(95%CI: 0.84–1.77)、
11時間以上/日1.63(95%CI: 1.01–2.63)であった。全脳 なし(脳卒中)
卒中(脳梗塞、脳出血)では、7時間未満/日1.04
(95%CI: 0.82–1.32)、9-11時間未満/日1.06(95%CI: 0.87
–1.29)、11時間以上/日0.83(95%CI: 0.60–1.13)であっ
た。

-

脳卒中の有病率については適切な文献がなかった。
脳卒中の発病について、41-48時間/週の群では有意
な関係がなかった。、49-54時間/週の群では有害性
の限られた証拠があった(RR1.13、95%CI: 1.00-1.28)。
55時間以上/週の群では有意にリスクが高かった
(RR1.35、95%CI: 1.13-1.61)。
脳卒中による死亡について、いずれの群でも有意な関
係がなかった。(55時間以上/週の群のRR 1.08、
95%CI: 0.89-1.31)。

-

世界の長時間労働者(週55時間以上労働)の数につい
て、4億8800万人(95%不確実性区間:4億7200万~5億
3000万)世界人口の8.9%(8.6-9.1)に当たると推計。
Descathaら2020、Liら2020の結果を最適推計値とし、長
時間労働(週55時間以上労働)による脳卒中及び虚血 性心疾患による死亡者数について、745,149人
(705,786-784,601)と推計。同障害調整生命年(早死、
障害、疾病によって失われた年数)は、2330万年(2220
万-2440万)と推計した。

文献レビュー

1993年をベースラ
インとして2013年1
1993年に5つの保健所管内
急性心筋梗塞、脳
前向きコホート
月1日より前に起き
に居住していた、40–59歳
卒中
研究
た急性心筋梗塞と
の男性15,277人
脳卒中症例を追跡

2018年5月にWHO
ICTRP、Scopus、
Web of Science、
脳卒中(有病、発
CISDOC、
病、死亡)
PsycINFOを、2020
年4月にMEDLINE、
PubMedを検索

調整因子

発病について、17研究の
275,181人(49-54時間/週
の群)、7研究の162,644人
(55時間以上/週の群)
メタアナリシス
死亡について、10研究の
664,647人(55時間以上/
週の群)

2016年の世界人口
における、長時間
労働者の数、長時
間労働による脳卒 脳卒中、虚血性心
世界全体について推計
中及び虚血性心疾 疾患
患による死亡者
数、障害調整生命
年等を推計

-

123

Hayashi
R, et al

Working hours and risk of acute
Circ J. 2019; 83:
myocardial infarction and stroke
1072-1079
among middle-aged Japanese
文献32
men

長時間労働(55
The effect of exposure to long
時間以上/週)
working hours on stroke: A
あり(脳卒中の
systematic review and metaDescatha
発病)
analysis from the WHO/ILO
A, et al
Joint Estimates of the Workなし(脳卒中の
related Burden of Disease and
死亡)
Injury

Pega F,
et al

Acta Neurol
Taiwan. 2012; 21:
54-59

Global, regional, and national
burdens of ischemic heart
disease and stroke attributable
to exposure to long working
hours for 194 countries, 2000–
2016: A systematic analysis
from the WHO/ILO Joint
Estimates of the Work-related
Burden of Disease and Injury

Environ Int. 2020;
142: 105746
文献34

Environ Int. 2021;
154: 106595