資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (141 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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時間
20
21
負荷の
調査期間
(発症前)
クイックリターン(2つの
シフト間が11時間以下)
休息(勤務間インターバ
ル)、休日日数、シフト
の長さ、週勤務時間、コ
ンプレストワークウイー
ク(1日の労働時間を延
長し労働日数を短縮す
ること)、時間外労働、 夜間勤務
観察期間
-
23
夜勤後のクイックリター
妊娠最初の20
ン(夜勤後28時間未満
週間
の回復期間)の回数
クイックリターン、交替勤
務
睡眠障害、眠気、疲労
調査対象
1988年から2014年
までの間に発表さ
れた35の研究(う
文献レビュー
ち、勤務間インター
バルに関するもの
は3件)
-
2007年~2013
年
観察期間中に妊
妊娠高血圧症候群(HD 娠、出産したデン
P)
マークの女性
18,724名
-
調査方法
1983年から2014年
までに公表された
22の研究(加重平
文献レビュー
均年齢が38.5歳の
14,028名の被験者
を含む。)
トラック運転手の事故リ
スク、製造業における注
意力、疲労、看護師の病
的疲労
※右欄では、勤務間イ
ンターバルに関するレ
ビューについてのみ記
載
22
健康障害等
前向きコホート
研究
電子データベース
の検索(交替勤務、
夜勤、系統的レ
睡眠障害、乳がん、内分
ビューまたは夜勤
泌代謝性障害、生殖、心
メタアナリシス
及び系統的レ
血管疾患、胃腸障害、
ビュー及び英語)の
結果の30件の研
究
調整因子
結果
分析項目
有意性
著者名
別表1「クイックリターンと健康との関係に関する研究の文
献レビューの要約」のとおり。
-
-
トラック運転手の事故事例136例と非事故事例271例を比
較した症例対照研究では、10時間の運転では30分間の
休憩を1回または2回とることで事故リスクが低下し、運転
前に長時間(11時間超)の休息時間があっても事故リスク
の低減には効果がないことが示された(ChenとXie,
2014)。
製造部門での横断的研究では、昼勤と夜勤のブロックの
間に24時間を超える休息時間があることは、そのような休
時間数/
息時間がない場合よりも高い平均注意力(未調整平均:
回数
24時間超休息あり6.40、同休息なし6.15)及び低い平均疲
労(未調整平均:同休息あり2.62、同休息なし2.75)と関連
した(Tuckerら、1999)。
1224名の看護師を対象とした縦断研究では、ベースライ
ン(T1)でのクイックリターン(シフト間が11時間未満)の年
間数は、T2(1年後)の病的疲労の発生を予測した
(OR1.01、95%CI: 1.00-1.01)(Floら、2014 ※第5回検討
会資料2No.4)。
看護師の病的疲労あり
(11時間のインターバルの Dall'Ora
回数)
C, et al
※第5回検討会資料2No.4
年齢、BMI、出産歴、喫
煙、社会経済的地位、傷
病休暇(妊娠前3か月)
夜勤後のクイックリターン回数の増加に伴い、HDPリスク
が増加する傾向が見られた(QR0:OR0.84 95%CI:
0.55-1.23 QR1~4:OR0.86 95%CI: 0.69-1.07 QR≧
回数
5:OR1.06 95%CI: 0.87-1.29)。
夜勤後のクイックリターン Hammer
(夜勤後28
肥満女性(BMI≧30kg/㎡)の間で、長時間夜勤、連続し
の回数あり
P, et al
時間未満)
た夜勤のより長い夜勤、夜勤後のクイックリターンの回数
が最も多かった人は、日勤労働者と比較し、HDPのリスク
が4~5倍増加した。
-
131
書誌情報
Systematic review of the
relationship between
Vedaa Ø,
Ergonomics.
quick returns in rotating
et al
2016; 59 : 1-14
shift work and healthrelated outcomes
-
交替勤務と睡眠障害の関係及び夜勤と睡眠障害の関係
について、交替勤務6件、夜勤3件の研究を選択、オッズ
比1.17(95%CI: 0.96-1.43)で睡眠障害との関係は有意で
なかった。
交替勤務と様々な種類のがんとの関係を系統的にレ
ビューした複数の研究の中で、13件を選択、乳がんのリス
クは標準化罹患比1.44(95%CI: 1.26-1.65)と有意に増加
したことを明らかにした。
交替勤務がコルチゾール値に与える影響を調査した5件
の研究を解析し、コルチゾールの分泌が日中に睡眠を
とった交替勤務労働者に増加したと結論を下した。
交替勤務と生殖の関係に関する系統的レビューの中か
ら、14件の早産に関する研究、6件の胎内発育遅延児の
出産、及び2件の妊娠高血圧腎症と妊娠誘発性高血圧を
対象にした研究が選択され、交替勤務が早産のリスクを
有意に増加させることを示した(RR1.31、95%CI: 1.611.47)。胎内発育遅延児の出産に関するRRは1.07であっ た(95%CI: 0.96-1.19)。
交替勤務と虚血性心疾患リスクを系統的レビューの中か
ら、16件の研究を選択し、交替勤務により虚血性心疾患リ
スクが有意に増加する結果を示した(RR1.48、95%CI:
1.36-1.61)。
交替勤務と胃腸障害の関係に関する系統的レビューの中
で、6件の胃腸症状に関する研究、6件の消化性潰瘍性
疾患関係の研究、3件の機能性胃腸疾患関係の研究が
選択され、4件の胃腸症状、5件の消化性潰瘍性疾患、2
件の機能性胃腸疾患関係の研究は、交替勤務によりそ
れぞれの障害リスクが有意に増加することを報告した。
健康の効果指標、睡眠の機能的能力及び仕事と生活の
バランスに関する系統的な文献調査を行い、22件の研究
を選択し、クイックリターンは、睡眠、眠気及び疲労に有害
な影響があると結論を下した。
タイトル
Characteristics of shift
work and their impact on
Int J Nurs Stud.
employee performance
2016; 57: 12-27
and wellbeing: A literature
review
Night work and
Scand J Work
hypertensive disorders of
Environ Health.
pregnancy: a national
2018; 44: 403register-based cohort
413
study
交替勤務及び夜勤と睡眠
障害の関係ではなし
交替勤務と乳がんのリスク
ではあり
日中に睡眠を取った交替
勤務労働者とコルチゾー
ル値増加ではあり
The association between Sleep Biol
Itani O &
交替勤務と早産のリスクで
shift work and health: a
Rhythms. 2016;
Kaneita Y
はあり
review
14: 231-239
交替勤務と虚血性心疾患
リスクではあり
交替勤務と胃腸障害リスク
ではあり
クイックリターンと睡眠、眠
気、疲労ではあり