資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (43 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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長期間の負荷の評価期間
長期間の過重業務に相当する負荷を調査した疫学調査では、表4-3の
とおり、4週間~10 年以上の負荷を調査しているものがあるが、「過去4週
間の典型的な睡眠時間」、「前年の平均的な睡眠時間」のような、概括的な
状況の把握にとどまるものが多い。症例報告では、表4-4のとおり、発
症1か月~7か月前の状況が報告されているものがみられる。さらに、裁
判例の状況をみると、現行認定基準に沿って発症前6か月間の負荷を検討
しているものが大半である中で、発症前6か月よりも前の時間外労働等も
評価している事例が数件みられるといった状況にある。
以上のような医学的知見等の状況から総合的に判断すると、原則として
発症前1~6か月の就労状況を調査すれば発症と関連する疲労の蓄積が判
断され得るとした平成 13 年検討会の整理は妥当であり、これを変更するに
足りる十分な根拠は現時点でもないものと考える。したがって、長期間の
負荷について業務の過重性を評価する期間は、引き続き、発症前おおむね
6か月が妥当と考えられる。
なお、当該期間中の業務による負荷を時間的にみた場合、発症に近けれ
ば近いほど影響が強いものと考えられるが、発症に近い時期の負荷が小さ
く、発症から離れた時期の負荷が大きい場合についても、全体を総合的に
評価する必要がある。あわせて、発症おおむね6か月より前の業務につい
ては、就労実態を示す明確で評価できる資料があり特に身体的、精神的負
荷が認められる場合に、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当た
り付加的要因として考慮する取扱いについて、引き続き、維持することが
妥当である。
さらに、長期間の過重業務の判断に当たって、前記(1)②のとおり、疲労
の蓄積に加え急性の負荷とあいまって発症する場合があることから、発症
に近接した時期に一定の負荷要因(心理的負荷となる出来事等)が認めら
れる場合には、それらの負荷要因についても十分に検討する必要がある。
すなわち、長期間の過重業務の判断に当たって、短期間の過重業務(発症
に近接した時期の負荷)についても総合的に評価すべき事案があることを
認定基準上明らかにすることが妥当である。
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