資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (74 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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脳・心臓疾患は、その発症の基礎となる血管病変等が、主に加齢、生活習慣、生
活環境等の日常生活による諸要因や遺伝等の個人に内在する要因により長い年月の
生活の営みの中で徐々に形成、進行及び増悪するといった経過をたどり発症するも
のであり、労働者に限らず、一般の人々の間にも普遍的に数多く発症する疾患であ
る。
しかしながら、業務による過重な負荷が加わることにより、血管病変等をその自
然経過を超えて著しく増悪させ、脳・心臓疾患を発症させる場合があることは医学
的に広く認知されているところであり、現行認定基準においては、脳・心臓疾患の
発症に近接した時期における負荷のほか、長期間にわたる業務による疲労の蓄積を
業務による過重負荷として評価している。
本検討会では、これらを踏まえ、業務による負荷要因と脳・心臓疾患の発症との
関係についての最新の医学的知見や、個別の支給決定事例、現行認定基準策定以後
の裁判例等を検討し、次のような結論に達した。
1
脳・心臓疾患の対象疾病として「重篤な心不全」を追加するとともに、解離性
大動脈瘤については「大動脈解離」に表記を改めることが適切である。
2
脳・心臓疾患の発症に近接した時期における負荷のほか、長期間にわたる業務
による疲労の蓄積が脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼすとする考え方は、現在の
医学的知見に照らし是認できるものであり、この考え方に沿って策定された現行
認定基準は、妥当性を持つ。
3
過重負荷の評価の基準となる労働者としては、引き続き、本人ではなく、同種
労働者にとって、特に過重な業務であるかを判断の基準とすることが妥当であり、
ここでいう同種労働者とは、「当該労働者と職種、職場における立場や職責、年
齢、経験等が類似する者をいい、基礎疾患を有していたとしても日常業務を支障
なく遂行できるものを含む」とすることが適切である。
4
発症に近接した時期における業務による負荷については、現行認定基準のとお
り、「異常な出来事」及び「短期間の過重業務」を評価することとし、「異常な出
来事」の具体的な内容についてより適切な表記に修正するとともに、「異常な出
来事」及び「短期間の過重業務」について、その検討の視点や、業務と発症との
関連性が強いと評価できる場合の例示を認定基準上明らかにすることにより、明
確化、具体化を図ることが適切である。
5
「短期間の過重業務」及び「長期間の過重業務」において、業務による負荷要
因としては、労働時間のほか、勤務時間の不規則性(拘束時間の長い勤務、休日
のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、不規則な勤務・交替制勤務・
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