資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (46 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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男性、麻酔科医師、急性心機能不
全で死亡
通常の業務内容、発症前3か月の日直、当直、時間外労働
の状況、発症前2年間の論文執筆の状況等を報告
日山亨ら(2010)
3か月
40 歳男性、研究所のホワイトカラ
ー、脳出血を発症
発症前3か月続いた過労、生理心理的に休息にならない休
日という特徴を報告(発症直前の労働負荷強度よりも、勤務
日と休日の過労の進展度が過労障害につながったと評価)
Sasaki T ら(2009)
3か月
40 歳男性、研究者、左被殻出血を
発症
通常の業務内容、発症4~6か月前の時間外労働、発症3
か月前から発症までの時間外労働の増加、家事負担、休日
に精神的には休息できなかったこと等を報告
Sasaki T & Kubo
T (2008)
5か月
38 歳男性、新聞社主任、視床出血
による死亡
通常の時間外労働の状況(長時間労働あり)、発症前5か
月の業務内容(出張)、時間外労働、睡眠時間の状況等を
報告
内田博ら(2004)
2
発症に近接した時期における異常な出来事や短期間の過重業務の評価
(1) 異常な出来事の評価
ア
異常な出来事の考え方
前記1(3)ア(31 頁)のとおり、現行認定基準においては、発症直前から
前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常
な出来事に遭遇したことを認定要件として掲げている。
これは、生体が異常な出来事に遭遇した場合に、当該過重負荷が急激な
血圧変動や血管収縮等を引き起こし、血管病変等を急激に著しく増悪させ、
脳・心臓疾患の発症の原因となると考えられるからであり、本検討会は、
平成 13 年検討会において整理されたこの「異常な出来事」の考え方につい
て、現時点での医学的知見に照らしても妥当と判断する。
すなわち、「異常な出来事」とは、「当該出来事によって急激な血圧変動
や血管収縮等を引き起こすことが医学的にみて妥当と認められる出来事」
と解され、この旨を認定基準上明らかにすることが妥当である。
そして、この異常な出来事については、医学的知見等を踏まえると、現
行認定基準の表記を一部修正し、具体的には、
①
極度の緊張、興奮、恐怖、驚がく等の強度の精神的負荷を引き起こす
事態
②
急激で著しい身体的負荷を強いられる事態
③
急激で著しい作業環境の変化
がこれに該当するものと考えることが妥当である。
イ
異常な出来事の検討の視点等
異常な出来事に関する過重負荷の有無の判断については、医学的知見等
を踏まえ、その検討の視点や、業務と発症との関連性が強いと評価できる
場合の例示を認定基準上明らかにすることにより、明確化、具体化を図る
ことが適切である。
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