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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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していたとしても日常業務を支障なく遂行できるものを含む概念である。
これは、労災保険制度が、業務に内在する危険が現実化したものに対する
補償を行う制度であることから、業務に内在する危険を判断するに当たり、
本人ではなく本人と同種の労働者を抽象的に想定して業務に着目し、当該業
務が過重であったか否かを客観的に判断するという枠組みが不可欠であるこ
とによる。
このような同種労働者については、平成 13 年検討会の整理のとおり、基礎
疾患を有していたとしても日常業務を支障なく遂行できる労働者は現に多数
就労していることから、これらの者の保護に欠けることのないよう、基礎疾
患を有していたとしても日常業務を支障なく遂行できる者を含むとする必要
がある。これは、対象疾病の項において、労働者が器質的心疾患を有する場
合に、その病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えられない
場合であって、業務による明らかな過重負荷によって自然経過を超えて著し
く重篤な状態に至ったと認められる場合には、業務と発症との関連を認める
ことが妥当と判断したこととも整合するものである。
一方で、脳・心臓疾患に係る重篤な基礎疾患を有し、日常生活を営む上で
受けるわずかな負荷(例えば、入浴や排便等)によっても発症し得る労働者
については、その病態が安定していたと評価することができないものであり、
このような労働者が、業務遂行中にたまたま対象疾病を発症したとしても、
これは、自然経過によるものと評価せざるを得ず、このような場合に業務起
因性を認めることはできない。この点からも、基礎疾患の観点から同種労働
者に含まれる者としては、「基礎疾患を有していたとしても日常業務を支障な
く遂行できる者」の範囲とすることが適切である。
また、この同種労働者については、心理的負荷・身体的負荷の評価の必要
性等を踏まえ、現行認定基準で明示されていた年齢及び経験のほか、職種、
職場における立場や職責などについても類似する者を想定することが適切で
ある。なお、「基礎疾患を有していたとしても日常業務を支障なく遂行できる
者」を同種労働者に含むことから、基礎疾患の状況などの健康状態について
も、年齢等と同様に考慮対象とすることとなる。
その上で、過重負荷の判断、すなわち、特に過重な業務に就労したと認め
られるか否かについては、「業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同種労
働者にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められる業務であるか
否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること」が必要である。

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