資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (152 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発症前)
負荷要因
27
裁量度が低い
仕事
観察期間
2~5年間
(20022005年に
Job Strain 2002-2007年
を質問票
により測
定)
28
外在的努力(仕
事の要求度、責
任、義務等への
対処)レベルの
高い業務
労働者のオー
バーコミットメン
ト
29
超過勤務
仕事裁量度の
調査時点
低さ
の職場環 2000-2002年
仕事による疲労
境を質問
高度の肉体的
ストレス
発症前の
仕事上の
ストレスを 2005-2006年
面接により
調査
疾病
虚血性心疾患(IHD)
調査対象
調査方法
デンマークの公務員18,258人(79%が
コホート研究
女性)を対象
虚血性心疾患の疑いで冠動脈血管
冠動脈性心疾患(CHD) 造影を行った中国人388人(30-70歳) 症例対照研究
を対象
狭心症(AP)
調整因子
結果
性別、フォローアップ開
始時の年齢、配偶者の
有無、15歳以下の子供
の同居、社会経済的地
位
Job strain、仕事の満足度ともに、IHDリスクとは関連が見ら
れなかった。しかし、裁量度が低い仕事についていた群は、
IHDリスクが高まった(HR 2.0、95%CI: 1.1-3.6)。デンマークの
公務員(主に女性)においては、高度Job strain及び仕事不
満足度とCHD発症間の関係を支持する結果は得られなかっ
た。
裁量度が低い仕
Job strain and ischemic heart
事あり
disease: A prospective study
Job strain、仕事 Bonde JP, et al
using a new approach for
の満足度なし
exposure assessment
-
冠動脈造影の結果、CHDと診断された292人(症例群)、診断
されなかった92人(対照群)について、性別、年齢で調整した
上で高血圧等その他の危険因子を投入し、努力-報酬不均
衡の質問票の回答を分析したところ、努力-報酬不均衡、外
在的努力、オーバーコミットメント(OVC)の度合いはCHDと有
意な関連があった。低ストレス群と比較した調整済みORは、
外的努力で中程度ストレス群が2.4(95%CI: 1.3-47.6)、高スト
レス群が2.7(95%CI: 1.4-5.3)、OVCで中程度ストレス群が1.8
(95%CI: 0.9-3.5)、高ストレス群が2.8(95%CI: 1.4-5.3)であっ
た。
努力-報酬不均衡、OVCの両方が高度の群では低度の群と
比較しCHDのリスクがさらに増加した(OR 5.5、95%CI: 2.213.4)。一方、仕事による報酬が高い場合、低い場合に比べ
てCHDのORは0.4低下した。
高ストレス群(努
力-報酬不均衡、
外在的努力、
Xu W, et al
オーバーコミット
メント)あり
タイトル
新規冠動脈性心疾患の発生と仕事要求度(男性OR 0.97、
95%CI: 0.85-1.12、女性OR 1.17、95%CI: 0.98-1.41)、職場で
の社会的支援(男性OR 1.11、95%CI: 0.96-1.28、女性OR
1.15、95%CI: 0.95-1.38)との間には有意な関連は見られな
かった。新規冠動脈性心疾患の発生は、自己申告(男性OR
1.55、95%CI: 1.20-2.01、女性OR 1.74、95%CI: 1.15-2.64)及
び客観的アセスメント(男性OR 1.43、95%CI: 1.09-1.88、女性 仕事裁量度の低
Low job control and risk of
年齢、フォローアップ期 OR 1.73、95%CI: 1.14-2.62)の両方で仕事裁量度が低いほ さあり
coronary heart disease in
Bosma H, et al
間
ど、有意に増加する傾向を示した。2回目フォローアップ時の 仕事要求度なし
Whitehall Ⅱ(prospective
新規冠動脈性心疾患の発生率は、ベースライン時に仕事裁
cohort) study
量度が低い群ではOR1.18(95%CI: 0.95-1.46)、1回目フォ
ローアップ時に仕事裁量度が低い群ではOR1.16(95%CI:
0.94-1.44)であった。しかしベースラインとフォローアップ1回
目時ともに仕事裁量度が低い群では、OR 1.36(95%CI: 1.151.62)と有意であったことから、仕事裁量度の低さは累積効果
があると考えられる。
平均5.3年
平均5.3年間
間フォロー
フォローアップ
アップ(2
(2回測定)
回測定)
冠動脈性心疾患
ロンドンの公務員10,308人
31
職場ストレス
-
心血管疾患(CVD)
職場ストレスを含む心理社会的要因
が心血管疾患(CVD)に与える影響と 総説
そのメカニズムをレビュー
-
32
努力報酬不均
衡による職場ス
トレス
オーバーコミット
メント
頸動脈内膜中膜厚
(CIMT)
虚血性心疾患を有しない中国人労働
者734人(男性508人、女性226人)を 横断研究
対象
女性において、以下の努力-報酬不均衡主要指標とCIMTと
の間に有意な関連が見られた。努力:r2=0.258、オーバーコ
年齢、高血圧、糖尿病、 ミットメント:r2=0.261、努力-報酬不均衡:r2=0.274。報酬は
高脂血症、BMI
CIMTと負の関連が見られ、報酬が上がるとストレスが低下し
た。男性も同様の傾向であったが、交絡因子の影響により、
有意な関連は見られなかった。
コホート研究
超過勤務、仕事
Associations between working
裁量度の低さ、
conditions and angina pectoris
仕事による疲労、 Lallukka T, et al
symptoms among employed
高度の肉体的ス
women
トレスあり
これまでの研究から、以下の心理社会的要因がCVDに影響
すると考えられている。
①否定的な感情(うつ、怒り、敵意、不安)、②慢性及び急性 のストレス(特に職業性)、③社会的要因(社会的結びつき、
社会的支援、社会的あつれき)
142
【男性】
なし
【女性】
努力-報酬不均
衡あり
Everson-Rose Psychosocial factors and
SA & Lewis TT cardiovascular diseases
Xu W et, al
書誌情報
J Occup
Environ Med.
2009; 51: 732738
仕事上のストレスと冠動脈性心
疾患 中国人における症例対照
研究
J Occup
(Job Stress and Coronary
Health. 2009;
Heart Disease: A Case-control 51: 107-113
Study using a Chinese
Population)
フィンランド(ヘルシンキ)の女性労働
横断研究
者7,093人(40-60歳)を対象
低い仕事裁量
度
-
著者名
APと職場ストレスとの関係を調べたところ、超過勤務(OR
1.41、95%CI: 1.05-1.88)、仕事裁量度の低さ(非常に低い群
が非常に高い群に対して、OR 2.03、95%CI: 1.5-2.75)、仕事
年齢、生活習慣、社会 による疲労(疲労が高い群が疲労がない群に対して、OR
的地位、更年期の有無 2.8、95%CI: 2.08-3.89)、高度の肉体的ストレス(ストレスが高
い群が低い群に対して、OR 1.66、95%CI: 1.2-2.2)がAPと有
意に関連していた。一方、生活習慣要因(喫煙、飲酒、
BMI)、社会経済的地位、更年期はAPとの関連がなかった。
30
-
有意性
Psychosom
Med. 2006; 68:
348-354
BMJ. 1997; 314;
558-565
Annu Rev
Public Health.
2005; 26: 469500
中国人労働者における職業性
ストレスおよび頸動脈内膜中膜
J Occup
厚度
Health. 2010;
(Job Stress and Carotid Intima52: 257-262
media Thickness in Chinese
Workers)