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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (127 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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1 睡眠時間と脳・心臓疾患の発症等に関する文献(疫学調査) (2)心臓疾患に関するもの(55文献)

時間

21

調査期間
(発病前)

ベースライン
時(24時間血
自己申告睡眠時間(7.5
圧測定時)の
時間以上又は未満)
自己申告(1日
の日誌)

観察期間

疾病

調査対象

調査方法

調整因子

結果

有意性

著者名

タイトル

多変量解析では、短い睡眠時間(7.5時間未満)はCVD
日本の医療機関9施設に
モデル1:年齢、性別
発症と関連した(HR=1.68、95%CI: 1.06-2.66、P=0.03)。
①1990~1998年
おいて高血圧の治療又は
モデル2:モデル1の因子+BMI、現在 短い睡眠時間と上昇パターンの間に相乗的相互作用
Short sleep duration as an
(平均41±14か
心血管疾患(CVD: 評価を受けた無症候性患
の喫煙、糖尿病状態、総コレステロー
が観察された(P=0.089)。被験者を睡眠時間と上昇/ 短い睡眠時間
independent predictor of
前向きコホート
Eguchi K,
月)、②1996~
脳卒中、心筋梗
者1255人(平均年齢70.4±
ル、血清クレアチニン、対数変換トリグリ 非上昇パターンに基づいて分類すると、共変量とは無 (7.5時間未満)
cardiovascular events in
研究
et al
2002年(平均66± 塞、心臓突然死) 9.9歳(範囲33~97歳)、男
セリド、24時間SBP(収縮期血圧)
関係に、より短い睡眠+上昇グループは、優勢な正常 あり
Japanese patients with
27か月)
性476例・女性779例、うち
モデル3:血圧上昇パターン(夜間血圧 睡眠+非上昇グループより実質的かつ有意に高いCVD
hypertension
94%は高血圧)
低下0%未満)
の発生率を有した(HR4.43、95%CI: 2.09-9.39、
P<0.001)。

1年間隔で測
15-20年後の5年間 冠動脈石灰化


睡眠時間が長く
1985-1986年に若年成人
年齢、性別、人種、教育、喫煙及び無呼吸のリスクの
潜在的な交絡因子(年齢、性別、人種、
なるにつれて冠
の冠動脈リスク開発コホー
調整後は、測定された睡眠時間が長くなるに従い、石
教育、無呼吸のリスク、喫煙状況)及び
動脈石灰化発
Short sleep duration and
トのシカゴサイトに登録され 前向きコホート
灰化の発生率が低下した(OR0.67/時間、95%CI: 0.49King CR,
媒介因子(脂質、血圧、BMI、糖尿病、炎
生率低下
incident coronary artery
た18歳から30歳の成人のう 研究
0.91/時間)。上記に加えBMI、HDL、LDL、血圧及び糖
et al
症マーカー、アルコール摂取、うつ、敵
(睡眠時間が短
calcification
ち、15年後、20年後の両方
尿病でさらに調整した場合も、同様に発生率が低下し
意、自己申告の医学的状態)
いほど石灰化
の追跡データがある495人
た(OR0.66/時間、95%CI: 0.48-0.92/時間)。
発生率が高い)

書誌情報

Arch Intern
Med. 2008 ;168:
2225-2231

JAMA. 2008;
300: 2859-2866

22

測定時間

23

7時間未満、7時間以上
8時間未満、8時間以上
前6か月の通
9時間未満、9時間以上
2013年10月まで
常の睡眠時間
10時間未満、10時間以


24

2008年まで追跡さ
6時間以下、7-8、9時間 通常の睡眠時
れ、追跡期間の中 心血管疾患
以上

央値は17年間

モデル1:収縮期血圧、総コレステロー
ベースライン時に35-74歳
ル、HDLコレステロール、糖尿病、喫煙
であった、心血管疾患の既 前向きコホート 習慣、教育レベル、睡眠障害または睡
往のない2,277人(平均50.9 研究
眠時間
±9.5歳)の男性
モデル2:モデル1の因子+余暇時間に
おける身体活動、うつ状態

9時間以上の睡眠は、心血管疾患のリスク増加と有意
Influence of sleep disturbances
な関連が認められた(HR1.56、95%CI: 1.10-2.22)が、
on age at onset and long-term
冠動脈性疾患との有意な関連は見られなかった
9時間以上あり
Sleep Med.
Gianfagna incidence of major
(HR1.36、95%CI: 0.87-2.12)。6時間以下では、心血管 (心血管疾患)
2016; 21:126F, et al
cardiovascular events: The
疾患、冠動脈性心疾患発症ともに有意な関連が見ら 6時間以下なし
132
monica-brianza and pamela
れなかった(HR1.14、95%CI: 0.85-1.53;HR1.14、95%CI:
cohort studies
0.81-1.61)。

睡眠時間(ど
0-4時間、4-6時間、6-8 れくらい寝ま
時間、8時間超
すか?と質
問)

モデル1:年齢と性別
モデル2:モデル1の因子+教育、婚姻
状態、喫煙、アルコール摂取、身体活
台湾で登録された0歳以上
動、高血圧の履歴、糖尿病の履歴、心
前向きコホート
の392,164人(平均40.4歳)
臓病の履歴
研究
の成人
モデル3:モデル2の因子+BMI、収縮期
血圧、空腹時グルコース、総コレステ
ロール、HDLコレステロール、トリグリセ
リド、催眠薬/鎮静薬の使用

モデル2による解析の結果、8時間超の睡眠が冠動脈
Self-reported sleep duration
性心疾患による死亡のリスク増加と関連していた
8時間超あり
Strand
and coronary heart disease
(HR1.35、95%CI: 1.11-1.65)。睡眠時間が0-4時間、46時間以下なし LB, et al mortality: A large cohort study
6時間のHRは、それぞれ1.34(95%CI: 0.87-2.07)、1.03
of 400,000 taiwanese adults
(95%CI: 0.85-1.23)であった。

25

26

27

非致死的心筋梗
塞、安定狭心症、
不安定狭心症、不
特定の冠動脈性心
疾患、または冠動
脈性心疾患による
死亡

1994年から2011年
冠動脈疾患
まで

中高年の中国人成人
19,370人(平均年齢62.8
歳、男性8,534人、女性
10,836人)

年齢、性別、BMI、教育歴、喫煙習慣、
前向きコホート 飲酒習慣、身体活動、高血圧、高脂血
研究
症、糖尿病、冠動脈性心疾患の家族
歴、昼寝時間または睡眠時間

ベースライン
9時間以上、7または8時
冠動脈性心疾患ま 50-79歳の女性のうち冠動
過去4週間の 1993年-1998年か
間、6時間、及び5時間
たは心筋梗塞によ 脈性心疾患の既往のない コホート研究
典型的な睡眠 ら2009年まで
以下
る死亡
3,942人
時間

5時間以下、6時間、7時 睡眠時間の自 2009年8月から
間以上
己申告
2010年7月まで

定期健診を受けている日
本人23-92歳の2,498人か
頸動脈アテローム
ら、40-84歳の2,214人(男
性動脈硬化の発症
性1,064人、女性1,150人)
を抽出

横断研究

モデルA:睡眠時間、年齢、人種、学歴、
収入
モデルB:モデルAの因子+フィブリノゲン
レベル
モデルC:モデルBの因子+BMI、低運動
量、高アルコール摂取、喫煙歴、高血
圧、糖尿病有無、うつ病有無、一般的な
健康状態及び生活満足度スケール

10時間/夜以上の睡眠で冠動脈性心疾患発生率のリ
スクが増加した(HR1.33、95%CI: 1.10-1.62)。この関連 10時間以上あり
Yang L,
は、体重が正常で糖尿病を患っていない場合に特に顕 10時間未満な
et al
著であった。10時間未満の睡眠の各群では、有意な差 し
は見られなかった。

Longer sleep duration and
midday napping are associated
with a higher risk of CHD
incidence in middle-aged and
older Chinese: the DongfengTongji cohort study

Int J Cardiol.
2016; 207: 246251

モデルAによる解析の結果、9時間以上の長時間睡眠
Fibrinogen may mediate the
時間では、冠動脈性心疾患発症リスクが有意に増加し 9時間以上あり
J Sleep Res.
Hale L, et association between long sleep
た(OR2.05、95%CI: 1.02-4.11)。睡眠時間6時間、5時 6時間、5時間
2013; 22: 305al
duration and coronary heart
間以下のオッズ比は、モデルAでは、0.64(95%CI: 0.40- 以下なし
314
disease
1.00)、1.13(95%CI: 0.66-1.94)であった。

年齢及び性別のみで調整したモデルでは、睡眠時間5
時間以下のオッズ比は1.087(95%CI: 0.787-1.500)で有
年齢、性別、LDLコレステロール、HDLコ 意ではなく、7時間以上は1.261(95%CI: 1.032-1.542)で
Sleep duration is significantly
レステロール、トリグリセリド、空腹時血 あった。すべての調整因子を用いたモデルでは、5時 7時間以上あり Abe T, et associated with carotid artery
漿グルコース、HbAlc、空腹時インスリ 間以下が1.059(95%CI: 0.764-1.467)と有意ではなく、7 5時間以下なし al
atherosclerosis incidence in a
ン、BMI、アルコール摂取、喫煙状況
時間以上が1.263(95%CI: 1.031-1.546)で、いずれのモ
Japanese population
デルにおいても、7時間以上で有意な関連が認められ
た。

117

Sleep. 2016; 39:
645-652

Atherosclerosis
. Volume, Issue
2, August
2011; 217: 509513