資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (79 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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令和元年の脳血管疾患による死亡者 106,552 人の構成を見ると、脳梗塞
59,267 人、脳内出血 32,776 人、くも膜下出血 11,731 人、その他の脳卒中
2,778 人と脳梗塞によるものが最も多い47。
(2) 脳出血
ア
概要
脳実質内の小血管が破綻し、脳内に血腫を形成したものを脳出血という。
全体の 80%以上は高血圧が原因である48。
脳出血の結果として、血腫が脳組織を圧迫し、局所神経症候及び頭蓋内
圧亢進を示す。血腫の部位、大きさによって様々な程度の頭痛、意識障害、
局所神経症候(巣症状)が起こる。
イ
成因
非外傷性脳出血は、小血管の変性に伴うもの(高血圧性脳出血と脳アミ
ロイドアンギオパチー(CAA))、血管形態の異常によるもの(脳動静脈奇形、
海綿状血管腫、もやもや病など)、血液疾患によるもの(抗凝固療法による
ものを含む血液凝固異常など)、その他二次性のもの(脳腫瘍、脳梗塞、脳
ヘルニア等に伴うもの)に区分される49。
高血圧は、現在でも最も主要な脳出血の原因である。脳アミロイドアン
ギオパチーは、髄膜及び脳内の血管壁にアミロイド化したタンパク(特定
の構造を持つ水に溶けない繊維状のタンパク質)の沈着を認めるもので、
遺伝性のもの、加齢等に伴う孤発性のものがあり、高齢者に多くみられ、
脳出血の原因となる50。
脳出血は出血部位により、被殻出血、視床出血、脳幹出血(橋出血)、小
脳出血、皮質下出血(脳葉出血)等に分類されるが、皮質下出血について
は、他の部位の脳出血と異なり、高血圧ではなく血管病変に由来するもの
が多く、若年者では脳動静脈奇形、高齢者では脳アミロイドアンギオパチ
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厚生労働省. 国民生活基礎調査. 2019
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=
00450061&tstat=000001141126
47
厚生労働省. 人口動態統計. 2019
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=
00450011&tstat=000001028897
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豊田一則ら. SCU グリーンノート. 中外医学社. 2016; 150
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豊田一則ら. 脳出血・くも膜下出血診療読本. 中外医学社. 2016; 2
50
豊田一則ら. 脳出血・くも膜下出血診療読本. 中外医学社. 2016; 5
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