資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (157 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発症前)
負荷要因
56
57
58
59
60
職場ストレス
(特に休日後の 最初の就業日)
バーンアウト
職業性ストレス
(job strain:仕
事裁量度4項
目、仕事要求度
5項目を調査)
2002~2007年
疾病
急性心筋梗塞(AMI)
調査対象
調査方法
ハンガリーで2002~2007年に急性心
筋梗塞(AMI)を発症した患者90,187 記述疫学研究
人を対象
調整因子
結果
有意性
AMIの発症率は月曜日をピークとして金曜日まで順次減少し
(減少率15%)、週末になるとさらに低下した(減少率
22.3%)。月曜日が休日になると、発症率は低下する。65歳
以下、65歳以上の集団どちらでも月曜日に発症率のピーク
が見られた。(退職者集団では月曜日のピークが見られない
という他の研究とは異なる。)65歳以上では、職場ストレスと
は別の生活面のストレス(家庭での役割に関連)が影響して
いる可能性も示唆された。
-
著者名
Bodis J, et al
タイトル
書誌情報
Permanent stress may be the
Int J Cardiol.
trigger of an acute myocardial
2010; 144: 423infarction on the first work-day
425
of the week
平均3.4年
間(ベース 平均3.4年の
ライン時に フォローアップ
調査)
重要な危険因子:年齢、
イスラエルの健康な男女8,838人(男
性別、喫煙歴、家族歴
前向きコホート
冠動脈性心疾患(CHD) 性5,712人、女性3,126人、19-67歳)を
心理社会的要因:抑う
研究
対象
つ、客観的作業負荷、
主観的作業負荷
フォローアップ期間中に93件のCHDが発症し、ベースライン
時点でのバーンアウトはCHD発症リスクと関連があった(調
整済みHR 1.41、95%CI: 1.08-1.85)。重度のバーンアウト(上 バーンアウトあり Toker S, et al
位1/4)の場合、CHDとの関連はさらに強くなり、下位3/4と比
較してHRは1.79(95%CI: 1.05-3.04)であった。
ベースライ
ン時(1992
2005年末まで
年4月~
の11年間
1995年7
月)に調査
モデル1(社会経済的):
年齢、地域
モデル2(行動的):年
齢、学歴、職業、喫煙状
脳卒中の発症(くも膜下
日本の12地域の65歳以下の成人(男 前向きコホート 況、アルコール摂取、身
出血、脳内出血、虚血
性3,190人、女性3,363人)
研究
体活動、地域
性脳卒中)
モデル3(生物学的):モ
デル2の因子、BMI、高
血圧、糖尿病、高コレス
テロール血症
多変量解析では、モデル2の調整後、低負荷(仕事要求度が
低く裁量度が高い)の男性と比較して、高負荷(要求度が高く
裁量度が低い)の男性(HR2.73、95%CI: 1.17-6.38)の総脳卒
中リスクが2倍以上増加した。生物学的リスク因子の追加調
整はHRを減弱させたが、統計的有意性が続いた(HR2.53、
95%CI: 1.08-5.94)。女性では、どの職務特性カテゴリー間の
脳卒中発症率についても統計的有意差は認められなかっ
た。
【男性】
Prospective study on
Arch Intern
高負荷の仕事
Tsutsumi A, et
occupational stress and risk of Med. 2009 ;
(要求度高く裁量 al
stroke
169: 56-61
度低い状態)あり
-
高負荷の仕事(仕事要求度が高く裁量度が低い状態)は、低
負荷の仕事(要求度が低く裁量度が高い状態)と比較して、
脳卒中のリスク増加と関連していた(RR1.22、95%CI: 1.011.47)。この関係は虚血性脳卒中で顕著であった(RR1.58、
95%CI: 1.12-2.23)。脳卒中のリスクは女性で有意であり
(RR1.33、95%CI: 1.04-1.69)、男性は有意ではなかった(RR
1.26、95%CI: 0.69-2.27)が、男女差は有意ではなかった。男
性はデータが限られた(12,323人)ため有意にならなかった可
能性がある。
能動的な仕事(要求度が高く裁量度も高い状態)(RR1.07、
95%CI: 0.90-1.28)も受動的な仕事(要求度が低く裁量度も低
い状態)(RR 1.01、95%CI: 0.86-1.18)も、低負荷の仕事と比
較して脳卒中のリスク増加と関連しなかった。
高負荷の仕事
(要求度高く裁量
Huang Y, et al
度低い状態)あり
(特に女性)
年齢、性別、社会経済
的地位
1,815,848人/年(平均追跡期間9.2年)の間に、2,023件の脳
卒中発症が報告された。
全脳卒中のHRについて仕事の負荷ありの群を仕事の負荷
なしの群に比較したところ(年齢と性別で調整)、有意差は認
められなかった(1.09、95%CI: 0.94–1.26)。仕事の負荷は虚
血性脳卒中発症リスクの増加と関連していた(HR1.24、95%
CI: 1.05-1.47)が、出血性脳卒中発症リスクの増加とは関連
していなかった(HR1.01、95%CI: 0.75-1.36)。
仕事の負荷(要
求度高く裁量度
低い状態)あり
(虚血性脳卒中
のみ)
仕事の負荷(job
strain)
-
仕事の負荷(job
strain。要求度
-裁量度質問
票に従って定
義)
観察期間
3.4年~16.7年
1985年か
ら2008年
平均追跡期間
の間の
9.2年
ベースライ
ン調査
脳卒中
脳卒中
PubMed、Embase、PsycINFOにより抽
出された6件の前向きコホート研究
メタアナリシス
(18~75歳の参加者138,782人)(アジ
ア1件、米国1件、ヨーロッパ4件)
14件のヨーロッパの前向きコホート研
究に参加した男女196,380人(平均年 メタアナリシス
齢42.4歳、女性53%)
…再掲の文献。
147
Burnout and risk of coronary
heart disease: a prospective
study of 8838 employees
Psychosom
Med. 2012; 74:
840-847
Association between job strain Neurology.
and risk of incident stroke: A
2015; 85: 1648meta-analysis
1654
Job strain and the risk of
Fransson EI, et
Stroke. 2015;
stroke: an individual-participant
al
46: 557-559
data meta-analysis